第一章 3話 美人と魚頭の紳士
「ガハァッ!?」
いきなり扉が直撃し、俺は真横に吹き飛ばされる。
「く、おおっ!」
俺は唸り声のような声を上げながら、左手を地面に叩きつける。
石畳が削れ、俺の左手からガリガリと火花が上がる。
我ながらカッコいいと思った、これがただ扉に吹き飛ばされただけじゃなかったら。
「あー……悪いな、少年。」
開け放たれた扉の前に立っていたのは、一人の女性だった。
俺より背が高い、かなりの高身長だ。しかし半袖半ズボンというラフな格好から小麦色の鍛えられた体が覗いている。
そして、彼女の半ズボンには『六』と書かれた盾型のバッチが付いていた。ギルティアのものだ。
「いや、こっちも扉の前で突っ立ってて……すいませんでした。」
「気にしないで気にしないで、悪いのはアタシなんだから……で、何かアタシに用かな?」
そう言って彼女は肩にかかったポニーテールをかきあげた。
俺はフレイユの手を借りて立ち上がった。
その間に俺とフレイユの二人を交互に見ていた彼女だが、俺達のバッチが目に入ったらしく、
「なんだ、二人が例の新人だったか!」
と納得したようにポンと手を叩くと、
「私はギルティア所属のジキーナ=ハイドソン。よろしくな、少年少女!」
そう自己紹介をした。
「イオン=ケリオです、はじめまして。」
「フレイユ=コットンです!よろしくお願いします!」
「おっと、少女はずいぶん元気が良いね?活躍に期待してるよ?あ、ここで話し込むのもアレだね、入って入って!」
初対面しにてはずいぶん気さくな様子で、ジキーナはギルトの中に俺達を誘った。
石造りの家が建ち並ぶ風景の中で最も大きいギルティアだが、所属しているガーディアンは二人しかいないらしい。
それは身体強化の魔法を使いこなす武闘派、ジキーナ=ハイドソン。
そして、スーツを着こなし、紳士的な態度が好感の持て、水の魔法を自在に操る___
「ああ、二人が例の新人かな?御機嫌よう、紅茶でも飲むかい?」
そして、頭が魚で出来た一人の男、フィッツ=シュナイダーだった。
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