表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

わかると怖い異世界の話ーー異世界は計画的にーー

掲載日:2026/03/26

 とある酒場にて。


 若い冒険者が隣に座った壮年の冒険者に話しかけた。


「なあ、あんたのレベルはいくつなんだ?」


「100だ。」


「すげえな、おっさん。

 歴代最高レベルじゃねえか。」


「......まあな。」


 不愛想な男は酒を一息に飲み干した。

 店で一番強い酒なのに微塵も酔う気配がなかった。


「さすが歴戦の戦士は酒も強いね。

 一杯おごるから、話を聞かせてくれよ。

 あんたの武勇伝をよ。」


「......武勇伝なんてないさ。ただ、雑魚モンスターを狩ってただけだ。」


「またまた、謙遜しちゃって。

 効率よく経験値を稼げる穴場とか知ってるんだろ?


 教えてくれよ。

 礼はするぜ。」


 男は表情を変えずに言った。


「本当に特別なことは何もない。

 その辺の雑魚モンスターを適当に狩ってただけだ。」


「……なるほど、商売敵には教えられねえってことか。

 悪かったな。

 しつこくして。」


 若者が席を立つと、酒場の主人が声をかけてきた。


「あしらい方が慣れてますね。

 ああいう手合いはまともに相手をしないのが正解です。」


「別にあしらったわけじゃない。

 本当のことを言っただけだ。」


「レベル100なんて、すごいじゃないですか。」


「たいしたことないさ、三日だ。」


「はあ」


「最近、経験値一万倍というチートスキルを手に入れたんだ。

 それから、その辺のモンスターを適当に三日も狩ってたらカンストした。」


「ほぉ、それはすごいスキルですね。」


「すごくなんてない。

 最悪だよ。

 ありとあらゆる経験が一万倍になるんだ。


 つまり一度の経験が一万回経験したのと同じになる。

 この店に来るのは二回目だが俺はもう何十年もこの店に通っている気分なんだ。


 うんざりだよ。」


「はあ、そうですか」


「ほんと死にたくなる。

 そしてそんな気持ちを抱くと、その経験も一万倍になる。

 わかるか?地獄だよ。


 でも、俺は死ねないんだ。

 死のうとすると、やっぱり死にたくないって気持ちも出てきて、思いとどまる。

 それも一万倍だ。

 その繰り返しだよ。


 もう、心がぐちゃぐちゃなんだ。

 なあ、何か気の利いたことを言ってくれよ。


 一瞬でいいから、俺を救われた気にさせてくれ。

 そしたら、それも一万倍になるからさ。」


 ……ふう


 酒場の主人は少し考え、ため息をつくと、困り顔でこう言った。


「……すみません、お客さんが来るの、これで3回目だし、その話も3回目です。」


 男の顔は瞬時に赤く染まり、 次の瞬間、青ざめた。


 そして……今回も発狂した。

ご一読いただきありがとうございました。


もし「面白い」「ゾッとした」と思っていただけましたら、

下の【☆☆☆☆☆】やブックマークで応援いただけると励みになります。


このような「異世界転生やゲーム設定の裏に潜む理屈の地獄」をテーマにしたお話を考えています。

反響を参考にしつつ、連載版として公開していければと考えております。


次回は「なぜ最弱のゴブリンは絶滅しないのか?」という生態の謎に迫るお話の予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ