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30話 シャノアール

 

 綺麗な夕焼けだ 田園風景を見下ろし 畦道(あぜみち)を数人の子供達が走り回っている


 人間もエルフも変わらない


 今は畑もエルフに任せている 麦だけでなく 色々出来る様になるのだろう


 縁側に座る足元に?…この気配は…猫?


「ニャー…ニャ…」お腹が空いているのかな


 わたしは以前、川で焼いたニジマスを(まだまだ沢山残っているんだよ)

 

 一匹 猫の前に置いた…クンクン少し熱かったかな?


 細身の綺麗な黒猫だ 青と黄色のオッドアイ


 まだ子供なのかな…美味しそうに食べる


 時折り「ニャ」と鳴きながら…


 竹林と一緒に来てしまったのだろうか


 水神法で手の(ひら)に水を出し そっと差し出した


 凄い勢いでペロペロと…可愛い!


 前世では猫を飼いたいとは思ったが 飼える環境でもなかった


 独りのわたしとでは可哀想かなと…


 お腹も落ち着いたのかな?


 わたしの横で毛繕(けずくろい)いをしている


 後で小夏に言って帰えしてあげないと…


「おう猫か久しいのう 30年振りかのう」


「…?」猫は小夏を見つめている


「知っているのこの猫」


「此奴は心残しと言う精霊じゃ」


「精霊?普通に猫に見えるけど」


「人に見分けはつかないじゃろな」


「人の心残りを餌にしておる 餌にしとると言うと聞こえが悪いが 安らかに眠れるよう (いざな)う 気の良い奴じゃよ」


「そうなんだ」


「逢えたのは幸運な事じゃが…逢えたという事は 想いを残したまま最後を迎えたと言うことじゃ」


「優しい猫さんなんだね」


「なんで此処にいるんだろう」


偶々(たまたま)じゃろ 気まぐれな奴だからのう」


「随分懐かれているようじゃのう 此処にいる間は可愛がってやると良いじゃろ」


「いつの間にか わたしの膝の上で寝ている」


 疲れて居るのかな…お疲れ様…


 神様にお願いして 鈴に神様の加護を付与してもらい首輪にして猫の首に巻いた…


「やじゃない?」


「ニャー」


「やじゃない様だ よかった」


 黒色に良く似合う赤色の首輪だ


「ゆっくりしていってね」


「ニャー」


 ()うして気まぐれな精霊 心残し 猫 が縁側の住人になった


 ****


 今日は姉妹 3人でマロン教国 最南端に来ている


 理由は塩だ 人間やっぱり塩分は必要なのだ


 何でもかんでもズルはしてられないし


 自分達で作れる物は作るべし…


 海だよ 海なんて いつぶりだろう 恐る恐る海水を舐めてみる…


 しょっぱい しょっぱいよー


 これで塩が取れるね 苦汁(にがり)も取れるから


 エルフに頼んである大豆を使って豆腐も作れるね…


 海水は 何故しょっぱいのだろう?…


 どうでも良いかー!訳もわからずテンション上がるー!


「小梅 はしゃいでおるのう」


「あら、あら やっぱり海には不思議なチカラがあるのかしら?」


「そうなのかのう 」


 詰所にここだけドアを置いて 海と繋いでもらい


 塩作りに専念してもらう住人の選抜をお願いした


 ****


 デク率いる男5人女5人からなる料理人10名


 小春の指導もあり


 一通りの仕事を任せられる様になったそうだ。


 ボー率いる警備隊男6人女4人の武闘派らしい


 (いず)」れは結界の外の探索にも行けるようになるだろう。


 ルル率いる勉学のススメ隊男3人女6人の9人


 女性が多いのはやはり母性本能なのだろう。


 因みに名もなき彼は


 自分から他の仕事に移ったそうだ…どんまい!


 ユーリ率いる職のススメ隊女10名


 笑顔が素敵なフロント美女と思いきや


 武闘派で揃えられた精鋭


 最近では仕事の斡旋も落ち着き


 警備隊の訓練に参加しているそうだ。


 みんな活き活きしてる 生活が豊かになると


 心も豊かになるもんね…


 まだまだやる事は山積みたけど


 少しは国らしくなったかな?



 ***【猫】サイドストーリー***



 僕の名前は… ねこ 名前ってなんだ?


 大きな光る目…大きな?光る目 …?


 『キーッガシャン!』『カラカラカラ』…


 わからない 只々震えが止まらない わからない?震えってなんだ?


 あー眠い 眠いって なんだろう…


 温かい?誰?眠い…眠いって なんだろう…


 『ガタンッバーン!』「ビクッ」大きな音……音って何だっけ…


 うーん ふあーっん 良い匂い…匂い


 そうか猫、缶、…?美味しい 美味しいって なんだっけ


 アレ首に何か付いてる…美味しい…ニャーン…?


 ニャーンってなんだっけ?


 人、女の人…人…なんだっけ


 猫缶 美味しい…猫缶?あーご飯だ ニャーン


 此処は何処?僕は誰?


 わ!っ!「ニ〝ャーッ」


 んっ?僕か『カサッゴサッ』黒い…首に赤い首輪


 赤いって…そうだ色だ…


 泣いている?女の人?ニャーン…気持ち良い?


 なぜられてる…気持ち良い…


 いい匂い 美味しい


 女の人…浮いてる?浮いてるって…なんだっけ…


 …わからない…


 …『カチカチ…』時計の音?


 音?…眠い…


 『ピーポーピーポーピーポー』

 …

 『ガタンッ!』人…人…人

 …

 女の人運ばれてる?

 …

 『仔猫だ…どうする?取り敢えず連絡だな』


 『ガタンッ』走る走る


 『あっ、待て…』逃げる逃げる…女の人…?…逃げる?

 …


 『パーッン』『ガヤガヤガヤ』煩い 怖い


 『あー仔猫だー』ニャー 逃げる逃げる


 草むら?眠い… ん?行かなくちゃ?…何処に?歩く歩く


 『猫ちゃん!』怖い 走る走る 目がギラギラ 怖い


 …歩く歩く…


 お腹が空いた…お腹が空く…


 歩く歩く…公園…知っている…走る走る


 走る走る…家だ!


 『ガチャ』『行ってきまーす』美鈴!


 そうだ…いってらっしゃい……元気で…眠い…


 …ごめん…

 …。


 …『ただいまー』 …ニャーン…


 『お母さん、ねこ!』




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