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2.二人での探索。

少し短いっす(*'▽')ごめん、寝てた。

応援よろしくお願いいたします。






「ギルド長! いま、よろしいでしょうか!!」

「どうしたのだ。そのように慌てて」



 アクアとアニスが食事を摂っている一方その頃。

 受付嬢は息を切らしながら、ギルドを治める長の執務室へ飛び込んでいた。小脇に抱えているのは、アクアが提出した魔石。最初こそ諫めるような口調であったギルド長も、彼女の手にしたそれを認めると少しばかり眉を動かすのだった。


「ほう……それは、アレクセイの娘が?」


 そして出てきたのは、アクアとは異なるとある名前。

 しかし受付嬢は当然ながら首を左右に振り、必死に訴えるように言った。


「違います、一般の人間です! 冒険者登録も、さっきしたばかりの!!」

「…………ふむ。それはまた、奇怪なことだな」


 そこでようやく、長は表情を動かす。

 だがそれは驚きではなく、好奇心に近い不思議な色合いだった。受付嬢からドラゴンの赤い魔石を受け取ると、自身の顔が反射して映るそれをまじまじと見つめる。

 数秒ほど観察して沈黙していたが、ふと途端に興味を失ったように視線を外した。

 ギルド長は受付嬢に、こう訊ねる。



「……して、その冒険者の名は?」



 どこか威圧感を覚える声色。

 受付嬢は、思わず息を呑みながら答えるのだった。



「は、はい! その冒険者の名は――」







「――レライエ、ですか?」

「あぁ、そうだ。少しばかり特殊なアンデッドでね」



 翌日、ギルドの査定がまだ終わっていないことを確認してから。

 俺とアニスさんは、一緒にダンジョンへと潜っていた。これといった依頼があったわけではないが、どうやら彼女の方に気になるターゲットがいるらしい。

 しかし、この世界の魔物の名前に疎い俺はピンときてなかった。


「まぁ、実際に遭遇すれば分かることだ。今は説明を省こう」

「そうなんですか?」


 首を傾げたままのこちらに、アニスさんは微笑みながら言う。

 綺麗な顔でそんな表情をされると、どうにも調子が崩れてしまうのだが。しかしいま、ダンジョンの中を進みながらそれを考えるのは場違いも良いところだった。

 そのため、俺は道を進みながら周囲に気を払う。


「魔物、本当に少ないですね」


 というか、ここまで遭遇はゼロだ。

 昨日も思ったのだが、本当にここはダンジョンなのだろうか。


「あぁ、そのことか?」


 俺が不思議そうに考えていると、アニスさんが簡単な説明を始めた。



「ここは最近になって発見された新興のダンジョンでね。魔物の出現パターンや魔素の濃さ、それらが一定ではないのだよ。だから先遣隊の調査も、あまり上手くいっていないらしい」

「そんな不思議なダンジョン、アリなんですか?」

「アリもナシも、存在しているのだから仕方ないだろう?」

「それはまぁ、たしかに……」



 そう言われたら、仕方ないのか。

 俺は納得がいかないのを無理矢理に呑み込んで、前へと進むことにした。しかしながら、やはり魔物が出てこないのは張り合いがない。

 そのように考えていると、アニスさんが途端にこちらを制した。


「……どうやら、見つけたようだ」

「え……?」

「レライエ、だよ。奥の暗がりを見てくれ」


 そして、息を潜めるように手で合図しながら。

 俺の視線を奥の方へと誘導するので、それに従うと……。



「うわ、なんだアレ……」



 そこにいたのは、アンデッドとはいえ不気味な骸骨の弓兵だった。

 半分ほど溶けかけた肉体がまだ残っており、眼球に至っては腐り落ちかけた状態でぶら下がっている。手には巨大な弓。背には矢筒を抱えて、どういうわけなのか大きな翼が生えている。あまりに倒錯した出で立ちに、俺は嫌悪感を抱かずにはいられなかった。


 思うに、このゲームのデザイナーは病んでいたのではないか。

 そう考えないと、こんな薄気味悪い魔物を用意できない。



「さて、今回の作戦を説明するぞ。……いいかい、アクアくん」

「は、はい。お願いします……!」



 そんな俺の気持ちを切り替えるかのように、アニスさんはそう言った。

 こちらが応えると、彼女は満足げに頷く。


 話を聞きながら、思った。

 この魔物の討伐についてはきっと、一筋縄ではいかないな、と。



 


面白かった

続きが気になる

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