プロローグ
異世界系が書きたくなったので書きました。
普段は静かな図書館が今日だけは一段とうるさくなっている。
だが、本は一切借りられていない。
なぜなら今日は年に一度のスキル付与祭だからだ。
15歳になり成人するとスキルが扱えるようになるのでスキルが付与される。
だから大勢がここに集まっている。
スキルを付与することができるのは神の加護を持っている者のみだ。
加護は大勢の人が持っているがこれも今日の祭りで持っているかがわかる。
ちなみに神の加護は世界に40名しかいないとされている。
多いと思うかもしれないが大国小国に最低でも一人の神の加護持ちは必要だ。
9こ国があるこの世界で40名の神の加護持ちは少ないだろう。
なのでこの人の量も自然と納得できる。
ざわざわしていてまともに周りの声が聞こえない中一人の声が図書館中に響いた。
「静かに!」
ざわざわがだんだんと収まりさっきとは真逆の雰囲気になる。
「これからスキル、加護の付与を行います。指名していくので指名されたものから前に上がりなさい。」
いましゃべっていたのはこの図書館の司書だ。
司書は数百枚ある紙の中で一番上にある紙を手に取り順番に指名していった。
何人も指名されていく。
平凡なスキルだと盛り上がらないがレアスキルだった場合の盛り上がりはさっきとは比べものにならないくらのうるささだ。
盛り上がったのは主にこのスキルだ。
聖剣
聖魔術
王政
神剣
聖槍
だ。
二時間たってようやく俺の名前が呼ばれた。
俺はこの国で2番目に有力な貴族ということもあり、名前が出た瞬間から盛り上がっている。
「マーカス ラークあなたのスキルは……」
司書の動きが止まっている。
「どうしたんですか?」
「こ……」
「こ?」
「国外追放だ!こいつをつまみ出せ!こいつは魔王だ!」
なんだなんだと図書館がざわめく。
俺魔王じゃないんだけど。
てか、俺貴族だよ?
追放されるの?俺
俺が不安になっていると20名の兵士がやってきた。
「は、早く!ぼさっとしないでさっさとつまり出せ!」
兵士が俺の足を抑え腕も抑えられる。
「なんでだよ!俺が何をしたんだよ!」
泣きながら訴える。
腕に力が入らなくなっている。
さっきまで俺をたたえていた大勢の人間が俺を恨むように暴言を吐く。
ものまで投げつけるやつもいた。
俺は無抵抗でそのまま国の外まで放り投げられた。
「俺が、俺が何をしたっていうんだよ!」
俺は俺を運んできた兵士に殴りかかろうとしたすると上から矢が飛んできた。
「消えろ!お前なんか!魔王なんか死んでしまえばいいんだ!」
「魔王は勇者様に倒されたはずだ!」
ほかにも暴言が相次いで俺の心に刺さる。
その中には幼馴染や友人や親や妹たちまでも。
俺は石や矢を投げつけられおまけには魔法によって作られた火の玉も飛んできた。
一瞬頭の中に昔の記憶がよみがえった。
それはとてもとても暖かいものだった。
きずけば俺は涙を流していた。
兵士に馬車で引きずられながら雪山までたどり着いた。
「もうこっちに来るな。このごみが!」
とつばを吐き捨てて馬車で帰っていった。
俺はその場で倒れ雪に埋もれていく。
俺の視界は真っ白な雪によって閉ざされた。
「魔王様!魔王様!」
「魔王様!いた!ままおうさま?!いいま助けますからね!」
「遅い。そのままでは魔王様の怒りをかってしまうぞ」
「き嫌われたくない……」
「どけ、」
「すすごい、詠唱なしに火魔法で雪を解かすなんて……」
「そんなことはどうでもいいから魔王様をおつれしろ!」
「はい!」
俺は助かった…のか?
「君は一体?」
俺は弱弱しい声で俺を抱きかかえているものに声をかけた。
「わ、私はえーとそのー、名前がありません。」
「なんでだ?」
「弱いからです」
その後も俺は俺を抱きかかえているものにいろいろ聞いた。
俺はどうやら魔王らしい。
おそらくスキルのせいだろう。
俺は人間だといっても冗談がうまいのですねといわれるだけだ。
きずけば俺は寝ていた。
「ふぁぁ。」
俺が目を開けるとそこには大量の悪魔と魔族と魔物が土下座をしていた。
「魔王様起きられましたか。何よりでございます。」
「あ、ああご苦労。」
怖いんだけど。
こんなやばそうな魔族が俺の隣にいるなんて。
「そしてこの汚物たちはどうしましょう?」
「お汚物?」
「はい、この薄汚い魔王様に無礼を働いた者たちでございます。」
「ここいつたち?」
「はい!」
どうしよう?
そもそも無礼ってなんだ?
「無礼ってなんだ?」
「魔王様の居場所がわからなかったものでございます。」
い居場所?
もうよくわからなくなってきた。
しょうがない。
やるか。
俺は頭に思いついたことを口に出す。
「おまえら、この無礼は許そう。そしてお前らに告げてやる。人間どもを駆逐するぞ。」
「「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」」」
「だが今はその時ではない。先代の魔王は攻める時をまあ違えたから死んだのだろう。だが俺は違う。俺は人間を駆逐し、お前らの楽園を築いてやる」
「おいお前。ついてこい。話がある。」
俺は横にいる得体のしれないやつに命令をする。
「かしこまりました。」
俺は玉座から立ち上がる。
そういえば俺のスキルって何なんだろう?
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