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プロローグ
初投稿です。
俺の左腕に痛みが走った。もちろんそれはありえないことだ。
なぜならもう俺の左腕は無いからだ。
うつ伏せに倒れ込む。
口の中に血と泥の味が広がる。
両親の仇に復讐を誓い、それからの人生を鍛錬に費やした。
それなのに。
俺は仇に勝てなかった。
左腕をもぎ取られ、みっともなく逃げ出して……
悔しかった。
足音がこちらに向かって来るのを感じる、追手だろう。
しかし、もう俺に立ち上がる力は無かった。
ぼやける視界にそいつの足が入ってくる。
薄れゆく意識で最後に考えたのは……俺の両親のことだった。