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松明を飛び超えた俺らは一気に洞窟の外へ飛び出した。
飛び出したとき出口にあった石に躓いた"主"は勢いそのままに地面へ転がった。一緒に投げ出された俺は大木にぶつかったのだが、傷一つつかずに主の元へ転がり帰る。
あ~、目ぇ回ったぁ。
急いで起き上がった主はすぐに俺を抱きかかえ、洞窟へ向き直り全身で叫んだ。
「あ、兄貴ぃ!」
しかし返ってくるのは反芻する主の声だけ。
・・・ん?あれ?日本語?
そんな俺の疑問も背後からの咆哮にかき消されてしまう。
「な、グレートベア!?ついてない!」
そこには3メートルは超えるだろう、大きな熊が仁王立ちしていた。