報告
ギルドを出た俺たちはアランさんが言う宿に向かった。
「ここだよ。僕たちが泊まってる宿[森の故郷]」
「この宿は居心地が良いし、ご飯もついてくるからお気に入りなのよ」
「へぇ〜、良さそうな宿ですね」
中に入ると30代くらいの女性が出てきた。
「アランくん、ミーナちゃんおかえりなさい。部屋、用意してあるわよ。あら?後ろの方は?ここら辺じゃ見ない顔ね。」
「ティナさん、彼は今日、この街にやってきたの。急で悪いんだけど1部屋追加できる?」
「今日は空きがいくつかあったから大丈夫よ。一泊につき、大銀貨2枚よ。」
「1週間分で頼むよ」
革袋を取り出しアイテムボックスからお金を支払おうとすると、流れるような動作でアランさんが先に小金貨1枚と大銀貨4枚を払った。
「え?ちょっ」
「今日は君に助けられたからね、これくらいはさせてもらうよ。」
アランさんの顔は笑っていたが、目が真剣だったので「じゃあ今回だけ…」とだけ言ってここはお言葉に甘えることにした。
宿の食堂で夕飯を食べた俺は部屋に行き、ベッドに転がるとすぐに眠気に負けた。
翌朝、鳥のさえずりで目を覚ました俺は宿の大浴場に入った。
夕食の時にミーナさんに聞いた話によると、この世界では貴族の家じゃなくても風呂と石鹸があるところにはあるらしい。一般家庭では水浴びか湯あみがほとんどだが、大浴場や銭湯もあるそうだ。
石鹸は泡石という石で代用されている。泡石は一つ大銀貨1枚と割高だが石鹸はもっと高いとのこと。
さっぱりした俺はアランさん達と合流し朝食を食べに食堂に向かった。
「リョー君、今日の午前中の予定はあるかい?よかったらこの街を案内するよ。」
「服と下着を買いに行きたいです。今は手持ちがこれしかなくて昨日からこのままなんです。」
ってことで服屋に行くことに。
服屋までの道中、見かけたものから順に案内された。武具店・市場・肉屋・バジール商会の道具屋・薪屋などなど。
服屋で4日分の服と下着を買い込んだ俺はアイテムボックスにしまい。俺たちはこのまま冒険者ギルドへ向かうことにした。
冒険者ギルドについた俺たちは、カウンターにいたマリーさんに声をかけ、2階にある応接間に通された。
数分してギルドマスターが入ってきた
「ちょっと早いけどまぁ予定通りきたね。それじゃあ昨日の話の続きを聞こうじゃないか。」
「この杖のことでしたね。この杖は近くの森にいたサンダーウルフの魔石をはめ込んだものっていうのは言いました?」
「属性を付与したってとこまで聞いたよ。付与の方も気になるけど、先にサンダーウルフのことを先に聞かせてくれないかい。」
地図を広げながら聞いてきた。
「えーっと、ウルフ4頭とサンダーウルフが1頭の群れを矢とゴーレムで倒したんです。川沿いだったのは分かるんですがこれのどこなのかまではちょっと…」
「昨日僕たちが襲われたのが山道のここら辺だから、もうちょっと北のここら辺じゃないかな。」
「そこら辺ならウルフの目撃情報がたまにあるところだね。討伐依頼も出てる。アンタ、ウルフどもの牙かなんか持ってこなかったのかい?」
俺はギルドマスターに許可をもらい、机の上に頭を含む素材全てを広げて見せたら、ギルマスターが食い入るように素材に【鑑定】をかけていった
「コイツは…綺麗に解体したねぇ。コイツを全部ギルドで買い取ってもいいかい?」
魔石以外は持ってても使い道が分からなかったので売ることにした。では話の本題に戻そう。
「では付与の話に戻しましょう。ご存知の通りこの杖と革袋にはそれぞれ俺が魔法と属性を付与しています。俺のスキルは生産系のスキルがほとんどで、創造っていうスキルで形を作ってそれから魔法や属性、戦術スキルを付与できます。
そうですね、アランさん、剣をお借りしても?」
「何するんだい?リョー君」
と言いつつ剣を貸してくれる
「ミーナさんは剣術はお持ちで?」
「私は魔法使いよ、持ってるわけないでしょ」
「それはちょうどいいです。これとこれとこれをこうして…ミーナさんこれでこの石の塊割ってみてください。」
俺は余ってた石をスキルで塊にし、ミーナさんに切ってみるよう促す。
半信半疑のミーナさんが剣を振り下ろすと、音もなく真っ二つになった石がコロンっと転がった。
俺が付与したのは剣術と【耐久力強化】、【斬撃強化】の3つ。石を切る分には十分すぎる。
「とまぁこんな感じです。今のレベルなら鉄や鋼も扱えるはずなので、材料さえあれば武器からポーション、馬車にゴーレムなら作れます。」
ミーナさんから剣を受け取り、剣術を外し、使用者の傷の治癒力を上げ、刃こぼれを自動で直す【自動回復】を付与してアランさんに返す。
「今は石と木しか持ってないですが、依頼をこなしたり、素材を買ったりしてまた作るつもりです。」
「ギルドとしちゃあ、期待したいが不安でもあるね。リョー、アンタ絶対に悪事に使うんじゃないよ。」
「当然です。衛兵さん達から狙われる立場になりたくありませんから。」
そんなこんなで応接室を後にした。




