Prologue
はじめまして
「ふふふ、来たか勇者よ」
「あぁ!今日ここで貴様を倒す!」
「来るがいい!」
『うぉぉぉぉっ!』
キィン、バァーン
かりかりかりかりかりかりかり『ドォーン』がりっ、ごしごし、かりかりかりかり『チュドーン』がりっ、げしげしげし『ギャバーン』がたん、ばしゃー
「……………………」
ドォーン、ドォーン
「…………」
ギィーン、ギャーン
「……」
――――ぽんっ
…………ぶちっ
「ふははははっ、どうした勇者達よ!私を倒すのではなかったのか?」
「まだまだぁぁぁぁ!はぁぁぁぁ――『うるさぁぁぁぁぁぁぁい!』えっ?」
ちゅっどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!
「そんな、私たちが束になっても勝てなかった魔王がたった一撃で!?」
「だけど今がチャンスだ『お前もうるさぁぁぁぁい』ぎゃぁぁぁっ!」
「勇者様っ!」
「そこの貴女」
「は、はい!」
「もう私たちは人間領を攻めることを是としません。なので、速やかにお帰り下さい」
「…………え?」
「だから、我々魔王軍は貴女方との和平を望んでいるので今日の所は速やかに、『しずかに』お帰り下さい」
「……『返事は?』はいっ!」
『失礼しましたぁぁぁぁ!』
バタン
『新魔王様の誕生だぁぁぁ!!』
わぁぁぁぁぁぁ『うるさぁぁい』ドォーン
「何?新魔王の樹立だと!?」
「はっ、何でも和平を望んでいるとか」
「それは真実か?」
「勇者一行からの情報ですので」
「我々の負け、という事か?」
「犠牲を考えなければあるいは、といった所でしょうか」
「そうか、なら決まりだな。使者を出せ!相手から出来る限りの条件を引き出すぞ!」
『了解です』
「母上、これからどうなるのですか?」
「心配しないで。これからは、もっと平和な世界になっていくから」
「本当ですかっ!?」
「えぇ。この話がまとまれば、少なくとも大きな争いは無くなるわ。だからこの話は必ず成功させてみせる」
「母上。母上は凄いです」
「ふふ、ありがとう。でも貴女は私の娘なんだもの、必ずもっと凄い事ができるわ」
「はいっ!」
「あ、魔力の震えが収まってきた。戦いが終わったのかな?…………何処にいるのかな、お兄ちゃん。また、会えるよね……?」
「父さん。人間と魔族の間で和平条約が成立したみたいだ。未だ境界線上では緊張状態が続いてるみたいだけど、確実に平和に近づいてる。俺も頑張るから、安心してくれよな」
「ま、魔王様っ!何処へ行かれるおつもりで!?」
「適当にどっか遠くよっ!」
「何故ですか!?」
「…………暇?」
「魔王さ『じゃ、後よろしく〜』魔王〜様〜っ!」
完結までちょっとずつ頑張ります