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 あれから一年の時が経過したが。元の世界に帰るような事はなかった。その代りこっちの世界で漫画を描き続けている。


「無理っす。無理っすよ。こんなペース間に合う訳ねー」


 月一本でひーこら言っていた俺が、月四冊分の単行本をできる量。もう、何日寝てないんだっけ?


「なんだ?また眠いのか。ほれ」


 俺の机の前にもう何度目かわからないゲルナミンEX。この世界でもかなり高い効能のポーション。そしてその名前のごとく糞まじい。死者がよみがえるなんてうたわれるけど不味くてよみがえるだけじゃないのかこれと思うほど。お陰で冒険者からも敬遠されているらしい。


「あんたは鬼かぁぁぁぁぁ」


「そんなもんこの業界についた時からそのつもりだが?」


 あぁ、そうだった。このやり取りももう何度目かってくらいだよな。


「下らんことを言ってる暇があるならとっとと続きを書け。今日も世界を平和に導くんだろう勇者」


 地味な嫌味だ。この世界の魔王軍はどうしたのかって?そんなの聞くまでもない。


「このページペン入れお願いします。ローパルトさん」


 俺は超万能アシスタントであるローパルトさんにページを渡す。凄いんだぞ。この人?触手を一本一本超器用に操りベタ トーン ペン入れなんでもござれだ。一人で十人前は働く。ちなみに元魔王軍の大幹部らしい。ここに来てから一か月もしないうちに佐山が連れてきた。始めた会ったときは先生のおかげで新しい世界が広がりましたと触手20本くらいで握手されたときは一生忘れないだろう。その時引きつっていても笑顔で応えた俺の精神をほめてほしい。


「サヤマ。今週分の配達の確認だが」


 黒猫の配達員っぽい恰好をしているのは、何と魔王様だその膨大な魔力を使って日本に物資のやり取りをしている。この世界にはまだ印刷技術とかのインフラが完備されてないからどうしても日本に頼る必要がある。ちなみにどういう経緯でなったのかは俺は一切関知してない。俺はただここで漫画を描いていただけだ。それ以外一切してない。


「魔王様。頼んでいた物お願いします。あれがないと僕・・・僕」


 そう泣いて頼んでいるのは、俺のもとアシスタントの荻野浩平君だ。長い付き合いだがこの世界では立派に自分で漫画を描いている。他にも元の世界からまだプロではないが見込みがありそうな人が何人かこの世界に連れ込まれている。もう、この城自体が漫画を作るためにあると言っていい。


「キマシタァァァ。キマシタワァァァァ」


 そう突如叫んで机にしがみつくように漫画を描いているのは。この国の王女のアリスだ。多分唐突に迷っていた部分のネガがひらめいたんだろう。若い頃はよくある事だ。初めて会ったときはあんなに美しかったのに今では髪を両脇で結んでジャージを着こみ眼鏡をかけて涎を垂らしながら漫画を描いている立派な腐女子だ。彼女を筆頭にメイド部隊百人ぐらいが漫画を描いている。この世界は今や空前の漫画ブームだ。人、亞人問わず絶大の人気誇るらしい。外に出たことないからわかんないけど。


「さて手が空いてきたので私はそろそろ帰らせていただきますね」


 ローパルトさんは優秀だから結構早く帰ることが多い。多少たまっても瞬く間にしあげてしまうから。非常にうらやましい。


「そっか。新婚生活だからな。嫁は大事にしてやれよ」


 一瞬空気に亀裂が入った。主に俺たちに本組の男の中で。なに?新婚だと?いやいや落ち着け俺。ローパルトさんはローパーだ。なら相手も触手型のはずで・・・


「あぁ、そういえば皆さんにはまだ言ってませんでしたか。私つい先日エルフと結婚しまして・・・・」


 エ、エルフだとぉ?


「エルフって異種族婚ってしないはずじゃあ」


 血が混ざることを嫌い。純血主義なのがエルフのイメージなのだが。


「何を言っている?お前が書いた漫画がきっかけだろう」


 俺が書いた漫画だと?あぁ、あれか。ハーフエルフを身ごもったエルフが周りに差別されながらも子供を必死に育てるやつ。


「あれってあんま人気なかったんじゃないんですか?」


 確か部数ではあんま伸びなかったと聞いたけど。


「エルフの間では絶大な人気だぞ。今じゃ純潔至上主義が少数派なくらいだ。子供を思う気持ちに汚いも何もないとか言ってな。聖書扱いまでされている」


 マジか。知らなかった。


「そうですね。私以外にもヒューマンで二人。後元同僚のオクデルクさんが結婚しました」


 うわぁ、まだあれ売られて半年も経ってないはずなのに。ところでオクデルクさん?ローパルトさんが触手のローパーで。そうすると・・・


「オクデルクさんってまさか?」


「オークですよ」


 よりによってオークかよ。


「ちなみにヒロセ先生が書いた本とは別に艶本がエルフの間で大流行しています。今まで性に旺盛なのは恥ずかしいと思っていましたが。そんなことはないんだって気づきましたって言ってましたね」


 エルフじゃなくてエロフじゃないですか。ってことはローパルトさんはこれから自主規制的ななにかを・・・


 それを肯定するかのように真ん中の巨大な目ん玉を歪ませて笑っていた。


「ローパルトさん。これ至急一枚ベタお願いします」


 誰かがそういう。そうだな。こうなったらすることは一つしかねえ。帰してなるものかローパルトォォォォ。


 日本組の思いが一つになった。皆鬼気迫る思いで机に向かう。


「ほほう。異世界勇者たちの挑戦ですか。なるほど魔王軍として受けて立たないわけにはいきませんね」


 ローパルトも乗り気で帰り支度はやめて机に座る。


「かかってきなさい。魔王軍幹部の強さをお教えしましょう」


「「「「上等だボケェェェェェ」」」」


 三時間の激しい攻防の末に皆精根が付き。ローパルトは鼻歌うたいながら帰っていった。魔王軍幹部おそるべし。


みなさん読んでいただきありがとうございます。

さてここで完結ですが、上で言った通りブックマークや評価によっておまけストーリー的なものが増えます。次増えるとしたら魔王がここに来る時の話ですかね。みんなどしどしお願いします。

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