第一章 第2話 美少女登場!
扉を叩いた。
……
返事は帰ってこない。
もう一度、今度は強めに叩く。
「誰かいませんか?」
声もかけてみる。
返事は帰ってこない。
「こんの___」
「あのー……」
いっそ左腕で扉をぶっ飛ばしてやろうか、なんて物騒なことを考え出したそのとき、突然後ろから声をかけられた。
「えっ?」
俺は声をした方に振り向く。
そこには美少女がいた。
肩まで伸びた銀色の髪はどこか幻想的で、それが風になびいている。
そして、宝石を思わせる燃えるような赤い瞳がこちらを見上げていた。
いったい何の用だろうか?もしかして話に聞いていた、俺と同じ新人だろうか?
「えっと、何か?」
「あなた、ギルティアの人ですかっ?」
少女からそう問いかけられる。いや詰め寄られる。
扉に押し付けられる形になる、これじゃあ美少女と扉のサンドイッチだ。
美少女の顔が目と鼻の先まで来ているし、彼女の立派なあれが2つの立派なモノが俺にぐいぐい押し付けられている。
「まあ、そう、ですよっ、今日がはじめてだけど、ていうか顔、顔近いって!胸とか当たってる!」
「あっ、すいません!」
彼女はやっと気づいたようで、顔を赤らめると、あわてて俺から離れた。
「いやー、ちょっと私、回りが見えなくなることがあるんですよ、すいません……」
と、彼女は顔を赤らめて謝った。
全然気にしてないです、むしろご褒美です。
とは思ったがもちろん口には出さなかった。
「自己紹介が遅れましたが私、今日からギルティアに所属することになりました、フレイユ=コットンです、よろしくお願いします!」
と自己紹介してきた、なるほど、話に聞いた新人らしい。すかさず俺も自己紹介をする。
「よろしく、フレイユ。俺はイオン=ケリオ。16歳だ。」
「あ!私と同い年ですね!」
そう言って彼女は花が咲いたような笑顔を見せた。
思わずドクンと胸が高鳴る。
……あんな笑顔を見せられたら、どんな男もイチコロだろう。
「ところでずっと気になっていたんですけど、その左腕、もしかして機械ですか?」
しばらく会話をしていると、フレイユはそう聞いてきた。
まあ、気になって当然だろうな。
そう思って俺はちらりと左腕に目をやる。
俺の右腕より一回り大きいソレは、明らかに異質だった。
ちょっと女の子と話せて気分が良かった俺は、
「そうだよ、カッコいいだろ?」
なんて言おうとして___
「そうだ」
まで言ったところで、いきなり開いた扉に吹き飛ばされた。
次回は美人と魚が出る予定。
乞うご期待!