愉快な仲間達
無言のまま歩き続けるティカとロズ。二人とも自ら進んで喋るタイプではないので、何とも言えない沈黙が二人に広がっている。しかしその沈黙を破ったのはティカだった。
「捜索に協力してくれそうな奴はいるか?」
その言葉に、ロズは少し考えてから口を開く。
「あア、着いて来い。」
それだけ言うとロズはすたすたと歩き出した。ぶっきらぼうだが歩調はちゃんとティカに合わせている。なにかといい奴だ、ティカはそう思いながらロズの後を追った。
ロズはピタリとある部屋の前で足を止めた。小さな一人部屋だ。ロズはノックもせずにズンズン中に入っていく。いいのか?と咎めるような目を向けるティカに気付かないふりをしてふくらみのできたベットに歩みより、ベリッと布団を剥がした。
「さっ、サブッ!」
「さっさと起きやがれ」
いきなり暖かい布団を剥がされて悲鳴に近い声を上げたのはオレンジがかった短髪の少年リク。ロズと一緒に居るのを良く見る奴だ。そう思いながら寒そうに芋虫のように身を縮めるリクに憐れみの眼を向けた。
「んん?お主は・・・」
未だ眠そうな眼をやっとパッチリ見開いてようやくベッドから起き上がったリク。その大きな眼はティカに向けられている。
「ほう・・・ロズが・・へえ・・・」
意味深長な雰囲気でニヤニヤと笑みを漏らすリクの頭を軽くはたき、ロズはどっかりと近くに置かれた椅子に腰掛けた。
「んで?ワシの寝込みを襲うとは一体何の用じゃ?」
ゴキゴキと肩を回しながらリクは我が者顔で座るロズにぬーっと視線をやる。やはり布団でのひと時を邪魔された事を根に持っているらしい。
「ああ、うちの弟が行方不明になった。」
「ええええええええ!!!!???」
「えらくあっさり言い切ったな。」
明日の天気は雨だ、と他愛の無い会話をするような口調で良い放たれた言葉にリクが大きな眼を更に見開いて叫びまくる。ティカもこいつ大丈夫かよ、とでも言いたげな表情でドアの前に突っ立っている。
「いや・・・大変な状況なのにお主は何故冷静なのじゃ?」
困惑し、眉毛をハの字したリクの表情に笑いそうになりながらティカも気になる、とでも言いたげな表情でちらりとロズを盗み見る。ロズはそんな二人の様子を気にする事も無く、さらりと言い切った。
「混乱の余り頭が着いていってないだけだ。」




