表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

小説風会話劇「小さな温もり」

作者: 暇脳達弥

この会話はフィクションです。


ちいさなココロ。


とくとくとくとく


リズムを刻む。温もりの音。


生きている。


ちいさなココロの音楽は、


とくとくとくとく


時間を刻む。






「うふ、」

「…。」

「うふふふ、」

「……。」

「うふふふふ〜…」

「………。」




「かーわーいーいーーーーー♪♪♪♪♪」




「…うるさいぞ姉貴。」

「なによぉ、弟。文句あんの?」

「一体何時間そうやってる気だ?」

「気の済むまで♪」

「…その、気の済むのはいつだ。」

「未定♪」

「はぁ………。」

「うふふふふ〜♪♪♪」

「そんなに眺めてたいなら、ケージごと貸してやるから、自分の部屋につれてけば?」

「だめよっ!」

「なんで。」

「見知らぬ場所につれてったら、リュートちゃんが怖がるじゃない!」

「だからって、四六時中俺の部屋に押しかけられても困る。」

「いーじゃないのぉ。姉弟なんだから。」

「よくない。俺にもプライベートやプライバシーがある。」

「何よ。エロ本?」

「堂々と言うな。」

「いーわよそれくらい。エロ本やAVくらいでとやかく言う姉様じゃなくってよ。」

「違う。」

「なんなら今観てもいいわよ?」

「違うっての。」

「あ♪リュートちゃん食事タイム〜♪♪♪」

「…………はぁ………」




こりこりこりこりこりこり………




「えふふふ〜♪」

「…なんだその不気味な笑い方。」

「ウサギがペレットかじる音ってさぁ………癒されるわよねぇ…♪♪♪」

「まぁな。」

「小気味いいこのリズム………着メロにして聴いていたいわ♪」

「…ウサギ中毒だな、姉貴。」

「ん〜?ウサギ中毒?。失礼な。撤回しなさい。」

「だってめちゃくちゃはまってんじゃん。」

「私はウサギ中毒じゃなくて、小動物中毒よ!」

「…は?」

「愛らしいものは数知れず。ウサギのペレットをかじる音。猫の顔を洗う仕種。犬のフリフリ揺れるしっぽ。小鳥の頭かいてポーズ。ハムスターのほおぶくろパンパン状態…」

「次から次に出て来るな。」

「カエルのキョロキョロ動く瞳。金魚の優美な水中ターン。弟クンの寝顔。」

「……………は?」

「弟クンの振り向き顔。弟クンの風呂上がりの髪の毛。弟クンの」

「待て待て待て待て!」

「彼女とやり取りしてるメールの文章。」

「こらストーカー!」

「な!ストーカーとは何よ!」

「弟のメールを勝手に見るな!」

「大丈夫。彼女とのメールしか見てないから。」

「それが一番見られたくないんだよ!」

「仕方ないじゃない〜。愛らしい弟クンに何かあったら嫌だもん。」

「だもん、じゃない!そんなんだから未だに彼氏が出来ないんだぞ。」

「私には小動物がいるから大丈夫♪」

「…俺は小動物と同列か?」

「うん。」

「即答するな!」

「お?照れてんのか?」

「なんでそうなる。」

「照れるとは可愛いやつめ〜。心臓の音を聴いてやろう♪」

「なんでそうなる!」











とくとくとくとく


ココロは刻む


命の音を。


ヒトもウサギも


ココロは刻む


温もりの音を。


生きてる証。






とくとくとくとく






「…気が済んだか?」

「…うん。」

「ったく…心配し過ぎなんだよ。」

「うん…わかってる。」

「いい加減弟離れしないと、本当に彼氏出来ないぞ?」

「…うん。」

「もう無茶な運転はしない。もう事故らない。もう死にかけない。もう姉貴に心配かけない。もう姉貴を泣かせない。」

「………。」

「約束は守る。」

「………絶対、だからね。」





生きている限り


温もりの音は続いてく。


どんなに小さな温もりでも、


大切な、


ココロの温もり。




とくとくとくとく




今日も、


音は刻まれる。


ちょこっと、温かい気持ちになっていただければ、幸いですo(^-^)o。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ