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恐怖! 異世界転生トラックの突撃

 朝学校に来たら、友達が死んでいた。死因はトラックによるひき逃げ。そんなことを放課後のHRで聞きながら、俺は帰り道についた。


「ここって……」


 いつのまにか俺は友達が死んだところに来ていた。そこは交差点で見通しが悪く、通りの向こうからこちらの横断歩道が住宅の壁で死角になっている。


 俺は足元の地面に雑に置かれた白い花をみて、ため息を吐いた。


「富健……四琴獅郎」


 俺の友達の名前は富樫とみけん 四琴獅郎しごとしろうという。


幽鬼ゆうき


 俺の名前は青玉アオダマ 幽鬼ゆうき。誰かに名前を呼ばれた気がして顔を上げると、シロウの顔がみえた気がした。だが、それは幻ですぐに周りの景色に消えてしまった。


「幻聴か……もう本当にこの世から消えちまったんだな」


 大きく俺はため息をついて、もう一度、彼が現れないかっと目を凝らしてみても、そこには誰もいなくて、曲がり角から真っ赤なトラックが曲がってきた。


「忌々しい」


 俺はトラックの運転手に向けて毒づいた。犯人でもないトラックにこんなことをいっても仕方ない。俺は交差点を渡ろうとしてトラックが通り過ぎるのを待った。だが、いつまで立ってもトラックはそこから動かない。まるで、俺に先に行けとといわんばかりに、トラックのうるさいエンジン音が耳につく。


「先にどうぞ」って言っても一向に動く気配がない。俺は仕方なく横断歩道を渡ることにした。


(どうして、シロウは死んでしまったんだ)


 ずっと考えていた。悩んでいた。




 校舎裏の桜の木の下で、お昼ご飯をシロウと一緒に食べてるときだった。


”異世界に興味ある?”


 ない。っと答えると彼は悲しい顔をした。


(なろう小説なんて読まないから、知るわけないだろ)


 それから、シロウは異世界についての知識を頼んでもないのに色々と教えてくれた。


”トラックに引かれて生まれ変わるんだ”


 冗談だと思ってた。まさか本当に死ぬなんて。それもシロウから望んだことじゃなくて、誰かの手によって殺された。それが許せなかった。俺の大事な親友を、望んでいたからといって、俺から勝手に奪った。


「みつけたら殺してやる」そうつぶやいた時だった。いつのまにかトラックが俺の体の目の前にあった。「え」っと俺は驚き、すぐさま転がるように前方へと転がった。間一髪だった。


 トラックは横断歩道で動き出した直後で、トップスピードまで達していなかった。それが幸いした。俺はこうして生きている。


「あぶねえだろうが! どこに目えつけやがるんだ!」叫ぶも赤いトラックはまるで聞く耳もなく、そのまま通りの向こうに消えてしまった。


「今日は最悪の一日だ」


 俺は走って家に帰ることにした。まっすぐと家に進んでいく。通路を邪魔するように歩いている女子高生の一団をぬけると、止まれガキ! っとか言われるが気にしない。人が通る往来で道をふさぐように広がってぺちゃくちゃ喋ってるやつが悪い。


 次に、道をふさぐ老人を後ろから間を縫って走りぬけ、振り返ると地面に尻もちをついている老夫妻がみえた。


「いい気味だ」


 今日あった嫌なことがすべて消えたように思う。だが、心の中にちくっと痛い何かがある。まだ俺はどうやら、シロウのことが忘れれない。いつも前向きで、女子供、老若男女を助けて、誰からも好かれるあいつが羨ましくて、憧れで、俺はいつもあいつみたいになりたいって思って、ずっとあいつの真似をしてきた。そうしたら、周りで俺のことを陰口いってた連中ともいつのまにか仲良くなれたりもした。


 俺は足元の石につまづいて、盛大にその場に倒れた。


「なあ、どうして死んじまったんだよ。シロウ」


 夕闇のアスファルトは冷たく、泣き続ける俺の心はどんどんと嫌な気分になった。このまま闇に飲まれてしまいたい。


 ブオーン! まるで獣の叫び声のように、赤いトラックがクラクションを鳴らして、突撃してきた。


「冗談……だろ?」


 俺はその場からがばっと立ち上がり、元来た道を走り抜ける。トラックはずっと俺の背後をつかず離れず追いかけてきていた。


「遊んでやがるのか! てめえ!」


 俺が振り返って、運転席に向かって叫ぶが、逆光で運転席の中はみえなかった。


 それから俺はどれだけ走っただろか。いつの間にか学校の校舎裏の桜の木まで来てしまった。振り返るとトラックが獲物を追い詰めたようにその場でアイドリングを吹かせていた。


「さあ、来るなら来い! 俺が相手してやる!」


 奴が俺に突撃してきたら、この桜の木をぶつけてやる。


 赤いトラックが猛スピードで俺に突撃してきた。っと次の瞬間、トラックは目の前で急ブレーキをかけ、ぶつかる寸前で停止した。


「ずっと前からあなたのことが好きでした。異世界転生してくれますか?」


「トラックが喋った……だと!?」


 俺は彼女(赤いトラック)からの告白に、笑顔で、「No」っと答えた。


 その直後、アクセル音を聞いた気がした。次の瞬間俺は視界が真っ暗になり、体に激痛が走った。


「のおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


 俺は力の限り叫び、力尽きた。

異世界転生トラックものが急に書きたくなって衝動的に書いてみました・・・w ほかに書かないといけない小説があるんですけどね…w たまにはいいですよね…w 全部書き終えたら、投稿する予定です…w 頑張りますw


4/26 奇譚と感想で言われてみて、実にそうだなっと納得しましたw とりあえず、なろうの恋愛とはだいぶ違うような気がしたので、ローファンタジーの区分にしてみましたb


5/8 ホラーだ!と感想で言われてみて、なるほど、たしかにそうだなっと納得して、奇譚との間をとって、ジャンルをホラーに変えましたb 楽しい恐怖を味わってもらえればなっと思います♪


2/12(2022) 修整して気づきました。何年の日に修整したのかも書かないとわからないなっと…w とりあえず、作者名をいれてたんですが、それだと公開されないと半年前に言われて気づいたんですけど、今やっと公開することになりました(汗

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― 新着の感想 ―
[一言] Twitterより来ました! 前半の語りをすべて無きものにするがのごとく、終盤のオチは最高でした!異世界転生トラック物を書く人は世界に一人だけかと笑。 容赦なく引きに行った所がツボでした!
[良い点] ジャンルを見ずに読み始めたのですが、すっかりホラーだと思って読み続けていました。 最後のオチが面白かったです( ´∀` )b
[良い点] 恋愛と言いますか現代ファンタジーと言いますか、むしろホラーでは? 意思を持って襲いかかって来て最後は、ですもんね(⌒-⌒; ) [一言] 順調に書き書きされていて良かったです〜♪
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