意外な理由
前回の続きです!
果たして学校一の美少女にラーメンをかけた零次はどうなってしまうのか!
やべぇ......やっちまった....
俺、楠野零次はやらかしてしまった。
そう、その事件は昼休みの食堂で起こった。俺は親友、岸田剛史の座る席へラーメンを持って行こうとしていた。
しかし、落ちていたポケットティッシュを踏んで転んでしまいあろうことか学校一の美少女-新川玲菜-(しんかわれいな)にラーメンをかけてしまった。
どうしよう。これは詰んだ。取り敢えず土下座で謝ろう。
「新川さん、本当にすいませぇぇぇぇぇん!!!!!!」
俺は土下座をして大声で謝った。体は汗でびっしょりだった。
なんて言われるのだろうか.....
しかし、新川さんからは予想とは全く違う返答をした。
「君、大丈夫?」
え?????
何故怒られないんだ?完全に思考が停止してしまった。そんな僕に新川さんは耳元でこんな事を言った。
「許して欲しかったら放課後、屋上に来て?話があるから。」と言って立ち去った。
怖い..怖すぎる!!!!屋上に呼び出しって!完全にやばいって!!
でもラブコメオタクの俺はワンチャン告白されるかも?というアホな妄想もしていた。
結局その場は剛史と全力で逃げた。昼食は食べられなかったが男子や女子の冷たい目線を食らうよりよっぽどマシだ。
放課後、俺は言われた通り屋上に向かった。
扉を開けるとそこには新川さんが校庭を眺めて立っていた。髪は銀髪ロングでストレート。背は自分より少し低いくらいだろうか。夕陽に照らされたその姿は同級生だとは思えない美しさだっだ。
見惚れていた俺に気づいた新川さんが話かけてきた。
「君、ちゃんと来てくれたんだね、良かった。」
「あっ、はい。」
「実は話っていうのはね、部活に入って欲しいの。」
「部活、ですか?」
思わず敬語で返してしまった。
「私、マンガアニメ研究部に入ったんだけどね、部員が少なくて来年から廃部になりそうなの。」
え?新川さんってマンガアニメ部だったのか。2次元大好き野郎の俺はそもそも女子に興味が無かったから知らなかった。
「私ね、心の底からアニメが好きなの。私を救ってくれたアニメが。だから、私はあの部活を廃部にさせたくないの。」
「新川さんがそんなにアニメが好きだなんて知りませんでした。」
「意外、かな?」
「いえいえ、そんな事無いですよ。」
「そう?絶対意外だと思ったでしょ。」
少し笑顔で新川さんが返した。その笑顔もとても美しかった。
「君をここに呼んだ理由は一つだけ。良かったらマンガアニメ研究部に入って下さい!!」
最高の笑顔でこう言った。
なんか告白されてるような気分だった。
てっきり滅茶苦茶に怒られるのかと思っていた。
「まだ部活入ってないので良いですけど....」
「いいの?ありがとう!!」
なんで怒られなかったんだろうか、普通は怒られるはずなのに。
考えが追いつかなかった。
「ラーメンかけてしまったのに怒らないんですか?」
「良いの良いの、そんな事気にしてたら生きていけないよ?そりゃあ気分は良くないけど、私にはこれが君を部活に勧誘するチャンスだと思ったの。」
「そういう事だったんですね。俺、マンガアニメ研究部に入ります!」
こうして俺の安全な高校生活は失われるのだった!!!
どうでしたか?意外でしたかね。
今回は真面目に描きました。
次回、部活に入った零次はどうなるのか!
今回も最後まで読んで下さってありがとうございます!!