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海賊少女  作者: 夏
嵐は序章
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ドルン教官の訓練日誌

ちょっとだけドルン教官目線で書いてみました

あおあおとした木々や、大きな赤い花など、様々な植物が生い茂るジャングルに、サル…いや少年の元気な声が響き渡る。


「いやっほーーーーーい!!!」

木の間から垂れ下がったツタにぶら下がりながら、霧の中のジャングルを行ったりきたりするのはリンヤだ。濃いミルク色の霧に包まれたジャングルは幻想的でとてもきれいだが、辺りに響くサル…いやリンヤの声で台無しだ。


「おーーーーーーい!!リンヤーーーー!!!そろそろ訓練だぞーー!!!おりてこーーーーーーーーい!!!」

そこにさらに大人の男の声が響く。もう、風景台無しじゃん


「はあああああーーーーーーい!!!!」


無駄にでかい声量で返事を返しながら(またしても風景台無し)ツタにつかまり男――――――鬼教官、もといドルン教官の元にドスンと着地した。ドルン教官は、クルリと振り返り、他の訓練生達に向き直った。

キルア、ポポ、ティカ、カイ、リンヤの順に並んでいる。カイのキャスケットからのぞく赤茶色の髪が元気よくはねているが、気にしないことにし、ドルンは訓練を開始する。今日の訓練メニューは体力づくりと狙撃だ。

ドルンは今までつけていた成績記録をパラパラとめくった。


ドルンの担当する訓練生五人は、得意な事こそバラバラだが、その得意な事に関してはものすごい、と思っている。(親バカならぬ教官バカ)

キルアは、剣に関しては点で駄目だが銃火器に関しては、知識も扱いもピカイチだ。彼女の姉であるリーアもそうだった。

ポポは運動能力が乏しく、体力も無いし臆病だが、いざと言う時にはものすごい行動力を発揮する。座学、何より薬学の知識はアルメリアも認める程だ。将来優秀な船医になるだろう。

リンヤは逆に、座学が駄目で喧嘩っ早く血の気が多い。しかし、運動能力には目をみはるものがある。

カイは臆病で繊細だが、岩さえ持ち上げる怪力だ。小柄なのにどこにそんな力を持っているのだとおもう。

そしてティカ――――

視線を上げ、草の生えていないだだっ広い空き地をランニングするティカの姿を見る。もう何週も走っているのに顔色ひとつ変えず走っている。


ティカは全ての科目をそつなくこなし、運動、座学の成績を見てもなんの欠点も無い―――――気持ち悪いほど完璧だった。彼女の兄、ジルヴァもそうだった。

一度だけ、剣の訓練のとき、不意打ちに対する訓練をした。そのとき、ティカ以外の生徒は対抗できなかった。しかしティカは違った。ティカが、食堂から部屋に戻る時、扉の影から飛び出し、背後から刃を潰した剣で襲いかかった。

するとその瞬間、ティカが振り返り、ブーツの底で受け止めたのだ。そして次の瞬間、体を反転させ、回し蹴りをくりだした。そのとき感じたもの――――――――――

           殺気。

殺されると思った。思わず本気で投げ飛ばしてしまった。あの気の放ち方さえもジルヴァそっくりだった。


ぶるり。

あの時の殺気を思い出すと今でも震える。この子は未知数だ。このままこの力を伸ばせばセレスティン海賊団にとって、大きな戦力となるだろう。



首にかけたホイッスルをピィッと吹く。


「集合!狙撃の訓練だ!!!」







今日も一日、怪我無く訓練が終わりますように!






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