帰路
「帰るか」
「そうだね。って言っても門はすぐそこだけどね。」
「ヴォッ」
「早く帰って寝たいわ。」
「…街の人達、まだ終わった事を知らない。早く知らせるべき」
「ワシらもフィリップ殿と合流しなければ」
「主人の友達…まだ頑張ってる」
竜の死骸を回収して、門をくぐる。ひとまず本部へ向かう。俺はグレイスさんにおんぶされ、匠はセイんさんに抱えられて。
「ア、アンタ達!!赤い竜が出たって言ってたけど大丈夫なのかい!!!?」
「ああ、ついさっき倒した。見ての通り全員生きてかえってきてる。ほとんど彼らのおかげだ。」
そう言って背中の俺をギルドマスターに向ける
「そうかい、よかったよ。
リョー、アンタまた無茶したようだね。まぁ無理する仕事与えたアタシが言えないけどね。
若鶏の坊やも無事そうでよかったよ。」
「若鶏っておばちゃん、ワイを食材として見てへん?」
「アンタ食うとこないだろうに。」
「ゴーレムジョークってやつや」
数分後
「全員戻って来たって本当か!!?」
本部テントに領主のジョセフさんが入ってきた。相当疲れてるように見える。
「全員無事に竜を倒して帰ってきたってよ。この街はこの子達に救われたんだよ」
「そうか…よかった。おめぇらにはいくら礼を言ったらいいかわかんねぇ」
涙目になって胸を撫で下ろすジョセフさん。
「とりあえずおめぇら今日は帰って休め。あとはこっちでやっとくからよ」
本部テントを後にし、広場でフィリップ達を探す。あ、いた。衛兵隊全員で集まってガドマさんから伝達事項でも聞いてるんだろう。
「はっリョーーーくーーん!」
フィリップが両手を広げて駆け寄ってくる。
やめれ。俺、今他人の背中お借りしてんだよ。抱き合う余裕なんかないぞ。
「フィリップどのーーー!」
「主人の友達…無事…よかった。」
抱きしめる代わりなら2人いる。
「あ、ちょっ、まあいいか。」
フィリップは少し不満そうな顔をしつつもメルタとティールズ相手ならそれはそれで満更でもない。
メルタ、ティールズを置いて衛兵隊の元を後にした俺達は道中でアランさん、ミーナさんと会ったので、アランさんにおんぶ、ミーナさんに匠の抱っこ交代された。
4人+1頭と別れ、俺達は久々の宿へ。
「ティナさーん、帰ったわよー」
「ご無沙汰な顔も添えてだけど」
パタパタパタパタ
「おかえりなさい。あら!リョー君、どーしたの!?早く上がって、どうする?ご飯の準備できてわよ?それともお風呂?部屋で休む?」
「すいません、今日のところはなにもできる気がしないんで部屋で休ませてください」
ここ1週間はギルドの訓練場で寝泊りしていたので懐かしさすら感じる。
ベッドに寝かされた俺、追加のクッションに寝かされた匠は安心感や疲れ、温もりを感じながら眠気に瞬殺された




