表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
-YUSHA-  作者: 遊佐
1/5

血を被れ、勇者よ

レイン、お前は運が悪かった。

お前の人生で、一度でも運の良かったことなんてないだろう。

だが、生きろ。無様でも、生きろ。血を被ってでも、生きろ。

それがお前に唯一できることだ。

生きるためなら劔を抜け。生きるためなら相手を選ぶな。生きるためなら相手を殺せ。

名を捨てろ。誇りを捨てろ。感情を捨てろ。

必要なのは生きるための願望だけだ。

レイン・サンライン、お前は人間を捨てろ。

捨てて生きるんだ。

生きることこそ正義なんだ。

挿絵(By みてみん)

1-1


「ぬ、抜けたぞ!!」

「「おぉおおお」」


帝歴543年、魔王は世界最大級の大陸「エゼルトピア」に君臨した。

地は割れ、空は赤く染まる。

付近に存在していた多くの王国、帝国、連邦国は次々に壊滅、国民は一人残らず惨殺された。

それと同時に、パドレス王国のエレス町、北西部に位置する中級協会によって、勇者が決定された。


「ここに、勇者を青年レイン・サンラインに決定する!!」


協会は青年を野外に叩き出し、暑い扉をきつく閉めた。


「今度は俺が生贄か…」


そう青年は呟き、歩みを進める。

重い劔は、人々の傲慢な願いと共に彼に圧し掛かった。


「まずは国王陛下への連絡か… 俺は勇者じゃなくてパシリなんじゃないのか…」


そう青年は愚痴を漏らす。

そのまま少し駆け足になりながら草原を駆け抜けた。


太陽が45度ほど傾いた頃だった。


「あれは、村か…?」


小さな村から赤い煙が上がっている。

青年は目を凝らし、歩みのスピードを上げる。


「むごいな…」


家は焼け落ち、死体は全て切り刻まれていた。


「盗賊… じゃないな…」


青年は死体から金品を取り出し、袋に詰めて行く。

10の死体から金品を取り出した頃、青年は1つの違和感に気がついた。


「心臓がない…」


1体1体の死体から綺麗に心臓が抉り抜かれている。

青年は()()に疑問を持つことなく、作業に没頭した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ