第22話 不治の病
お久しぶりです!更新が止まっていてすみません
実はリアルで彼女と別れてしまい、メンタルが完全に異世界へ飛んでいました……(꒪ཫ꒪; )
でも、ようやく心のHPが回復してきたので執筆再開します!
失恋の悲しみを執筆のエネルギーに変えて頑張りますので、引き続きよろしくお願いします!
それでは本編をどうぞ!( ੭•͈ω•͈)੭
ジェフが口笛を吹きながら傲慢な後ろ姿で去っていくと、彼によって強引に割られていた人混みは、引き潮の後の海水のように再びゆっくりと閉じ合わされた。
クスマとふゆこが未来への絶望に浸り、まだ我に返れずにいると、その時、先ほどまで崇拝するように集まっていた弱小の新入生たちが、再び興奮気味に詰め寄ってきた。
「クスマ君、あの恐ろしい奴に何かされなかったかい?」
「そうだよ!君は僕たちの命の恩人なんだ!君がいなければ、僕たちは入学試験を突破することなんて到底できなかったよ!」
彼らが口々に騒ぎ立てていると、しばらくして、遠くない場所から刺々しい冷笑が聞こえてきた。
見るからに家柄の良さそうな、華やかな共生植物を頭に乗せた数人の新入生が、極めて蔑むような眼差しで、クスマと彼を取り囲む弱小の新入生たちを眺めていた。
「……おい、見ろよ、あのもやし頭だ」
「聞いたか?昨日、秘境であいつが何をやったか……」
「反吐が出るな。あんな手段を選ばない底辺の奴と、あいつのおかげで棚ぼた合格した弱者共が、俺たちと一緒に並ぶ資格があるのか?王都アカデミーの格調を汚すだけだ!」
「もやしなんて呼ぶなよ。あいつには今や称号があるんだぜ——『糞溜めの王者』ってな!ハハハハ!」
ヒソヒソと小声ながらも悪意に満ちたその嘲笑は、相手がわざと声を張り上げたこともあり、隠すこともなく一同の耳に届いた。
その言葉を聞き、それまでクスマの周りにいた新入生たちは瞬時に顔を真っ赤にし、羞恥心から次々と俯いてしまった。
その様子を見て、クレイは不機嫌そうに重々しく「ちっ」と舌打ちをした。
彼の顔色は一瞬で沈み込み、全身から何者も寄せ付けない殺伐とした空気が放たれた。
─ (•ө•) ─
この危険な怒りに気づき、隣にいたクスマは密かに心の準備を整えた。
(こいつ、キレるぞ。)
クレイの極めて不快そうな様子を見て、クスマはてっきり、自分が恥をかかせたせいで怒鳴り散らされるのだと、当然のように思い込んでいた。
ところが、その怒りの火山は、全く予想外の方向へと噴火した。
クレイは猛然と一歩踏み出し、クスマの前に立ちはだかった。
そのまま、彼は背後のクスマへ向かって怒鳴りつけた。
「おい!もやし!そんな嘲笑ってる馬鹿共なんて気にするな!」
続いて、彼は勢いよく顔を上げた。怒りに燃える両目は、前方にいる無礼な貴族の新入生たちを射抜くように凝視した。
「陰でこそこそ悪口を言うことしかできない臆病者共め!俺の仲間に文句があるなら、今すぐ出てきて俺様とタイマンを張れ!」
短い死の静寂の後、人前で挑発された貴族の新入生たちは瞬時に顔を真っ赤にした。
中には激昂して怒りを露わにする者もおり、今にも飛びかからんばかりの勢いで一歩踏み出した。
クレイの決して退かない後ろ姿を見て、クスマは一瞬呆然とした。ひどく罵られると思っていたのに、まさか相手が自分を庇うとは思いもしなかったのだ。
(こいつ……)
この時、ふゆこも目をパチパチとさせ、隣にいるみぞれを振り返って不思議そうに尋ねた。「みぞれさん、クレイさんは師匠を守ってくれているんですか?」
それを聞き、みぞれは優しく頷き、慈愛に満ちた眼差しでクレイの背中を見つめると、柔らかな口調で応じた。「ええ、クレイは本当はとても優しい人なのよ」そう言う彼女の口元には、知らず知らずのうちに微笑みが浮かんでいた。
背後から聞こえてきた会話に、クレイの張り詰めていた戦闘態勢は瞬時に崩れ去った。今の自分の発言があまりに身内を庇いすぎており、この上なく気恥ずかしいものであることに気づいたのだ!
突如として襲ってきたきまり悪さと恥ずかしさを誤魔化すため、彼は勢いよく振り返り、翼の先でクスマを指差して怒鳴った。
「……とは言え!……俺様もお前が本当に臭いとは思うけどな!ハハハハハ!」
突如として響いた大音量と予測不能な『超展開』に、貴族の新入生たちの爆発しかけていた怒りは無理やり遮られた。全員が呆気に取られ、わけがわからないといった風な視線を向ける中、クレイのわざとらしく誇張された笑い声だけが、静まり返った広場に空々しく響いた。
クスマの心に芽生えかけたわずかな感動は瞬時に雲散霧消し、代わりに呆れ果てた表情が浮かんだ。彼はクレイが自分を庇っているのか、それとも嘲笑っているのか、もはや全く理解できなかった……。
─ (•ө•) ─
しばらくして、乾いた笑い声が空気中に消えていったが、広大な広場で相槌を打つ者は一人もいなかった。
クスマも、あの貴族の新入生たちも、全員が言葉にできない奇妙な眼差しで彼を凝視していた。その場の冷え切った空気にクレイが完全に飲み込まれそうになった、その時——。
アカデミーの上空から、悠揚かつ荘厳な鐘の音が突然鳴り響いた。
続いて、案内役の先生が魔法で声を増幅させ、群衆に向かって叫んだ。
「開学式がまもなく始まります。新入生は直ちに中央講堂へ集合してください!」
アナウンスと共に、周囲の群衆は講堂に向かって動き出した。
それを見た貴族の新入生たちは、悔しげに歯を食いしばり、クレイを一瞥すると、人混みに紛れて背を向けた。
無駄な体力を消耗せずに済んだのを見て、みぞれはまず軽くため息をつくと、落ち着いた声で口を開いた。「私たちも行きましょう。式典に遅れてしまうわ」
その言葉を聞き、クレイはようやく気まずさから逃れるための口実を見つけたようだった。彼は貴族の新入生たちの後ろ姿に向かって不機嫌そうに「ちっ」と舌打ちをした。「時間の無駄だ」
彼は慌てた様子で一足先に身を翻し、「行くぞ!もやし、さっさと歩け!」とだけ言い残すと、振り返りもせずに講堂へ向かって大股で歩き出した。その足取りは重く、ひどく急いでいるように見えた。
みぞれはその様子に慣れっこで、どうしようもないといった風にあの不器用な背中を追い、その場に立ち尽くしていたクスマとふゆこも顔を見合わせ、急いで後を追った。
道中、周囲は講堂へ急ぐ新入生たちで溢れていた。ふゆこはしばらくの間黙っていたが、いつの間にか、我慢できずに小走りでクスマの傍らに寄り添い、不思議そうに尋ねた。
「師匠、さっきのクレイさんは、師匠のために怒ってくれていたんですか?でも……最後はどうしてまた、師匠を臭いと言ったんでしょう?」
その無邪気な問いかけに、クスマはクレイのあの死んでも強がる不器用な様子を即座に思い出した。ほんのわずかな間に、脳内の青い光点が点滅し、極めて適切な言葉が瞬時に浮かび上がった。
そして、彼は足を止め、真面目な顔で向き直ると、両翼をふゆこの肩に置いた。
「ふゆこ、よく覚えておくんだ。あれは本当に嫌がっているわけではないんだ」
「えっ?」ふゆこは不思議そうに目をパチパチとさせた。
困惑する弟子を前に、クスマはまず軽くため息をつくと、諭すように、ゆっくりと語った。
「彼は本心と言葉が裏腹になる珍しい病気にかかっているだけだ。仲間を守りたいと思っているのに、プライドのせいで、あえて毒のある言葉で善意を包み隠してしまう……この病気のことを、『ツンデレ』と言うんだ」
「ツン……デレ?」ふゆこはよく分からないまま繰り返した。「じゃあ、クレイさんはその『ツンデレ』っていう病気なんですか?」
「そうだ。しかも、これは薬では治せない不治の病なんだよ」クスマはどこか沈痛な面持ちで頷いた。
「お可哀想に……」
わずかな同情を込め、ふゆこは顔を上げ、前方を歩くクレイの急ぎ足で強張った背中を見つめた。その清らかな瞳の奥には、いつの間にか「不治の病を抱えた患者」を見るかのような憐れみが宿っていた。
それから、彼女は非常に真面目に頷き、この新しく学んだ奥深い言葉を、しっかりと心に刻み込んだのだった……。




