青い空に白い綿菓子。
カモメが独特な声で鳴きながらマストの間をすいすい飛び回っている。
気持ちよい快晴。爽やかな風がすうっと辺りを走りぬけた。千切れた綿菓子の様な真っ白い雲がふわふわと空を泳ぐ。
この日、訓練生一同は停泊してあるセレスティン海賊団の船、メール・ヴァトー号からジャングルの中のテントまで、大量の書物を運ぶ手伝いをさせられていた。
船長のジルヴァが突然、書物を運び込んでほしいと頼んできたのだ。そこで、久しぶりの上陸で忙しくしている大人達ではなく、訓練があるだけで比較的暇な訓練生が選ばれた訳だ。大量の書物をジャングルと船の長い間運ぶのはトレーニングになると、ドルン教官の指揮の元、訓練という名目で行われている。薄汚れた本ばかりのため、皆ブラウスにズボンというシンプルな格好をしている。
ジルヴァの妹のティカは、「兄様は何を考えているんだ」とぼやいているが、真面目な彼女は黙々と待ちあげては運び出す、という作業をしている。
馬鹿力のカイはもとより、カイには劣るが十二分に馬鹿力なティカは大いに役立っていた。しかし、そこまで力の無いキルアやポポは悪戦苦闘し、薄い本を何冊か重ねて持っていくことにして作業を続けている。
一方のリンヤはというと・・・
「オイコラリンヤ。何サボってんだよ。」
「ひいっ・・・イヤイヤ!真面目にやってるよ!なあカイ!」
「うん・・・・・・多分」
ゴッ!!!
「ぎゃあああああああ!!!!!」
鈍い音と共にリンヤが悲鳴をあげる。ティカの拳骨を食らったらしい。
そんなリンヤを無視し、真面目に作業を進めているキルア。
「よっこいしょ、っと・・・・ん?」
大きな本の下にある薄い本を取ろうと大きい本を持ち上げた時、何かが本の間から滑り落ちた。
「何?これ?」
そっと摘みあげると黄ばんだ二つ折りにされた紙だと言うことが分かった。初めはボロボロに腐食した本からページが破れて落ちたのかと思ったが、どうやら違うらしい。この紙の方が微妙に新しい。
そっと開いてみる。薄くなったインクでなにやら文字や絵が描かれている。
「これ・・・・地図?」
よく分からないのでとりあえず近くにいたティカを手招きして呼び寄せる。ティカはなんだ?という顔をしながらもパタパタと駆け寄ってきた。
「どうした?」
ティカが首を傾げながらキルアの傍にしゃがんだ。
「これ、何だと思う?どっかの地図みたいなんだけど。」
キルアはそういって古地図をティカに差し出す。ティカは地図を破かないようにそっと受け取り、じっとみつめた。
「あっ」
暫く眺めてからティカが声を漏らした。
「どうしたの?!これ、何か知ってるの?」
少し興奮気味にキルアが尋ねる。ティカがすっと顔を上げた。目にかかる程長い真っ白な前髪がさらりと左右に揺れた
「これと同じ地図を兄様が持ってる」
全てを繋げる地図




