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87話 番外編 バラ色の未来 01 山本 楓

 

「ピーポーピーポー…」「ストレッチャーに!」「カチャカチャカチャ」


―――「ピッ…ピッ…ピッ…ピー…」―――


 私は山本やまもと かえで29才 大学を卒業してから5年 銀行員としてキャリアを積んでいる。


 年数が合わないって?それは大学在学中 バイトを掛け持ちしながら貯めたお金で世界を巡ったから。


 私の目標は某外資系企業のコンサル部で それなりの地位になり海外で暮らすこと。


 ハハ!私の未来はバラ色なのだ!



「先生、娘は…」


「手術は成功しています…、何故目覚めないのか…、様子を見て行くしか、今は出来ません」


「あなた、楓は…」



 ※※※



 ここは何処?山小屋?


「あっ良かった、目覚めたのね」「パパ、目覚めたって」


 私は湖のほとりで倒れている所をこの家族に助けられた。


 父母娘の3人でこの山小屋?で暮らしているそうだ。


「怪我は無い様だけど、どこか痛い所はある?」


 …私はベッドから降りて屈伸したり背伸びしたり…調子は良い…あれ?


 少し…小さい様な…まぁ気のせいだろう。「大丈夫です」


「良かった、お腹空いたでしょ、今用意するからね」「ありがとうございます」



 ※※※



「さあ召し上がれ」「いただきまーす」「頂きます」


 野菜のスープにパンと肉、蒸したジャガイモ。スープを一口「…?」


「お口に合うか分からんが、なるべく食べて元気になりなさい」


「ありがとうございます」「連絡をしたいので後で電話をお借りしたいのですが」


 そう、私の荷物は何も無かった。何故 湖のほとりに倒れていたかもわからない。


 確か、私は…、仕事の帰り道、交差点で信号待ちをしていた。


 そこ迄は憶えている。その後が…わからない。


「…電話って、何だ?」「…?」「君は…?」


 そうだ、私、自己紹介もしていなかった。


「私は山本 楓 東京で銀行員をやってます」「…?」「…?あれ」


「まあ、なんだ…、ゆっくりして行きなさい」


 此処はロイゾンと言う国のナデシナ村、森の奥にある湖の湖畔だそうだ。


 父親の名がパイロン、母親の名がパイヤ、娘がパミ…。


 …どうやら私は死んで異世界に?ハハそんな馬鹿な…、夢、そうだ夢を観ているんだ。


 …実にリアルな夢だ。内容は非リアルだが。


 ハハ私の未来はバラ色なのだからハハ。




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