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木枯らしの騎士

ちょびっとショッキングなシーンがあるのであしからず

不死鳥騎士がマザーを倒し、後の処理をキリヤ達に託す。ナイトメア達の巣へと進むキリヤ達を邪魔するように、錆びついた剣士が現れる。全身鎧と錆で顔も体つきもわからない。ナイトメアの死屍の中では、異様な存在だ。


「血ヲ…寄越セェェェ!」


そう叫ぶと、人間とは思えない速度でキリヤへと斬りかかる。とても体位の低い斬りかかりだ。キリヤはほとんど反射でノヴァを盾に防御する。


「うッ!わー…」


斬られたキリヤは瞬く間に後方へ飛んで行った。そして貴族街の防壁にぶち当たる。


「ちょ、キリヤ!?」


ギリアラが戻ろうとすると、セバスが手で制す。


「いえ、ギリアラ様はあの錆びた騎士を鑑定してくだされ。とても嫌な気配がします故。」


「わ、わかったわ…つぅ!」


呆然としている群衆をかき分けて錆び騎士を目に入れ、鑑定を使う。するといきなり頭痛がする。得られた情報は少なく、文字化けしている。


「もっと…力を…うぐく…」


鑑定に魔力を込めてさらに見る。途轍もない負担が頭にかかるが、気にせず見る。


[サ?:@pt] $#(+:

ELBEL 51234567898765435547

能力崇値  

体力 347599 力32452 素早さ23453 防御66876855 魔力332442424 賢さ333333

属性たいs

火? 水? 風? 土? 雷? 毒? 麻痺? やけど? 裂傷? 気絶? 呪 ?

スキル

血二飢エシモノ…呪われた装備に身を包み、完全に正気を失った者が得るスキル。永遠と血に飢える。


@」。l…。・、@

%&()&!…~)+L*>

*>P‘>+/…}+&”%


装備

木枯らしの剣

木枯らしの盾

木枯らしの鎧

木枯らしの靴

木枯らしの兜

木枯らしの手

セット効果、木枯らしシリーズ…木枯らし効果UP&木枯らしの呪い倍化


「な、何よこれ!数値が出鱈目じゃないの!いや、多分ステータスはこの数値より低いはずよね…?でもなんで装備やスキルの一部だけしっかり見えるのかしら?」


「私が微力ながら補助をさせてもらいました。しかし木枯らし一式など魔王領に厳重に保管されていたはず…なぜこの方が装備してらっしゃるのか分かりませぬな。」


「く、総員!撤退!退け!退けー!」


アジカの号令で騎士や臆病な人から退いていく。しかし命知らずだったり好戦的な冒険者は退く気配がない。


「へ、あんな錆びだらけの装備のやつに何ができるってんだ?」


そこそこ大きいロングソードを持った彫りの深い冒険者が斬りかかる。しかし錆び騎士は何もせずに剣を受けた。すると当たった所から剣が風化していく。塵のようになった剣は風に吹かれて彼方へ消えていく。


「そ、そんな!これ高かった…おがぁ!」


真っ青な顔の冒険者に錆びた剣が首の横に刺さる。目にも見えない速度でキリヤを切ったのを見て無いのか…そんな愚か者の首をノコギリのようにぎーこぎーこ斬っていく。錆びて鈍らなのがかえって苦痛を与える。抵抗しようにも無手では大した効果は見込めない。


そしてついに首が別れた。血が噴き出し、それを浴びる。次に錆び騎士は首を失った体に剣を突き立てる。体は水分を失ってゆき、ミイラのようになってしまった。


「血ダァ…モット…モット…」


心なしか血を浴びた鎧は錆が減り、本来の色であろう銀色が淡く鈍く光っている。それでもまだ錆びだらけだが、剣は多くの部分の錆が取れて刃が鋭く光っている。


「早く逃げるのです!」


「この武具は呪われているのですぞ!」


分身のセバスが叫び、逃走を促す。それに合わせて次々と逃げ出す冒険者。他人よりも自分を優先するためにこけたり突き飛ばしたりと阿鼻叫喚の様相。


「お、おい!お前!押すなよ!」


「う、うるさい!お前こそ早く行けよ!死にたくない!」


「喧嘩をしないで早く逃げて下され!うぐお!」


喧嘩で足を止めた二人に錆び騎士が襲い掛かるも、分身のセバスが盾になる。剣が胸を貫くと、大量の煙幕を放って分身が消える。喧嘩をしていた二人は即座に口を閉じて逃走する。しかしマクラ―ゲンは逃げない。その間にも犠牲者は増えているのに…


「強そうではないか!やっべー!興奮するぜ!」


「ちょ、早く逃げなさいよ!」


仲間が急かすが柳に風と無視をしている。もう知らない!と仲間は避難した。


「どぉぉぉらやぁぁぁ!」


「もうこの戦闘馬鹿!」


マクラ―ゲンは勢いよく錆び騎士に鬼剣オーガ―を叩きつける。それに反応した錆び騎士が盾を構える。今まで飾りのように持っていた盾を初めて構えた。ドゴォォォォ!と破城槌が壁にぶつかったような音を響かせて盾の錆が舞う。受け止めた錆び騎士の地面から罅が走る。


「な、なんていう馬鹿力よ…」


「凄まじいですな。人間とは思えませぬ。」


「しかし木枯らしによって剣が風化してしまうのでは?」


巻き込まれないように離れて見ていたセバス×2とギリアラ。セバスが木枯らしの呪いの推測を立てるが、鬼剣オーガーは風化する兆候を見せない。風化しないことに驚いた錆び騎士は盾で大剣をずらしてバックステップで距離をとる。


「…?」


マクラ―ゲンが眉を潜め、首を傾げる。何か引っかかるところがあるのだろうか。


「血ヲッ!血…!」


後ろに飛びながら剣を二回振る。燕返しだ。見えないが二連剣撃が飛んでいく。剣撃が飛んだ後ろには塵になった草花がある。これにも呪いが乗っている。さらに無詠唱で風魔法のウィンドカッターも飛ばす。漏れなく呪いが乗っている。


「…?なんだ、この違和感は…お、あぶねえな。」


危ないなと言いつつも見えない攻撃を剣で叩き切る。全く危なげがない。この後もマクラ―ゲンは攻め続ける。錆び騎士は全て防いでいるが相当な衝撃がかかっているはずだ。マクラ―ゲンも少しだけ傷を負うも気にせず攻める。傷から滲む少量の血を吸うごとに錆が消えていく。そしてついに目を覆う縦の装甲や口元の錆が取れて、目と口が目視できるようになる…それは今戦っているマクラ―ゲンにとっては非常に不利な方向へ傾く。


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