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大魔王のお嫁さま  作者: ねこのめ
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結婚記念日の準備に大忙し〜!


あ〜あ〜・・テステス・・こちら晴天なり・・・

おはようございます、みなさま。只今、夫である魔王のサッくんのために美味しい料理を作るべく、食材の調達に来ています。調達っていっても、買い出しに行くわけではなくて、我が家には畜舎や畑が隣接しているので、ほとんどの食材はそこから調達します。


なんとなんと今日は、サッくんとの120回目の結婚記念日!今日は、サッくんも早めに仕事を切り上げて帰ってきてくれるそうなので、腕によりをかけて準備する予定です。


あ、そうこうしているうちに畜舎が見えてきましたね。さてさて、今日のみんなの様子はどうかなぁ〜。うんうん、今日もみんな元気に生活してるね。


「おはよ〜佐藤さん、体調は良くなったかな?」


こちらは、佐藤さん。昨日、畜舎の様子を見にきた時に体調を崩していてちょっと心配だったの。人間って弱い生き物で、1人が病気になるとどんどん病気になっちゃうから、管理するのが大変んですよねぇ。


「ああ、奥様。昨日いただいたお薬のおかげて、今朝はだいぶマシになりました。ありがとうございます。」


ここの畜舎の管理はほとんど私が担当しています。人間って、毎日食事が必要だし、ある程度清潔にしておかないとすぐに体調を崩しちゃうから、毎日お世話をしにここに訪れているの。私が見られない時は、小間使いのソフィアにやらせているのだけれど、あの子ったらたまにつまみ食いするのよね。


え?なんで人間を飼っているのかって?もちろん、最初に言ったように食べるためです。けれど、ここにいる人たちは私たちに食べられるために生まれてきた人たちってわけじゃないのです。元々は、普通に人間界で暮らしていたの。

・・・あらあら怯えないで、普通に生きていたらこの畜舎に送られることはないわ。ここにいる人たちは、みんな悪いことをしてきた人たちなの。ほら、人間界って、”ホウリツ”とか”サイバン”とかあるじゃない?あれで、”シケイ”になった人たちがここに送られてくるのです。

昔は、サッくんや悪魔達が適当に人間界に降り立って、人間さん達を頂いていたのだけれど、さすがにそれだと人間の皆さまが怯えちゃって生活できないからって、100年くらい前に人間界のトップ達とサッくんが契約を交わしたの。人間界にちょっかいをかけない代わりに、こうやって食用の人間を補充しますって。もちろん、人間界の皆さんは、世界がこんなシステムで平和を保たれているだなんて知る由もないんですけどね。

まぁ、たまに悪魔召喚の儀式をやっちゃって人間界に悪魔が召喚されちゃう!なんてこともあるけど、そういうお話って、放っておいても人間達が信じないでいてくれるから今のところ無問題。悪魔達も、サッくんが怖いから下手なことはしないですしね。


でもね、正直、悪さをして汚れている人間よりも、善良に生きている人間の方が美味しいのです。だから、なんとなんと人間界からは毎年2回、結婚記念日とサッくんの誕生日に清らかな少女がプレゼントされるのです。

清らかな少女といっても、ただ生まれてただ生きていた子では意味がありません。美味しい人間になるには、条件があるのです。


まず、両親がどちらも処女と童貞の状態で交配を行うこと。できれば、お互い初恋だとさらに良いです。そして、愛情をきちんと持って丁寧に育てられることも大切ですね。もちろん、少女自体の体や精神も清らかでなくてはなりません。精神的にも、身体的にも十分に栄養が行き届いていて、人間界の悪い部分を見たことがないことも重要です。うーん後は、初恋の真っ只中だと良いですね。もちろん片思いの状態ですよ。少女を大切に思っている友人や大人達が溢れていることも重要ですね。


え?なんでこんなに条件が必要かって?もちろん、味をよくする為ですよ。人間だってやってるじゃないですか。確か、品質管理?とかっていうんでしたっけ。牛さんや豚さんや鳥さんがどうやったら美味しくなるか考えるように、サッくんや悪魔達も色々考えるのです。


あら、そんな少女はなかなか存在しないんじゃないかって顔してますね。そうなんです、中々いないんです。だからこそ、希少価値が高いのです。そして、それを見つけられるのが私のこの眼なのです。清い身体のままで結ばれた男女を、なんとなんと私は見つけることができちゃうのです!これは私の前職が関係しているのですが、その話はまた後で。


そんな男女を見つけた後は、人間のお偉いさん達に報告します。そして、その家庭がうまく行くように支援をしたり、お仕事を成功させたりと色々手助けしているのです。その中でも一番重要なのは、クローン技術。これまた、人間も考えたもので、急に人間がいなくなるとかなり問題になっちゃうそうで、私たちに出荷した後はそのクローンさんが少女の代わりをして生活するという算段なのです。


そうですよね、クローンじゃその少女の代わりにはならないんじゃないかって。そこで必要なのが、悪魔の力なのです。サッくんの部下で、記憶の改ざんを得意とする悪魔がおりまして、その悪魔が少女の記憶をクローンに植え付けることができちゃうのです。だから、人間界的にはプラマイゼロで問題なしなのです。


あら、もうこんな時間!

早く少女をお迎えに行かないと、準備が間に合わなくなっちゃう!



============


〜〜今日のQ&A〜〜


Q:人種ごとに味って違うのですか?


A:うーん、ほとんど味は変わらないって聞いています。その人間の食嗜好で微妙に違うっていう悪魔もいるけど・・・私は人間を食べないのであんまりよくわかりません。味覚が繊細な悪魔さんは、スパイスをよく食べるところの人間はスパイシーで、紅茶をよく飲むところの人間はちょっと華やかな味がして、ジャンクフードをよく食べる人間はジャンキーな味らしいです。あ!そうそう!腐った豆を食べる人種はちょっとクセのある味がして、それがまた美味しいらしいです。


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