表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
八咫烏  作者: さくら
3/12

第3話少年編 衝撃

けたたましいサイレンと共にパトカー二台、三台と集まって

わらわらと警官たちが雑居ビルを囲み、突入しようとしたその時、


バンバンバン

銃声が連続して3発なった


「行くぞ」


警官たちは、ビルの中に突入した


「上だ、上 三階だ、動くな!警察だ!」


「銃を捨てろ!」


「何だこれは 」


「これは、ひでぇ」


組員たちが血だらけで呻いていて、腕や足があらぬ方向に折れ曲がっていたり、

手足が千切れいる者までいる。

ドォォォーン

奥の部屋から大きな音が聞こえる。

警官たちが一斉に奥の部屋に飛び込むと

そこには首から上がなく胴体だけで手には拳銃が握られ

周りには頭部だと思われる肉片が散らばっている。

転がり落ちている目の玉がコロリと動き、警官たちを見つめている。


「おい、すぐに救急車を呼べ。早く。」


「ばぁーちゃん、ばぁちゃん、」


そこには全身血だらけの少年と老女がいた。


「大丈夫ですか、今 救急車を呼びましたので、すぐに来ます。

君、血だらけじゃないかどこか怪我していないか?」


「ぼくは大丈夫。全部返り血だから、それより早くばぁーちゃんをたすけて。」


その日の夕方テレビニュースやネットニュースで大変大きな事件として取り上げられ、

その異常性から後々まで何度も報じられことになる。


「たった今入ったニュースを申し上げます。

香久山駅前の合田ビルで発砲抗争事件があった模様です。

広域暴力団侠極会(キョウゴクカイ)内梶原組の下部組織合田興業の事務所内で

抗争があり20数名が死傷したとのことです。

現場は騒然としていて、ビルの中から次々と怪我人が救急車で運ばれて行きます。

詳しいことはまだ分かっていません。

この後の香久山警察署の発表を待ちたいと思います。」


香久山警察署内はパニック状態だった。


「合田組員たちはいったい誰にやられたんだ。」


「被害はどうなっている。」


「死亡者3名、組長の合田隆二・若頭の山門高志(ヤマカドタカシ)

組員の林田秀一(ハヤシダシュウイチ)・重傷者18名瀕死の状態です。軽傷者2名」


「この軽傷者2名から詳しい経緯を今確認中です。

それと少年1名と老女1名を保護しています。落ち着き次第こちらからも調書を始めたいと思います。」


「課長たった今、病院に詰めている警官から報告で先ほど撃たれた女性が亡くなったとの事です。」


事件から2時間後、警察から簡単な事件の経緯が発表されるが

それは信じられない様なことだった。

12歳の少年が不動産トラブルで拉致された祖母を助けるため、

暴力団事務所に乗り込み組員23名を殺傷。

警察は苦慮していた。年齢が12歳であること。

相手は武装した集団で暴力団であること。

少年は相手に殺意があり正当防衛が成立するのかわからないこと。

触法少年(14歳未満の犯罪)は犯罪者ではないので逮捕できない。

しかし、結果はあまりにも残忍で常識では推し量れないほどの力を持った少年。

12歳の少年はまるで女の子の様に長髪で童顔。

そんな少年が暴力のプロの暴力団それも武装した集団を一方的に殺傷するなんてことはありえない。

が現実に目の当たりにする。

ヤマトタケルの名は香久山警察署内では知らない者はいないほどに

彼らの記憶奥に強く留められた。

困惑した警察は事実だけを調書にして児相にマル投げした。

ただ児童相談所へは通知ではなく送致とした。

重大事件であり異常性から児童相談所もまた困惑したまま家庭裁判所に送致を決めた。

家庭裁判所は2年間の児童自立支援施設へと決定した。

ヤマトタケルはたった一人の親族を失い一人ぼっちになった。


2055年3月20日9時50分

児童擁護施設香久山東学園の園長神埼義文(カンザキヨシフミ)

自立支援施設の来客室にいた。

今日退所する予定のヤマトタケルを迎えに来ていた。

タケルはもともと不良少年でも問題児でもない。

施設での素行も良く、どの子供たちよりも優秀であり、問題を起こすようなことは一度も無かった。

施設の指導者たちは安定した生活を送れると判断し3ヶ月前倒しの退所となった。

そして、この春の3年生の新学期に合わせて通学できよう配慮しての退所である。


「タケル君、これから君といっしょに生活する香久山東児童施設学園の神埼といいます。よろしくね。」


「はい。お願いします。」


香久山東学園には20名の児童がいた

高校生2名・中学生3名・小学生10名・園児5名彼、彼女らのことは追々の事として、

この学園でタケルは運命のカギとなる少女と出会うことになる。

名前は長井雅美(ナガイマサミ)14歳で同級生である。

この香久山東学園でタケルの新たな生活が始まる。


当作品をここまで読んで頂きありがとうございます。

評価ポイントに星を入れて頂けると励みになります。

ブックマーク登録・お気に入りユーザー登録の方もよろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ