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握りしめる  作者: 夢来鳥
1/1

写るもの

情景を思い浮かべて読んでもらえると嬉しいです。


「おはよう。」


今日も眩しい笑顔で先輩は私に挨拶をしてくれた。


「お、おはよう…ございます!!」

「うん、おはよう。」


私をみてクスッと笑う。また私は何かおかしなことをしたのかな?そんなことを思いながら先輩を見送った。


私は写真部に入っていて、毎日放課後写真を撮っている。ある日陸上部の写真を撮っていたとき私は目を奪われたのだ。


「はぁ、はぁ…また負けた…抬志(たいし)早すぎ。」

「…ほんとっ…お前短距離嫌いだな…。」


息を切らせた先輩が私のレンズに写ると私はすかさず撮り始める。そんな私を見てたまに微笑んでくれるのだ。


「またあの子きてるんだ。」

「あぁ。」

「なに笑ってんだよ。キモいって。」

「だってせっかく撮ってくれてるんだったらいいとこ撮ってもらわなきゃね。」


先輩と誰かが何か話をしている。どうせ聞こえはしないのでお構い無しに写真を撮る。また時間を忘れとっくに部活終了の時間を過ぎていた。


「ありがとうございました!」


と慌てて私はグラウンドに頭を下げ部室に向かった。



「すみません!」


部室に着くとまた頭を下げた。


「いいよー。みんな帰ったからそこの予定表もって帰っていいよ。」


部長がまだ残っていてくれた。


「ありがとうございます!お疲れ様でした。」

「お疲れ。」


また部長も学校一の美人なのでこの『お疲れ』のとき部長は天使の笑顔へと変わるのだ。疲れが全て取れていく。


「はあ…。」


少しにやけながら私は昇降口へ向かう。


「こんにちは。」


靴箱の前で少しぼーっとしていたら後ろから声が聞こえた。


「こっこんにちは!」


急いで振り返ると先輩がいた。


「今日も来てくれてありがとね。」

「いえ、写真部ですので。」

「そっか、また頑張るからかっこよくとってね。」

「はい!また撮ります!」

「じゃあね。」

「はい!お疲れ様です。」


部活終わりだろうか滴る汗がまた素敵で。いつの間にこんなに変態になったのか。そんなことを考えながら外へ出た。すると…


「どーも!」


なんとなく見たことのある男の人が目の前に立っていた。


「どーも…。」

「抬志のこといつも撮ってる子だよね?」

「抬…志?」

「え?違うの?あの、陸上部の…あれ?見間違い?」

「あっ、先輩の!」

「あってる?よかったぁ!じゃあまたね。」


そう言って男の人はどこかえへ消えていった。そうか、先輩の名前『抬志』っていうのか。なぜ知ろうとしなかったのだろうと私は反省した。


「抬志…先輩…。」


知れたことに喜びを感じながらも呟いた自分に照れてしまった。そんな気持ちとともに家へと向かったのだった。


やはりこんな運命的な恋は素敵ですね。

閲覧ありがとうございます!!

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