90話 番外編 バラ色の未来 04 目と鼻の先なのに
今日も朝から魔法の特訓だ。
「わたしはもう いいや」
パミは既に満足したようだ。疲れるとも言ってたしね。
炎の大きさや パワーを大きく出来ないものなのか、
「ちちんぷいぷいパワー!」
…私の足元にひびが…?
「ちちんぷいぷい大きく!」
…指が大きくなったよ!怖いよ!
うーん?難しいよ…私の夢の世界なんだから…もっと簡単にいかないかな?
「ちちんぷいぷい」
私は大きな炎をイメージした。
「ぼっ」
出来たよ…それじゃあ
ちちんぷいぷい大きな炎!
『…しーん…。』
…出ない、ちちんぷいぷいは 言わないとダメなようだ。
火の魔法はこのぐらいにして、次は水だよね
「ちちんぷいぷい」水…「しゅるしゅるしゅる ぴちゃ」
手のひらに水が現れた。
「ちちんぷいぷい」風を…「きゃっ」
突風が吹き荒れたよ、コツが掴めてきた。
さて、いよいよあれだよね…、無い!ほうきが無いよ!
この世界には無いのかな?そんな事は無いと思うのだけど、後で聞いてみよう。
魔法の特訓はこの辺で、午後からはパイロンに弓を習うことになっている…ふふ、こう見えて私は弓道の心得があるのだよ。高校以来だけどね。
「楓…そんなに時間を置いたら獲物が逃げちまう」
…確かにそうだ。獲物を見つけたら即 射らなくては…此れは なかなか難しいよ。
「いた!うーん…あれ?どこ行った」「ぱさぱさぱさぱさ…」
「もうとっくに飛び去って行ったぞ」「…。」
そんな日々を過ごして ひと月、私は魔法で弓と矢を作り出すことに成功した。
「ぼっ…シュー!」「ヒッー!ドスッ!」
「楓が居れば檻いらずだな」
「楓…もう俺に教えられる事は無い」
ですよね、猪もこれなら射抜けるしね。
「パイロンさんありがとうございました」
「はっは…」
明日はパイロンが町に獲物を売りに行く、今回は私もついていく魔法のおかげで早くも走れるし、何故か疲れ知らずなのだよ…夢だからね。
目的は勿論ほうきだ!町に売っているとのこと…これで 私も魔法使いだ!
「待ってくれ、楓!」
パイロンがへばっている、町まで一日かかるって言うので 私は歩くペースを上げていた。
うーん、早くほうきを手に入れたいのに…。
パイロンに向けて「ちちんぷいぷい」浮け!…浮いたよ。
此れで早く着ける。パイロンの手を引っ張って走り出す「わー!」
…見えた!ここが町トラス!
この先は人も多いようだ。浮いたパイロンでは目立つので歩いてもらおう。
…。
「パイロン大丈夫?顔が真っ青だよ」
「ああ、少し休ませてくれ」
ほうきは目と鼻の先なのに、もう。




