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魔王と勇者に好かれたもの  作者: ヨベ キラセス
一章 平穏と日常に思い馳せたもの
22/25

嘘と誠の協奏曲 Ⅰ

『えーお集まりいただきました事、誠にありがとうございます!』


 開会宣言として理事長兼、表向き主催者のミサがマイクを通して話す。


『今回開催にあたり、まさかまさかの新進気鋭の雨城製薬、凰巻グループをはじめとした様々な出資、商店街、学生諸君の協力を経て今日、




【地域参加型ドッチボール大会】を開催できることを喜ばしく思いまーす!!』



「……なあ、今更だが何でドッチボールなんだ?」

 俺は隣のバカに向けると、そいつは誇らしげに言う。

「…この学校並びに地区はな、唯一【ドッチボール】の天才は存在しないんだわ」

「あーそう」

 要は【フェア】ってことだ。何たってこの学校は飛び抜け優秀な選手だって集うのだから。

 そして、ミサは目玉と言える【エキシビション】の説明を始めていた。


 その説明は、嘘を交えて。


『––––えー、それで、今回【エキシビション】といたしましてこの私、ミサの発明品各種を使った【何でもドッチボール】をいたします!そう、最初の一戦は魔法と見紛う不思議な体験となることでしょう! どうか皆様、楽しんでご歓談ください。』




 そう、これは『科学的証明ができるとんでも』であるという【前提】を植え付ける宣誓だ。正直ほんとーーーにやりたくないが、もう俺以外がやる気満々なため諦めただ同時に、唯一の条件を提示した。


 その条件が成立するとは、普通はないだろうが、


『なお、今回はあの【聖夜の魔法使い】のお兄ちゃん達も参加するから、さあ、ユウにぃからあの一言!』

 と、話しながらこちらに歩いてきたミサから手渡されるマイクに、苦々しい笑みを向け、受け取ってから一呼吸おき、



『……えー、誠遺憾ながら今回も暗躍させていただきました。もちろん今回も『タネも仕掛けもございます』、皆様ぜひ答えを探してみてください。』



 そう締めくくり拍手喝采の中マイクを返す俺を、俺を知る者たちはきっとこう思っただろう。


「(『詐欺師」)』


 と。

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