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魔王と勇者に好かれたもの  作者: ヨベ キラセス
一章 平穏と日常に思い馳せたもの
19/25

間違った異能の遊戯譚 Ⅰ

「ちょ、それは卑怯でしょ!?」

「ハーッハハ! だーれがそれを証明する? 誰が止める? 少なくとも審判はモーマンタイって言ってるぜ!!」


 校舎にて多くのギャラリー、協賛の商店街の出店、その中心にて行われるバトルに巻き込まれた哀れな見せ物な羊達。

 その一人となってる一人の魔王はため息をつき、つぶやく。


「……大人気ないなー」



 _________________________________


「…ここで俺はまた、商店街を盛り上げる一大イベントを提案す!」


 ことの発端は、ここ数日で日常と化した喫茶カミキに集う悪友共との会話をぶち切って宣言した俺の一言から始まったと言ってもいいだろう。

「……アンタさー、話そらそうとしてるだけよね?」

「いいや違うね、俺はこの商店街を盛り上げる裏の統治者的立場からの意見を口にしただけさ」

 そう、決して不服そうな更織の、懐に手を突っ込んだところで嫌な予感がしたからではない。本当決して。

「いいか、『聖夜事変』の影響で商店街は活気を取り戻した。取り戻したが今は停滞気味だ!」

「『聖夜の魔法使い』でしょ?なによ事変って、カッコつけて。」

「シャララップ!」

「ラが多いわよ魔法使いさん?」

 この女、マジで俺が嫌いなのか、実は裏返しか? 悪いな俺はお前が苦手だ。

 そんなことより、俺はちょうど人数分盛り合わせのパンを持ってきた上木さんに視線を変えた。

「どうっすかリウさん、ここでまたイベントをやりましょうよ!」

「そうねー……って、クリスマスみたいなイベントなんて今ないからなー。」

 上木さんは腕を組んで思案する。彼女はしかし、この商店街を一番に愛す人としてどうにか昨年までの廃れかけの状況に戻したくないため苦悩してきた人でもある。乗りたい気持ちはあると思った。

 ただ何をすべきか、は現状何もないので困っていたが、そこで意外にも、定位置とかした俺の膝に座るミサが手を上げた。

「はいはーい! ここは学校関係でアクションを起こすべきだよ!」

「学校関係で?」

「そう! みんな知らないかもだけど、あの学校はミサの学校だから結構全国の金持ちから注目はされてるの。だから学校イベントは結構裏で著名な人来るんだよ!」

「…裏でって、それちょっと怖い方向性よね」

 上木は若干引いた目でミサを見るが、そこはミサというべきか鼻を鳴らして続ける。

「それに、【聖夜】の件で今年は裏表両サイドで生徒の数が増えたから、今こそ打って出るべきだよ!」

「あー、それは分かるかも。」

 と、それには更織も納得とばかりにミサ、マオ、ユウカをジトっと……俺を睨む。

 いやなんで俺だけ睨むんだよおい。

「だから、五月のスポーツ大会は大々的に打って出ようかと思ってるんだ! …というわけで上木殿、出店等の協賛はいかがだろうか?」

「ほう、それはいいねー。」

「……あなた最近ますますユウマみたくなってきたわね。」

 睨むな睨むな、俺そんな悪いこと……教えてないと思いたいなー。

 しかし悪巧みの笑みだったミサはすぐに苦悩の表情に変わった。

「…でもねー、あくまで今はまだ裏の方が比率高いんだー。やっぱりまだ知名度が足りないんだよねー。」

「…マオ、アンタなんとかできないの?」

 更織は最近は慣れたのか、普通の女子との会話をできるまでにはなった。そしてマオもなんだかんだ更織のことは嫌いではないので容認している。なんなら文坂と同じくらいに仲がいいと本人は思ってそうだ。

「えー、無理無理。ボクそういう難しいの考えられないよー。」

「学年次席が何いうんだか〜。」

 更織は呆れた声で椅子にのけぞった。

「…じゃあさ、スポ大(スポーツ大会)までに認知度を上げればいいんだよな」

「そんな簡単なわけないでしょー…」

「うん、そうな簡単じゃないよー」

 更織とミサは揃って否定した。流石に二人がそういうと少し無理があるかと思い始めた頃、そこにカランカラン、と客が来たことを晒せる鐘がなる。


「あ、ユウマにいちゃん!」


 その活気ある男児の声に、俺はドアの方を向く。そこには、見覚えのある子供が二人笑顔で駆け寄って来る姿が見えた。

「ユウマさん、お久しぶりです。」

 一人は女子『定乃さだめの 茅弧かやこ』は礼儀正しくお辞儀する。

「ユウマにいちゃん、『キリトン』って都市伝説知ってる?」

 と男子『定乃さだめの 現人ありと』は挨拶もなく自分の今の流行りを聞いてきた。

 ちなみにだが、この二人は双子だ。さらに言えばおそらくだがミサと同年代で、こちらは年相応の子供だ。

「…なんだその一人最強系主人公のような名前は?」

「いやいやにいちゃん」

 アリトは指を振り不敵の笑みを向ける。

「……ダンボールな方かもしれな」

 スコン、といい音をカヤコにたてられアリトは頭を抑えうずくまった。

「ちょ、せっかくの返しをお前!」

「…恥ずかしいよ私、こんなドヤ顔でバカ言う兄さんがいるの。」

 相変わらず仲がいい兄妹は、上木さんが用意してくれた椅子に座ると、少し見まわした後唐突にじーっとミサを見た。

「…なに?」

「……にいちゃんそいつなんなん?」

 アリトはミサを指差し俺に聞いてきた。

 しかし、それがミサの何かしらのプライドを傷つけたのか机に身を乗り出した。

「ちょ、ミサの! 華麗なる! 経歴を知らないって言うの!!」

「…なあにいちゃん、こいつアホなのか?」

 純粋か、アリトは考えることなく口にした。と、ミサはさらにムキになった。

「ミサは! あの天才少女『葉坂 ミサ』よ! ほら、ニュースとかでたまに見るでしょ?」

「あ、あー! 私見たことあるかもっ!」

 やばいと思ったのか、アワアワとしながらカヤコは相槌をうつ。だがそんな健気なフォローもアリトには無意味なことだ。

「いや知らねーし。ニュースよりアニメ見るわ。つーか有名人だとしてもなー。へー、ってなるだけだろ?」

 なんか共感できそうだが多方面を敵にまわしそうな言葉に、真っ先に敵に回ったミサが怒ったのは言うまでもないだろう。

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