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八咫烏  作者: さくら
12/12

第12話少年編 日常


「おーい、大丈夫か」


「誰か呼んでる。」


トランクルームに閉じ込められた7人はしばらくじっとしていたが、

扉の向こうから声や物音がしなくなったので、

扉を叩いて、閉じ込められているのを知らせ様と騒いでいた。


「ちょっと待っとけよ」


しばらくすると扉が開き扉の前に1人の男が立っていた。


「ありがとうございます。」


少年たちはほっとしたと共に口々にその男に礼を言う


「ニシナさん、ニシナさんですよね。」


「え、タケル知り合い?」


「ああ、探偵のニシナさん」


「探偵って言うほどの者じゃないよ、だだの興信所」


「何でニシナさんがいるの?」


「まあ、なんて言うかタチバナに頼まれてな

ゲームセンターの一件で紅蓮の報復があるかも知れないからって

君たちをそれとなく見ていただけだ。」


「へー監視してたんだ。」


「監視じゃないよ、保護観察だ」


「とにかくありがとうございました。助かりました。」


「ほっとしたら、何か腹へったなぁマクド行こうぜ。」


なんとか危機を脱したタケルたち7人はファーストフード店に行くため

ふらふら駅方面にだべりながら歩いていくと、白いセダン車が目の前に停まって

中からスレンダーな女性が出てきた。


「こら、少年。ふらふら寄り道しないで、まっすぐ帰りなさい。」


「あ、タチバナ刑事。」


「はーーい」


「帰るか。」


「そーだな」


何だか今日は一日がめっちゃ長く感じる。日々、日暮れも早くなってきて

辺りは薄暗くなって、それぞれの少年たちは自分の一番居所の良い巣へと帰っていった。

朝のホームルーム

教室には眠たげな表情を浮かべる生徒たちの姿がある。

そんなありふれた日常

残暑が厳しい9月、でも教室はエアコンで快適だ。

眠気が酷い、そういえばフェノムが言っていた。

成長期の細胞は変革で何度もバアージョンアップする。

何を言っているのかよく理解できなかったが、細胞が生まれ変わる時はただただ眠くなるらしい。

教師の声が子守唄に聞こえてくる……。

そんな授業も終わり昼休み、マサミがタケルに話掛けてきた。


「タケルちょっといい」


「ん 何」


「タケルさ、高校はどこ受けるの? やっぱり天高とか香久山」


「いやどっちも遠いし通学にバスと電車で片道40分はかかるし

待ち時間も入れて往復1時間30分も電車で行ってられない。それに通学費も掛かるし

一番近い池芝高かな」


「ええ、何でだよタケル偏差値78くらいあるやろ、池芝って偏差値50くらいだよ

やっぱり天高か香久山じゃないの、もったいないやん。」


「高校なんてどこだって一緒だよ」


「だって大学行くのにはやっぱり進学高の方がいいと思うぞ」


「マサミは池芝に行くんだろ。」


「まあ、うちはそこが精一杯やから。」


「だから、俺も池芝に行くんだよ、マサミがいないとさぁ何か楽しくないんだなぁ

それに、いっしょにお手て繋いで通学したいだろ。」


「はああ、何 マジで言ってんの何でうちがタケルとお手て繋がないといけないの、キショ。」


「マサミさぁ、キショはないんじゃねぇ 大体さぁ可愛い顔してんだからさぁ

もう少し女の子らしくしたら、もてると思うんやけどなぁ。」


「んなことは余計なお世話だ! あぁ、もういい!」


マサミはぷりぷり怒ってはいたが心なしか耳まで赤くなっていたような

昼休みが終わり授業の始まりのチャイムが校舎に鳴り響いた

また、退屈な授業が始まるんだと思ってたら

5、6時限の授業はホームルームの時間となった。

教壇には担任の先生がこう言った。


「9月のイベントは1組か~5組は明日9月20日・6組~10組は21日に社会見学、

10月は10月6日の体育祭、17日から四日間中間試験。

11月は11月3日が文化祭、10日と24日には学校での団体受験となる全国模試がある。

12月は12月3日と4日と日5日に三者面談。

そして12月15日から四日間期末試験、23日が終業式になる。年内のイベント事はそこまで

年明けからは受験に向けてそれぞれちゃんと準備してください。

そこで今日は体育祭と文化祭の委員をまとめて決めておきたいと思う

クラス全員が一斉にえぇーという落胆の声を上がる

わいわいがやがや・・・・・・・・・わいわいがやがや・・・・・・・・

はーいそれでは決まった委員は試験に支障がでない様に手際よく準備おねがいね。

では、明日予定の京都方面の社会科見学に行くしおりを配ります。

各自そこに書いている通りに忘れ物のないように、集合時間に遅れない様に

帰ってきたら、感想文を書いてもらう事になるのでその事を踏まえてちゃんと見学してください。」


キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン


「はーい それではホームルーム終わります。起立、礼。」


集合時間の二十分前。

すでに数多くの学生たちが集合場所の周辺に集まっていた。

集合時刻になったのか、

各クラス担任と実行委員が集合した人と名前をチェック


「バスの席順を書いた用紙はバスの扉を開けた右手に貼ってあります。

各々確認して順次、バスに乗り込んでください。」


バスは近畿自動車道から名神高速に入っていった。

名神高速に入りしばらくすると風景は郊外から田舎に変わり、田畑が緑に広がっていた。


「次のパーキングエリアでトイレ休憩をします。休憩時間は15分です。」


「はーいでは今から15分後の10時10分出発予定です。遅れないように」




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