93話 番外編 バラ色の未来 07 楓の家なんだから
「はあー…よく寝た」
…夢の中で、よく寝たもないけどね…。夢にしては、長いよね…やっぱり異世界に来てしまったのだろうか…。
日本の私は…異世界に来た時には、神とか女神とかが現れて、お前にチカラを与えようとか、あるんじゃない?言葉も普通に話せてるし…。
私の夢は、海外でバリバリのキャリアウーマンなんだよ!このまま異世界で暮らす事になったら…お父さん、お母さんはどうしてるだろう…。
「おはよう」
「おはよう、かえで」
「トラスで、なにかあったの?」
「あの人ったら、帰って来てからずーっと考え込んでいて」
「はは、うーんとね、トラスの冒険者ギルドマスター達が、今度訪ねて来るって」
「な、ギルマスが?」
「まあ、なにかしでかしたのパイロン」
「うーうん、したのなら私かな」
「…魔法のこと?」
「うん」
「そう、私は楓の味方だからね」
「ギルマスが相手だって、追い払ってやるんだから」
「はは、ありがとう」
「かえでどっか行っちゃうの?」
「…どうだろ…わからない」
「…。」
この親子には、迷惑かけたくない…。
それから3日がたった。
「パイロン、パイロンはいるかな?」
「パイロン来たわよ!」
「おう!」
「いるぞ、楓は俺たちの娘だ!王族だろうが、渡したりはしない!」
パイロン親子は臨戦態勢だよ!
「待て待て、私達もそんなつもりはない!ないからこうして話に来たんだ」
「取り敢えず、此処ではなんだから、中に入れてくれないか?」
パイロン親子と私、ギルマスに衛兵隊長とサリー、テーブルを挟んで…。
「国への報告はしない事にした」
「だが、いずれは知れる事になるやも知れない」
「なので、楓には、更なる魔法の修得を試みて貰おうと…」
「いざと言う時に、何処にでも逃げられるようにだ」
「勿論、楓がどうしたいかだが」
「私は、パイロン達に、迷惑はかけたくない」
「迷惑なんて!」
「うーうん、国が私をもし、欲するとなると…なにをするか」
「そうだな、我々も同じ意見だ」
「パイロン親子に、今ならまだ、辿りつかないように出来るだろ」
この星の人々は、その昔は皆んなが多少の魔法を使えたそうだ。
それも文明の発展とともに、使えるものが減っていったそうだ。
今でもそこそこの魔法師はいるが、使える魔法は限られ、レベルも100を超える者は、ほぼいないと言う。
そうなると…私は核戦力だよね、ハハ、笑えない話だ。
「サリーがヒール、メイビが防御結界を教えよう。そして私は文献を調べてみる、なにか役に立つ事があるやも知れんからな」
「ありがとうございます」
「魔法の修得場所だが、楓の魔法は、見られる訳にはいかんから、ダンジョン内で行なおうと思っている…どうかな?」
「はい、よろしくお願いします」
「いつから始める?」
「では、明日からお願いします」
私は明日トラスのダンジョンに直接行くことにし、3人は帰っていった。
「楓…」
「3人とも、ありがとうね」
「すまない、楓のチカラになれなくて」
「そんなことはないです、私を助けてくれたじゃないですか…」
その日の夕食は、私が作った、トラスで見つけた卵とケチャップで、オムライスを。
「此れは何て言う食べ物なんだ?」
「オムライスだよ」
「さあ、召し上がれ」
「頂きます」
「…美味い!」
「美味しい!」
皆んなして、泣きながら食べたよ。
【翌朝】
「じゃあ、皆んな行くね」
「ああ」
「楓、いつでも帰って来て」
「此処は楓の家なんだから」
「うん」




