第2話 出会いと旅立ち、そして崇拝される俺(涙)
第2話です。
引き続き主人公視点で進みます。
前回のあらすじ!!ツンデレチョロ神様と出会い仲良くなる!なんか悪いヤツをぶっ殺◯為旅に出る!大量の化け物に囲まれる!←今ここ。
「ガァァ■ァ゙ァ゙■■!!!」
「え、いやちょっとやばくない!?」
「(あ、あ〜聞こえるか?相棒)」
「その声は!!チョロ神様!!!!」
「(チョロ神言うな!!)」
頭に直接響く声は、ついさっき仲良くなった相棒のチョロ神様!!やった!これで勝てる!!!
「HEY!!相棒!!こいつ等何!?なんで襲われてるの俺!?」
「(落ち着け相棒)」
「うん、落ち着いた」
「(相変わらずだな貴様、まぁよい、こやつ等は[アンノーン]人を殺す事だけに存在する化け物だ)」
「え、なにヤダ怖い」
「(案ずるな、こやつ等は[通常種]雑魚であるからして、怖がる必要はない、相棒の[異能力]で問題無く倒せるぞ?)」
「なんだ、雑魚なのか驚かせやがって!喰らえ、おりゃー!!!」
「「「「「「「「ギャアァ゙ァ゙■■■ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙!!!」」」」」」」」
俺が手をかざすと[アンノーン]達は断末魔を上げ爆発四散した。
「え、なにヤダ怖い」
「(相棒の[異能]とはつまり、余の権能だ。このくらいできて当然であるな)」
あ、またチョロ神様がドヤ顔してる、姿は見えずともわかる、絶対ドヤってる。
「しっかし、な〜んもないな、チュートリアルクリアしたんだから、最初の村ぐらいすぐ見つかってほしいもんだぜ」
「(すぐわかる場所にあれば、たちまち[アンノーン]に捕捉され全滅だろうな)」
悲しい現実である、ていうかそんなに人類追い込まれてるの?やばくない?マジで黒幕野郎なんとかしないとヤバいじゃん。
「で、南に向かえっていっても、何か目印みたいなの無いの?」
「(うむ、目的の村は山に囲まれた盆地にある、とりあえず南の方角にある、あの山を目指せ)」
漠然とした目標でもあるだけありがたい、マジで何もない荒野を歩くのはガチでだるい。
「そもそも、その村に何しに行くんだっけ?」
「(ノリと勢いで出発したものな、相棒)」
うるせいやい、テンション上がること言うチョロ神様が悪いんや、そうや相棒が悪いんや、確信。
「(余のせいにするでない)」
「心を読まれた!?」
「(【神】だからな)」
マジか!?【神】様やべぇな!!?ま、でも相棒になら見られてもいっか、どのみち一心同体で運命共同体だしな。
「(いや、あまり赤裸々でも、余、困っちゃう)」
チョロ神様最高!!チョロ神様最高!!チョロ神様最高!!チョロ神様最高!!チョロ神様最高!!チョロ神様最高!!やっぱチョロ神様は最高だぜ!!
「(チョロ神言うな!!さては、余をからかってるな相棒!!?)」
「いや、まごうことなき本音だが?」
「(ッ……////)」
相棒に関しては冗談は言えど、嘘はつかん!!
「(ぅ゙……もうよいもうよい!!村に行く目的だったな!?)」
「もう、照れなくてもいいのに~」
「(だったな!!?)」
「あ、はい」
調子乗ってイジっていたら、怒られちゃった、クスン。
「で、その村に何かあるわけ?」
「(単刀直入に言うと貴様の【心臓】があるな)」
「なんで最初の村にあるの!?そういうのってこう、冒険の果、ラストダンジョンの最奥とかにあるもんでしょ!?」
「(まぁ、ナマモノだからな)」
えぇ~そういう問題なの?俺の【心臓】ってもっと重要アイテムだと思ってたよ、自惚れかな?自惚れなのかな?うっわ、超恥ずかしい。
「(いや、かなり重要だぞ?前にも言ったが、【心臓】とは[異能力]の源だ、今のままでは弱すぎて話ならん)」
「マジで?さっき[異能力]使って、怪物達めっちゃぶっ殺◯たんだけど?」
ぶっちゃけ、俺つえぇー!!してました、ハイ。
「(貴様は仮にも真正の【神】たる、余の契約者、有象無象の[異能力者]とは隔絶しているのだ、あんなもので満足してもらっては困るぞ相棒)」
マジか〜、やべぇ〜な【神】の力、今更だけど俺なんかが扱っていいのかね?まぁ使うんだけど。
「まぁいいや!とりあえず方針も決まったことだし、始まりの村にレッツだゴー!!」
考えてみれば、人間に会うの初めてなんだよな、体感的に、やっべ緊張してきた、困惑。
「(相棒、少し不味い事態になってるかもしれん、急いで向かったほうがいい)」
「ん?どうしたんだよ相棒、何かあったの?」
急遽発せられた相棒の警告に動揺するのもつかの間、チョロ神様の神託が続く。
「(うむ、目的地の村に向かって、数百の[アンノーン]が爆走しておる)」
「うっわ、やっべぇじゃん!村がピンチ!俺の【心臓】も超ピンチ!!」
え、え?【心臓】やられたら、俺死んじゃうじゃんよ、それともチョロ神様がいるから大丈夫??混乱。
「(むむむ、もし相棒の【心臓】が[変異種]にでも取り込まれた場合、[王種]の誕生もあり得るな、もしや彼奴の狙いはそれか?)」
「とにかくやべぇよ、今から全力ダッシュしても間に合わないだろこれ!!」
冒険が始まる前に終わってしまうよ、やだ〜。
「(安心しろ相棒、手はある)」
「マジかよ、うちの相棒が頼りになりすぎて、ビビるんだが…」
「(ふふん、褒めても良いのだぞ?)」
うちの神様は世界一ぃぃぃ!!!!いっよ!全知全能とはまさにこのこと!!他の有象無象の神々なんぞとは格が違うんだよな〜、やっぱ時代は蝙蝠一択しょ!!
「(もうよい、もうよい!!わかったから!!間に合う方法だったな!?)」
「えぇ~、まだ褒めたりない!!」
「(だったな!!?)」
「あ、ハイ」
褒めろと言ったから褒めたのに、怒られちゃったでござる、ナゼダ、ゲセヌ。
「(『異界接続』で相棒の身体に余の神体を降ろす、それで全て解決よ)」
「よっしゃ、早速やんべ!!」
「(相変わらず躊躇がないな相棒)」
うおー!!ぬー!!ほー!!アレ?出来ないよ!?なんで!?あ、やり方知らなかったわ、俺。
「で、どうやんの?」
「(余の名を呼べ、余と貴様ならそれで出来る、詠唱破棄では十全に力は奮えぬが、今は緊急事態だやむを得ん、ゆくぞ!!)」
「応!!」
「「(『異界接続』〈カマソッツ〉!!!!)」」
直後、全身が黒い霧に包まれる、身体が肥大化し、身長は3メートルを有に超え、肌は薄黒く変色する、1メートル以上伸びた両腕からは蝙蝠の翼が生え、耳は大きく円状に形を変えた、背からは黒い後光が差し、その姿はまさしく異界の【神】そのものだった。
「うぉ~!!なんじゃこりゃ〜!?俺、変身したんだけど!!?」
「(余の神体を貴様に降ろし、人の形に当てはめた、本来ならば、余の神体そのものを顕現させるところだが、それでは相棒の身体が持たないからな、少々アレンジを加えさせてもらった、気に入ってもらえたかな?)」
ふ、チョロ神様の神センス、人間では発想出来ない独特の表現、ってかまんま蝙蝠人間やん、こんなの、こんなの。
「クッソかっけぇー!!!ヒッャフゥー!!テンション上がるぅー!!最高だぜ相棒!!」
「(そうだろ、そうだろ、これは?余も?中々の?出来だと?思う訳よ、ふふん)」
守りたい、この笑顔、もうこれでもかと言う勢いでドヤってます、チョロ神様、ドヤってます、最高です、本当、ありがとうございます。
(悔しい、恐ろしい、助けて、助けて、助けて!!【神】様!!!)
「!?」
チョロ神様に感謝の念を送っていると、突然、遥か数十キロ先から、少女の助けを求める声が確かに聞こえた。
「おう!!待ってろよ、《すぐ》行く!!」
瞬間、ソラの姿が消えた、その場にソニックブームが巻き起こり、遥か遠方から物体が音速を超えたさいに生じる爆音が響き渡る。
「見えた!第一村人発ッ見!!」
燃え盛る村の少し外れた山の斜面、今まさに[アンノーン]に襲われている少女の姿があった。
「悪・即・斬!!!!」
[アンノーン]を真っ二つにし、その場に降り立つ、そこには真っ白な髪をした美少女がいた。
トゥンク、あれ?もしかして来ちゃた?俺の青春!!!?
「(無事か?)」
緊張したのか、自分でも驚く程低い声が出た、まるで相棒が変わりに喋ったのかと、一瞬錯覚した程である。
「(女子相手にどもるとか思春期か)」
(そうだよ!!思春期真っ盛りだよ!!)
「神……さま?」
おや?なんだか思ってた反応と違うぞ?もっとこう、ステキ抱いて!ってなるんじゃない普通。
「(相棒、相棒、今の自分の姿思い出して)」
(あ、そうだよ今俺の姿、めっちゃ神様じゃん!?)
白髪美少女の俺を見る目が、完全に自分の信じる神様に向ける宗教家のそれなんよ、え、マジで?そんなん望んで無いんだけど!?
ここまで読んでくれて、ありがとうございます。
第3話に続きます、次話もよろしくお願いします。