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しばらくして、マオは名残惜しんではいたけど帰ってしまった。
下校のチャイムと共に、ユウマ達もいなくなった教室にポツンと立つミサは、校舎を見る。
町の方へと帰る学生の流れが、今日の終わりを告げるようで。
今まではそれに何か感じることはなかったはずなのに、先日の事を思うと初めて寂しさを感じてしまう。
『ゴシュジン オムカエ 二 アガリマシタ』
廊下からの声は、感情のこもらない、時間じかけの機械人形。
胴は丸く直径だけでミサより少し大きめに、手足は少しゴツめに、頭は取ってつけたように小さな球体の白いロボット。
「...こっちも学校の怪談にならないものかなー」
『シンレイゲンショウ トハ イタズラ サッカク ゲンカク 二ヨル』
「そんなのはいいから」
長ったらしいことを語りだす前に止める。そう、所詮作ったロボット、求めたのは最低限の常識と『力』のみ。
「『ガボ』、今残ってるタスクは?」
『...ハイ』
ミサは歩き、その後ろをついていくロボ。
ミサが信じるのは自分で作ったロボットや機械、AIのみ、だった。
2つの存在は、静かに夕暮れに溶けて消えていく。




