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わが少年の日々のかがやき my brilliant boys days   至福の川遊びの日々は何処に あの日故郷の川は限りなく透明だったっけ。

作者: 舜風人

雪の降る日は

こんな異郷の地方都市の建売団地のマッチ箱住宅でも

一面が雪景色で

まるであの遠い遠い故郷の

昭和30年にタイムスリップしたみたいですよ。


年取ったせいでしょうか

無性に故郷が恋しくなる時があるんですよ。


ふるさと遠くこんな街でよそ者として朽ち果てなければならないんだろうか?

それが私の運命なのだろうか?

そう思うとやたらむなしさばかりが募ります。

ああ懐かしい故郷のおもいでは

雪の花のように舞い散り

限りなく灰色の空から落ちててくる、、。



昭和30年代の山里の僻村で、少年時代を過ごした私たちにとって


そもそも基本的に遊びの場所は「里山」と「小川」しかありません。


ディズニーランドがあるはずもなし、テレビもまだ裕福な地主さんの家にしかなかったはずです。


娯楽なんて3球スーパーのラジオの「新諸国物語」だけです。


町はずれというか、町は遠い彼方の雑木林のはずれが我が家でした。


農業主体の自給自足がそのころのそこら一体の家々の基本です。


我が家も当然自給自足です。


詳しくはこの『我が少年の日々の輝き』シリーズをお読みください。


前置きはこのくらいにして




当時のわが村里の川はまさに水清く魚は群れ棲み。豊饒なさまを呈していましたね。


子供ですから


川漁の基本は、素潜りによる手づかみ、いわゆる「にぎり漁」ですね。


それから、竹竿による釣りです。


あるいは水中眼鏡をかけて「ヤス」でついてとるか、


まあ子供にできるのはそれくらいでしたね。


難しい仕掛けのいらない、当時は「ジーコン釣り』が少年たちの基本でした。


糸ミミズを付けた釣竿を川下に向けて、前後にゆする。


ただそれだけでも実によくつれました。


ニガッパ(オイカワ)ウグイなどいくらでもつれました。


それだけ川も清流だったのでしょう。


もぐると水は澄んで川魚が群れて泳ぐのがよく見えましたもの、


水底の岩陰には


ナマズやコイ、フナが隠れていました。


それを手探りでさっとつかむ。


「ニギリ漁』ですね。


これも結構よく取れましたね。


ナマズはひれ先に棘があってこれに刺されると結構痛かったですが。


少し装備にお金がかかりますが


ヤス突き漁も子供に人気でした。


もぐって岩陰の魚をゴム仕掛けのヤスでついてとるのです。


かなり技術がいりますが


なれればこれほど確実な漁はありません。


無人島ゼロ円生活で


浜口優がやってるあれがヤス突き漁ですね




大人たちは投網や、石突き漁をよくしてましたね・


これは子供ではムリです。


石突き漁というのは


大きなハンマーで、川原石をたたき隠れていた


魚がその衝撃で失神して浮いてくる魚を拾うのです。


投網は、深い淵めがけて網をかけますと、


大きなコイや、ナマズが面白いようにかかるのです。


でもこれも子供では無理な話です。



アユの友釣りなども子供は無理です。


さてそうしてとった魚は


笹竹にえらをさして持ち帰り。



はらわたを出してから揚げが一番ですね。


味は実に淡白でした。

軽い苦みもありましたね。


特にオイカワが苦いです。


で、、「ニガッパ」とよんでました。


ウグイはほんのり甘くて川魚ではベストでしょうね。


美味しいい魚でしたよ。


フナやコイは泥臭くてあまりうまいとは言えませんでしたね。


旨いといえば


当時、「カジュウ」と呼んでいた魚はうまかったですね。


カジカのことらしいです。


流れの早い川底にへばりつくように住んでいて


泳ぎが下手ですね。


形はナマズを小型にしたような、


この魚は素焼きでも味が良いです。


夏ともなれば子供はみんな小川に集まり、


泳いだり魚をとったり、


一日中歓声が絶えませんでした。



あれからはや、50年たちました。


時間のたつのは早いものですね。



今ふるさとの川に行っても


誰もいません。


たまあに、釣り人のおじさんが通るだけです。


そして川自体も汚くなりました。


河川沿いに工場もできたためでしょう。


家庭の汚水も大量に流れ込んだためでしょう。


魚の数もめっきり減ったようです。


水清く、子供の楽園だったあの小川はもうどこにもありません。


川は静まり返っています。


そして汚れも目立ちます。


魚も激減だそうです。



あの子供たちの歓声は今も鮮やかに私の脳裏によみがえって気はしますが


現実の故郷の川に今行っても


誰もいないのです。


あの子供たちはどこに消えたのでしょうか?


そしてきれいに澄み渡った


あの小川はいったいどこへ?




そうです。


私の少年時代も、そしてその小川も


もうどこにもありません。


どこにも、存在していないのです。


すべては消え去ったのです。



ただ私の心の奥底に思い出としてひっそりとあるだけ。





お知らせ


「わが少年の日々のかがやき」というシリーズものを、すべてお読みになりたい場合には、「小説家になろう」サイトのトップページにある「小説検索」の欄に、読みたい連作シリーズ作品群の共通タイトル名である「わが少年の日々のかがやき」を入力して検索すれば、全作品が表示されますので、たやすくお読みになれます。

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