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「___さあユウマ、ワタシ達のチートバトルを始めようか!」
そう言って白い司祭服のヤツは歓喜の声と共に手を広げる。
曇り空、色を失った情景………そして目の前で崩れて泣く少女と横たわるもう一人の少女を見下ろす。
奴から目を逸らす事の危険などもう、どうでも良くなっていた。目的はすでに見失い始め、ただ、育ち続けていた【自滅願望】が本格的に表に出てきた。
目的、それはただ、『幼馴染の二人がいつか飽き飽きする日常を過ごせるように』、ただ、それだけのために全てを、彼女の敵になっても、果たすこと。
犠牲は抑えた。大きく尾を引く犠牲も背負った。
それでも目の前の男は、自身の娯楽のために、【異世界】すらゲーム感覚に、『真のチートとバトりたい』ためだけに引っ掻き回し、挙句………。
『もういいじゃん。場は準備したんだからさ。……物語の魔王と取り巻き程度が出張ってきたのが悪いじゃん? 君とワタシ、転移と転生、二つの最強チートバトルに水刺すから。…さあ、やろうよ!!』
『…うっせーよ、お前。もう………黙れよッ!!』
その戦いに、勝者はいない。




