08話 ほっとこ
「みなさん お疲れ様です」
「おう小梅 解体終わったぞ」
部屋の隅にあるテーブルを囲んで みんなが待っていた
「くんくん くんくん 甘い匂いがするわね」
「みなさんのお食事をご用意しました」
テーブルの中央に山盛りのパンケーキを置き 小皿とフォークを渡して
カップにコーヒーを注ぐ……
これは食べ物なの?「はい このままでもおいしいのですが」
みんなのパンケーキにバターを乗せメイプルシロップをかけた
ルルさんが今にも飛び掛からんとする仔犬のようだ
「どうぞ 召し上がれ」
物凄い勢いでパンケーキが消えて行った!
「このコーヒーって言う飲み物も 最初は黒くて苦みがあり 不安だったけどパンケーキの後に口にすると なんとも言い難い 香りがいいわね」
「俺はこんなに旨いもの初めて食べたぞ!」
「わたしだって初めてよ!」
「お、俺も!」
「神の甘味!」
ルルさん また祈りだしたよ
みんなを連れて隣の建物へ 当然わたしも初めて入るのだが
一階が水回りにダイニング 二階が各々の部屋になっているようだ
「ここがみなさんに暮らして頂く家になります 一階がみなさんで使って頂く共有スペース 二階に個人の部屋があります」
…みんな静かだな? 何か変なこと言ったかな?
ルルさんが口を開いた「こ、此処に暮らしていいんですか?」
「はい、みなさんの為の家ですから」
「マジかよ!」
ルルさんとユーリさん それとボーさんまでが 祈りだしたよ!
それからが大変だった…。 まずは照明だ 壁のスイッチを押すたびに歓声が上がり
キッチンに至っては コンロの火に驚き 蛇口の水に歓喜し お湯にどよめいた
「ふーっ」
後は トイレの説明 お察しの通り ウォッシュレットに悲鳴をあげ!
ルルさんはトイレの中から祈る声が続いた…そしてお風呂だ!
試しに沸かしてみたが…「ピピッピピッ お風呂が沸きました」
壁のパネルに向かってデクさんが お礼を言いだした!
お風呂は王族か貴族しか所有してないらしい
普通は桶に水を汲みタオルで体を拭くそうだ
二階に上がり 一つの部屋を開けた そこにはベットとベランダ
トイレにシャワーも付いていた
神様やりやがったな…
やっとダイニングのソファーでくつろいでいる
「この椅子ふっかふっかだぁー!」とジャンプしてるのは 意外にも
ユーリさんだった…微笑ましい
先程のコーヒーを淹れ 今度はお好みで角砂糖とミルクも提供した…
ここでも食いついたよみなさん!
砂糖とは何か?と始まり ミルクの話まで この世界には砂糖などないようだ そういえば神様が 塩、胡椒なしで魔物の肉 食べたくなかろう と言っていたな
とりあえず説明は終えたかな?そうキッチンには電子レンジにケルト コーヒーメーカーまであった
電子レンジは触るの禁止令を出したら みんなが質問攻めしてくるので 触ったら死ぬ!と言っておいた
そうだ脱衣所の洗面台にも驚いていたが 洗濯機の説明がまだだった
これは女性だけに説明しておいた その方が良いような気がして…。
みんなの着替えが無いことに気が付いた 探索にあたり食料を優先して他の物は最小限にしたらしい
この世界には 漫画にあった無限に入るチートな 鞄は無いようだ 作れないかなー?
『物質創作のスキルを獲得しました』
…作れそうだよ!
これなら 洋服も作れそうだね!
「じゃあ私はこれで今日は自由にしてください」
「小梅様!」…? ユーリさんだ
「なんでしょうか?」
「私たちは 何を差し出せばよいのでしょうか?」
…? 「なにも?」
「そうはいきません 小梅様の英知に触れ 自分が如何に無知で他愛もない者かを知りました 私たちが一生懸けても手にできない物ばかり その上 鍛錬頂くのに このままでは羞恥で 生きていけません!」
…狂信者になってしまった?…
似非宗教の真似をしてしまったばかりに…ごめんなさい
『神への道しるべ COUNTが増えました Ct.4 』だから何?神への道しるべって!
「俺たちもだよなーボー!」「小梅様の下僕になりたい!!」
黙れ!男共!
「神よ、私はあなたの一部になりたい…」怖いよ ルルさん!
「わかりました それでは一つだけお約束下さい…朝晩 神マロン様にお祈りを…一日の始まりに見守って頂けるように 一日の終わりに感謝の祈りを…」
「神マロン様にですからね お間違え無いように ルルさん」
ギクッ!「おー!神マロン様 どうか小梅さ…ま… 」
ん? まぁいいか!?
こうして長い一日が…「小梅 腹が減ったぞ」
もう夜になっていた「ごめんなさい 神様 今日は久しぶりのから揚げを作るよ」
「おー!待ちきれんわい!」
装甲の刃さんにも 持って行ってあげるか!
そうそう 私への様付け禁止とともに
無論 男共は泣きながら ユーリとルルは男共から奪うように食べていた
ほんとは ご飯とみそ汁も出してあげたいんだけど また狂信されてもね
食後は私への様付け禁止を言い渡し みんな呼び捨てに決めた!
決定しないと 引きそうになかったから
ただルルだけは「小さな声で…様とつぶやいていた」
それに乗じて 男共が「小さな声で…ちゃんとつぶやいた」
瞬間!杖が男共の股間に炸裂した…はぁーっ
まぁ無事みたいなので ほっとこ!




