反省会
僕達はサウス先生からの指摘を受けて、反省会を始める。
「……すまない。俺の作戦は良くなかったみたいだ。」
男の子がいきなり謝りだした。
多分、サウス先生が言った問題点の真意に気づいていないのだろう。
サウス先生は今回、実際の戦いについては何も触れていない。
初めてのダンジョンを使った訓練だから、今回の授業をおこなったのだろう。
「そうじゃなくて、サウス先生が言いたかったの…「エルク、少し来てくれ」」
僕が3人に正解を伝えようとしたらサウス先生に呼ばれてしまった。
「なんでしょうか?」
「少し向こうで話がある」
サウス先生に人が近くにいないところまで連れてかれる
なんだろう?訓練中何もしなかったから個人的に怒られるのだろうか?
「エルクはさっきの訓練で何がいけなかったのか、もうわかったのか?」
「ええ、わかりました」
多分、前世で平和な生活をしていたからこそすぐに正解がわかったのだと思う。
「流石だな、答えを聞いていいか?」
「はい、相手が格上ならばまず逃げるべきでした。戦うにしても、逃げることが出来ない事を確認してからやむを得ずなら0点ではなかったのでしょう」
「正解だ。状況にもよるが、わざわざ危険を犯す必要はないからな。まずは勝てる相手か見極める事が大事だ」
「そうですね。それでなんで僕を呼んだんですか?」
「これは、よく考えて正解に辿り着いて欲しいからな。あんなにすぐに正解をバラされては困るから止めたんだ。戻ってもらうけど、3人には黙っててくれ」
なるほど、確かに言われるよりも自分で気づいた方が良いかもしれない
「わかりました」
僕は3人のところに戻る
「エルク、サウス先生はなんだったんだ?」
「あー、うん。個人的なことだったよ」
「そっか、エルクは何が駄目だったと思う?」
「ちょっとわからないかな」
「そうだよな。何がいけなかったんだろう」
3人はまだわかってないようだ。
「リーダーについては何か話したの?」
僕はまず1つ目の問題点について、離れている間に何か話したのか確認する。
「そっちはまだ話してないよ」
「だったら、まずはそっちから話し合わない?時間も限られてるしさ」
「そうだな。そうするか」
逃げる判断が出来なかったのは、リーダーを決めてなかったのも要因ではあると思う。
最終判断をする人間は大事だ
「確かにリーダーは決めておくべきだったな。」
「リーダーはカナルくんだと思ってたよ」
セイラが言う通り、僕も勝手にそう思ってた。
そしてついに名前がわかった。カナルくんだったのか。
「僕もそう思ってたよ」
「ラクネは?」
「え、なに?」
「リーダー決めてなかった話。みんな俺がリーダーだと思ってたって言うんだけど…」
「あー、うん。私もそう思ってたよ」
ラクネの様子が少しおかしい。
心ここにあらずって感じだ。
「そうか、俺はそんなつもりなかったけどなんでだ?」
「今もだけど、作戦立ててる時も話を仕切ってたからよ」
セイラがカナルくんに教える
「そうか、確かに勝手に俺が仕切ってたな」
「私はそういうの苦手だから助かったわ」
「僕も」
「……わ、私も」
やっぱり、ラクネの様子がおかしい
先生に酷評されて落ち込んでしまったのかな?
「だったら指揮も俺がとればよかったって事か?」
「そう…だね」
セイラが同意するけど僕は違う認識だった
「個人の向き、不向きはわからないけど、指揮は後衛だった僕かラクネさんがとるのが良かったと思うよ。戦闘時以外はカナルくんでもいいと思うけど、近接戦しながらは難しかったんじゃないかな?」
「確かに俺には出来ないと思う」
カナルくん自身もそう思うようだ
「これでサウス先生から言われた一つ目の問題点は解決ね。先にリーダーはカナルくん。指揮は役割としてはエルクくんがとることにしておく必要があったってことね」
セイラの言う通り、このメンバーでの指揮は回復専門だった僕が適任かもしれない。
実際に僕が指揮をとれるかは技量の話なので別問題だけど…
「よし、じゃあ本題に戻るか。なんで今回の訓練が0点なのか?」
カナルとセイラは悩むけど、答えは出ないようだ。
どう戦えば良かったのか話してるから、答えが出たとしても先生の求める答えでは無いだろう。
ラクネは変わらず他に気になることがあるようで、心ここに在らずのまま。
僕はサウス先生に言われたことを踏まえて、正解を知ってる事をバラすことにする
「ゴメン。実はなんで今回の訓練が0点だったのか僕わかってるんだ。でも、さっき言おうとしたら先生に黙ってるように言われちゃったから言えないんだ。さっき呼ばれたのはこの件だよ」
「…教えるなって事か」
「うん。自分で気づいて欲しいみたいだよ。でもヒントくらいは出してもいいと思う」
「頼む」
僕がいくつかヒントを出した結果、正解に辿り着くことが出来た
「なるほどな。訓練だから戦わないといけないと思ってたけど、今回の訓練は危険な時はまずは逃げろって事を教える為だったんだな」
「そうだね。実際には相手の力量を見極める必要があったり、逃げれない状況だったりするかもだけど、訓練でその判断が出来なければ、実際に起きた時に咄嗟に動く事は出来ないよね」
「だな。よし!サウス先生に報告して帰るか」
僕達はサウス先生に話し合いの結果を伝えて解散になった。
「エルクくん!お願いがあるの」
帰ろうとした僕をラクネが引き留めた
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