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「はぁぁぁぁぁじぃぃぃぃぃめエエエエエエエエエエ!!!」
次の日、昼休みが始まって15分後のことだった。
ちなみにだけど昼休みと昼食時間は別で用意しているため、昼食は取り終わっている。
昨夜の夕食からミサはユウマの料理をたかりに訪れ、呆れたユウマがしかし、ちゃっかりキャラ弁で用意していてくれて満足していた、のだが、昼食終わりごろにユウマを呼びに数名の男子が現れ、ノブキと二人で教室を後にしたためユウマの席で待っている。
だから唐突の怒声に若干飛び跳ねちゃったが、まさかのユウマが怒った顔で特務のハジメの席にズカズカと歩み寄り、ガン、と机を叩いた。
対してハジメは予想外の展開に目が点になっている。
「…な、なんだいヒラナゴ君? 俺、なんかしたかい? それともカスミがまた絡んできた?」
全くの心当たりない現状に彼はスマイルを崩さずに思い当たる数少ない可能性を模索している。
そういえば二人が出てった後カスミも出て行ったのを見たのであり得そうだったが、遅れて戻ってきたノブキが「バカ、やめろ!」と制しているあたりちょっと違いそうだった。
「……なぜだ?」
ユウマの形相に静寂が訪れる中、彼はその怒りの理由を口にした。
「なんでマオ絡みの妬みイベントを起こさないんだ!!」
「「『……はぁ??』」」
クラス内にいた人たち皆が「?」を浮かべる中、ノブキはあちゃー、と片手で顔を覆った。
「何故だ! さっきのやつらについて行ったら案の定あのバカの自称親衛隊だったんだが、そいつらから『ススノさんに近づくな!』とか言って妬かれるテンプレだったはずなのに次に出た言葉が『なぜススノさんの気持ちに答えないんだ』だってさ! ふざけんなよ俺がどんな気持ちで拳の語らいとか色々逆張りしてたのに応援されてんだよッ!! てかそう言うのスポーツ出来そうなイケメンとかがライバル宣言とかするだろてかハジメお前今からでボッ」
だんだんと早口になっていくユウマの背後から、これまた唐突に、それも様式美と言うべきかハリセン片手にカスミが呆れた顔でユウマをはたいた。
そして、いろいろな事がどうでも良くなってそうな脱力感で、
「……なんでこんな奴を警戒しちゃったんだろ」
と呟き頭を抱えたのだった。




