第三話 したくもなかった転生はそれほど悪くもなかった
というわけで、転生だ。
本当にふざけた話だ。
せっかくあの世でのんびりと2Dライフを楽しめると思ったのに。
だが、生まれ変わった以上仕方がない。
今度の人生は必ずまっとうしてやるぞ。
…………
…………
…………
…………でも、なんで俺、知識や情報が頭に残ってんだ?
普通、転生とかって、前世の記憶がないもんじゃ?
それどころか、これって…………。
頭の中に浮かんでくる、いや、胸や腹からこみ上げてくるこれって。
えーと?
うーん。
つまり…………。
ああ、なるほど。
これって、神とか言ってたやつの力か。
しがみついてたもんだから、無理矢理はがされた(つーか、デコピンで飛ばされた感じがしたな)時にちぎれた奴か。
神とかいうだけあって、切れ端でも相当な力だな。
おかげで前世の記憶とかがそのままなのか。
いや、それだけじゃねえな。
この力なら、総統強力な事ができるぞ。
って、生まれる時点でそれが使われたらしいな。
俺の転生先のこの家、この世界じゃかなり上流の地位らしい。
おまけに爺ちゃん婆ちゃんから両親、親戚一同まで、全部仲良しだわ。
おまけに資産家で政治的な影響力もある。
領民っていうのか?
下々からの信頼もあつい。
うわ、最高じゃん。
そしてこんな事が分かる能力。
すげーな、おい。
インターネットよりも誰かにつながってるぞ。
こっちが必要な時に必要な情報を全部検索可能だ。
こりゃ、神にさからって、わがまま言って正解だったな。
よーし、この力を使って、人生やり直してやるぞ。