残る
掲載日:2026/08/22
残る
頭に残る
まだ耳の奥の奥で
蝉が鳴いている
僕は耳を塞いで
深く深く呼吸をする
僕の吐いた息は
空気に溶け込んで
姿を消した
確かに呼吸をしているのに
それは目に見えず
まるで
僕が消えていくみたいで
それでも残る
頭に残る
目覚まし時計の代わりになった
あの蝉の声が
絶え間なく鳴いている
あの、蝉たちの声が
僕も彼らみたいに
誰かの記憶に残れたら、なんて
蝉の声のように
耳にずっと残らなくても
七日で消えてしまうとしても
あの夏の記憶の片隅にいられたら
ご覧いただきありがとうございました。
蝉の声のように。
誰かに届きますように。




