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初依頼

ローザにダイス君の事を聞いたけど、特に関係は変わらなかった。

友達ではまだない気もするけど、よく話しかけてくれる。

平民の僕を気にかけてくれてるのだろうか?


王子ってことには驚きはしたけど、そもそも僕からしたらみんな身分が上過ぎるから、言われた所であんまりピンとこない。

でも何か隠してるってのはわかった。

見せないようにしているようだけど、気にして見てみたらわかる。何か悩んでいる顔をしている時がある。

それとなく聞いてみたけどはぐらかされてしまった。

まあ、話したくなったら話すだろう。王子なんて立場だと悩みもたくさんあるだろう。


そして次の休みの日、朝から僕は冒険者ギルドに来ている。

今日は1人だ。

ローザは行きたがっていたけど、フレイとアメリは予定が入っているらしい。

ローザは2人で依頼を受けるのはフレイとアメリに悪い気がするからって辞退した。


僕はお金が要るからと、ちゃんと3人に伝えてここに来ている。まぁ、言わないといけない事もないと思うけどね。


さて、何を受けようかな。休みは今日と明日だから少なくても2日で終わる依頼がいいな。


そもそも、依頼の受け方を知らない僕はとりあえず受付カウンターに行くことにする。


空いてる列にはベテランっぽい男性が座っており、並んでる列には若い女性が座っていた。


僕がどっちに並ぶかなんて考える必要もない。

僕は若い女性が座っている列に並ぶ。

人が並んでるって事はそっちの方が良いってことだからね。他意はないよ。ほんとだよ。


少し待っていると僕の番になった


「お待たせしました。あれ、おつかいかな?」

まあ、予想はしてたよ


「依頼を受けに来ました」


「どうしよう、迷子かな?……お母さんはどこかな?」

ダメだ。聞く耳をもたない


「迷子じゃありません。冒険者です。」


「えーと、おままごとかな。どうしよう、私仕事中だし……」

信じてもらえない……


「どうした、なにか問題か?」

もう1人の受付の男性が女性に確認する


「迷子だと思うんですけど、依頼を受けに来たって言うんですよ。この子は遊んでるつもりだと思うんですけど仕事中だし…」

憶測で間違った情報が伝えられている。困った


「迷子か…困ったな。ん、この子がギルマスが言ってた子じゃないのか?」


「え?……そうなの?」


「えっと、多分」

ギルマスがなんて言ってたか僕は知らないし


「えっと、ギルド証見せてくれる?」


「はい」

僕はギルド証を彼女に渡した


「……本当だ。ごめんなさい」

彼女に謝られた


「大丈夫ですよ。それで依頼を受けたいです」


「そうだったわね。私はクラリスよ。よろしくね」

クラリスさんは手を振る


「エルクだよ。よろしくお願いします」

僕はペコリと頭を下げる


「どの依頼を受けるかは決まってる?」


「依頼を受けたことがないので、どうやって選ぶか教えて下さい」


「あそこに依頼を貼り出したボードがあるからそこから選んで受付に持ってきてね。そしたらこっちで受注処理をするからね。成功すると報酬が貰えるけど、失敗すると違約金が掛かる依頼もあるから気を付けてね。今日は初依頼だし私がオススメを選んであげるわ」


「ありがとうございます」


「ランクは…Eね。だったら魔物退治か採取系が良いと思うんだけど、どっちがいいかな?それとランクEって本当なの?」


「本当ですよ。カッシュさんが試験官をしてくれました。どっちの方がいいかな?」


「去年の聖女様にも驚いたけど今年もすごい子が来たわね。……私は採取をオススメするわ。初めだし、勉強にもなるわ」


「聖女様?」


「去年、ギルドに登録した水の聖女様よ。周りが勝手に呼んでるだけだけどね。エルク君より少し年上のかわいい女の子よ」


「へー、そんな子がいるんですね。それじゃあ依頼は採取系で何かお願いします」


「最初だからFランクの依頼だけど薬草採取にするわね。20本ね。森に生えてるけど、魔物が出るかも知れないから気をつけてね。ゴブリンとか勝てそうな魔物なら戦っても良いけど、ウルフの群れとかオーガが出てきたら逃げるのよ」


「わかりました。気を付けます」


「はい、これで受注したからがんばってね。薬草の見本はこれね。毒草と間違えないようにね」

クラリスさんから薬草を1本もらった


「ありがとうございます。行ってきます」


僕は教えてもらった森へ向かう


「うーん、無いなあ」

僕は森で薬草を探すけど見つからない。

簡単に見つかるなら冒険者に依頼する必要もないか…


「あ、あった!」

結構探してやっと1本見つける


見本でもらった薬草と見比べる。

同じように見えるから薬草だね


探すのに疲れた僕は、見つけた薬草と同じものを創造スキルで19本創る事にした。


「よし、これは僕の力だからね。ズルじゃないよ」


僕はギルドへ戻ってクラリスさんの所へ行く


「クラリスさん、採取終わりました」


「エルク君、えらく早かったわね」


「たまたま、群生地を見つけました」

僕は嘘をつく


「見せてくれるかしら?」


「はい」

僕は薬草を取り出して渡す


「……エルク君、残念だけど全部毒草ね」


「え?」


「見本も出して」

僕は見本でもらった薬草を取り出す


「ここの形が違うでしょ、薬草はここがギザギザしてるの。エルク君が採ってきた毒草は丸いでしょ?」

確かに言われてから見てみると違うのがわかる。


「でも、全部毒草ってのも逆に凄いわね」


それはズルをして同じものを創ったからだ

言えないけど

「……。」

逃げたい


「でも大丈夫ですよ。この依頼は常時依頼ですからまた採取してきてくれれば失敗扱いになりませんから」


「……行ってきます」


「頑張ってね」


僕はそのまま森に向かうと木にもたれ掛かって座り込んだ。

「はぁぁ」

ため息を吐く

恥ずかしかった。ズルをした罰かな。

普通に探してたら全部が毒草なんてことにはならなかっただろう。


それでも創造でズルするんだけどね

僕は今度はちゃんと見本の薬草と同じ草を20本創る


「よし、出来たな。今度はちゃんと葉がギザギザしてる」


すぐに戻るのも恥ずかしいし、昼寝してから行くことにする


これがいけなかった。まさか危険が迫ってるとは…


少しでも面白いと思って頂けましたらぜひ下部より★の評価をお願いします。

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