2/65
プロローグ
ーーーー籠の中の鳥は籠の外を夢に見る
おかしいな、もともと籠の外を自由に飛んでいたはずなのに。
あの空を飛ぶ鳥たちは、自分と寸分たがわず同じはずだったのに。
私は籠を出たら、彼らと同じように飛べるのだろうか。
どんなに傅かれ、どんなに敬われても私は彼らとは別のもの。
父の力強さを。母の温かさを。そんな当たり前のものが欲しかっただけなのに。
私は籠の中の鳥。
飢えも、寒さも、苦労さえも知らず生きていけることは、果たして生きているといえるのだろうか。
私は知りたい。
飢えようが、凍えようが、草臥れようが、そこに生きる彼らのあたりまえの日常が。
贅沢と言われようが、私は知りたい。
生きているということがどういうことなのか。
ーーーーある日、ふと籠の鍵が開いていることに気づいた。




