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⑷『虹色の頭蓋骨』

⑷『虹色の頭蓋骨』



為体の俺は、心地よい残映を探して、あてもなく街を走る時がある。何も持っていないなら、何も手に入らないなら、何故君はこの世に生まれた、とお前は俺に返答する。難しいことなんだ、と俺は自白する。半ば、意識を通じながら、半ば意識を殺しながら。



誰だって、虹色には憧れるものだ。それは、きっと、正しいことなのだ。虹はすぐに消える時があるだろう、だから美しいんだ、光の錯覚が生んだ、生命の映像。頭蓋骨にまで響き渡る、奇妙な眼像。時折、走るのを止めては、後ろを向いて、足跡を確かめる様な、虹の所作なんだ。



言葉の源水は、見事に、自己を破ってくれた。当たり前の当たり前が、俺自身を殺すかの様だ。あの頃みたいに、俺はまた、愛した人に殺されるだろうか。放棄した意識を、文章に準えて、孤独を踏みしめる刹那、確かに、頭蓋骨には、虹が光っていた。

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