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楽園の鼠  作者: 金林檎
第1章 蝙蝠神の契約者
19/22

第17話 【楽園】への『選別』

ブックマークとポイントが増えてる!!ありがとう御座います!とても嬉しいです!是非最後まで楽しんでいただいたら幸いです!


第17話です。

主人公視点で始まります。

 前回のあらすじ!無事眷属となった葵ちゃんの協力で『シンシア』の住民を解放する事に成功した!まぁ原因も葵ちゃんなのだが、ゲフンゲフン、えっとそうそう、そんで黒幕野郎の情報を握っているであろう葵ちゃんを味方につけた事により、この都市に来た当初の目的は完了した!と思いきや相棒がなんだが物騒な事を言い出して、どうやらまだ面倒事は続きそうな予感!!←今ここ


 「(相棒このままだと鉢合うぞ、どうする?とりあえず潰しておくか、それとも一旦引いて様子見か)」


 え?もう来るの?マジかよどうすんべ、う〜ん、まぁとりあえずやっちゃう?


「ッ!?ソラ様!何か邪悪な気配が近づいています!!」

「ソラ兄!ヤバいよ!この感じはウチ等と同じ!!」


 シズクちゃんと葵ちゃんも気付いたようだ、って言うか気付いてないの俺だけ?なんかショックなんだけど、俺も〝む!この気配は!〟って言ってみたいんだけど!


「(まぁ今の相棒は[異能力者]の要たる【心臓】が無いのだ、神秘の要所である第六感が働かないのも無理はあるまい、その分余が居るのだ問題あるまい?)」


 だな!!俺には完璧で究極のアイド、ゲフンゲフン、神様が付いているんだ!なんも問題は無いぜ!!


「(むむ、そう面と向かって言われるとむず痒いぞ相棒、む!そんな事を言っている場合では無いな来るぞ!)」


 ポツポツと何か生暖かい物が降って来た、雨かな?


「ソラ様!!失礼いたします!!」


 いつの間にかガングロモードになっていたシズクちゃんが俺に抱き着き自らの翼を大きく広げまるで傘をさす様に俺の真上に展開する、それと同時にザァァァ!と大量の液体が降り注いだ、だがこれは雨なんかじゃ無い、この真っ赤な、いや少し黒ずんだ液体は、間違いなく生物の血液だった。


「ギャァァァ!?なんじゃこりゃあ!?え!?え?マジなんなのよ!?」


 突然降って来た血の雨に思わず悲鳴をあげてしまった!しかもシズクちゃんに庇われる始末!は、恥ずかしい!


「ご無事ですかソラ様?…………何奴か!!至高の御身に対し血を浴びせるなど余りにもに無礼な!!姿を現せ!外道!!」


 キュン、あらやだシズクちゃん格好いい!素敵抱いて!あたいの心は貴女の物よ!!


「あらあら、仮にも『聖王国』の王族があまりへり下る態度はよろしく無くてよNo.08?」


 ソレは血の雨に濡れた地面を、まるで散歩をするかの様に悠然と歩いて来た。


「おめでとう残念でしたさようなら」


 片手に持った首の無い死体を無造作に放り投げ、軽く視線を向け何かを一言呟くと、それで興味が無くなったのか此方の方に意識が向いた様だ。


「お久しぶりですわね葵さん?わたくしまた貴女に会えてとても嬉しですわ」

「…………ウチは会いたく無かったよ、イカレ女」

「あらあら?悲しいですわ、嘆かわしいですわ、こんなにも貴女の事を思っていたのに、わたくし貴女の『神隠し』に取り込んで貰う為にわざわざこんな無粋な場所に足を運んだんですのよ?ええ!ええ!!まさしくあれこそが【楽園】の最適解!!ありとあらゆる全ての人々がひとつになる素晴らしい理想郷!!取り込まれた後に味わう絶対的な幸福感!!あれぞ真の【楽園】の在り方ですわ!!」

「ゲッ!貴女まさか『チャイルドエラー』に!?」

「ええ!ええ!!素晴らしい体験でしたわ!!個人的にはあのまま世界を飲み込んでくれれば良かったと思っていましたのに、とっても残念ですわ」


 葵ちゃんと知り合いって事はまた黒幕野郎案件か?いい加減しつこいな、なんか疲れてきたよホント。


「残念、残念です、本当に残念ですわ、本当はわたくしのプランはしたくありませんでしたのよ?でも葵さんが失敗してしまった以上、わたくしのプランが最適解、であるのなら!!わたくしはやらねばならないのです!!理想の【楽園】を!!正しい世界を!!取り戻さなければぁぁ!!ならないのですわ!!」

「ハイハイ勝手に盛り上がってるとこ御免なさいね?別にどうでもいいからウチ等の関係の無い所でやってくれない?マジ迷惑なんだけど、あ〜あこんなに散らかしちゃつて、ウチ等今疲れてるの、分かる?いい加減にしないとさぁ、潰すよ?」

「うふふ、駄目ですわ、駄目ですの、駄目なんですのよ、ねぇ葵さん?今からでも遅くはないですの、貴女の『神隠し』での全人類同化による【楽園】の構築!ええ!ええ!!わたくしも全面的に協力しますの!!大丈夫ですわ!『お父様』も貴女が自主的に〝ユニバース25〟の完遂を意力的に目指せばきっと許してくれますわ!!」

「だ〜か〜ら〜さ〜!ウチ等を巻き込むなって言ってるの!!勝手に一人でヤれよそんな事!!ウチはもう『お父様』は見限っているんだ!誰が好き好んで自分に呪をかけた奴の所に居たがるんだよ!【楽園】なんてどうでもいい!家族が居ればそれでいいんだよウチは!!他の事なんて知るものか!!」

「あぁ、No.07とNo.08が原因ですのね?あの子達は既に『お父様』に『選別』されたではありませんか、そんな役立たずの事など忘れてしまえばいいんですのに」

「……………………ああそうか、死にたいんだなお前」


 一触触発の空気が流れる、葵ちゃんの殺気が膨れ上がり、今にも襲いかかりそうだ、って言うかさっきから俺達蚊帳の外だなおい。


「先ほどからゴチャゴチャと、我が主を無視して話を進めるとはなんたる不敬か、ねぇ葵さん?」

「ひゃい!」

「貴女ソラ様の眷属としての自覚が足りないのでは無いのでは?これは少しお仕置きが必要のがあるようですね?」

「ご、ごめんなさい、シズク姉」

「あらあら、わたくしと葵さんの交流を邪魔しないで下さいな、些か無粋ではなくて?No.08」

「黙れ無礼者、僕は今葵さんと話しているの、貴女の相手はその後にします、そこで静かに待ってなさい!」


 おお!この空気をシズクちゃんがぶった切った!流石俺のシズクちゃん!誰にも出来ない事を平気でやってのける!そこに痺れる憧れるぅぅ!!


「あらあらうふふ、随分と口が達者になりましたわね?No.08、『お父様』対し『聖王国』の王族が差し出した生け贄の分際で、わたくし貴女の様な自己の在り方を他人に委ねる人間が大嫌いですの、そんなにNo.07がよいのですか?【神】の器の欠陥品が?」


「「殺すぞお前」」


 わ〜お!火に油を注ぐスタイル!女性の喧嘩ってなんでこんなに迫力があるのだろうか?でもそろそろツッコミ入れたほうがいいよな?


「で?そもそもあんた何処のどなたですか?」


 俺が質問をすると謎の女は不思議そうにこちらに振り向きしばらく考え込むと、納得した顔になり何度か頷いた。


「あぁ、貴方は記憶が、であるのなら今回はわたくしが失礼でしたわね、では改めて自己紹介を」


 右腕を胸に左腕を遂平に上げ、直立した姿勢から勢いよく腰を深々と曲げる。


「わたくし楽園計画〝ユニバース25〟被検体No.03、人類の『選別』をもって【楽園】を築きし者、アカベル・アリア・サンソンと申します」


 ゆっくりと顔のみを上げ、薄っすらと微笑んだ。


「刹那のようなあいだではありますが、末永く仲良くしてくださいね?出来損ないの後輩の皆様」


「死ね」


 その微笑んだ顔目掛けてガングロモードのシズクちゃんが飛び膝蹴り体勢で突っ込んだ、う〜んバイオレンス。


「あらあら!仮にも王族がなんてはしたないのでしょう!いけません!いけませんわ!貴女はまだ自分は大丈夫だなんてお思いで!?あまりにも浅はか!あまりにも愚鈍!あぁぁ!『選別』を!『選別』しなければ!!美しき理想郷に貴女の様な野蛮人はいりませんの!!」

「ッ!!?」


 アカベルの影から無数の黒い腕が伸びて、シズクちゃんの蹴りを防ぎ、そのまま足を掴んで拘束しようとする。


「はっあ!!」


 自らを掴みにかかる黒い腕をシズクちゃんは鋭い翼で引き裂き拘束を振り切った。


「傲慢な者に『選別』を!怠惰な者に『選別』を!強欲な者に『選別』を!他の者を羨む者に『選別』を!理不尽な憤怒を撒き散らす者に『選別』を!劣情のもとに辱める者に『選別』を!己を抑制出来ぬ者に『選別』を!!『選別』し!『選別』し!『選別』し!『選別』しぃぃ!!理想郷に相応しい正しき者で作るのです!!ああ!!『選別』の先に必ずや【楽園】は生まれるのですわ!!」


 シズクちゃんが振り切った無数の黒い腕が俺達だけでなく、周囲一帯に拡散し始める。


「おめでとうぅ!おめでとうぅぅ!!おめでとうぅぅぅ!!!皆様の尊い犠牲のもとにぃぃ!!必ずや【楽園】の扉が開かれますの!!」


 周囲に拡散した黒い腕が次々と建物の中に伸びていき、中に居た人々を引きずり出す。 


「キャァァァ!!」「イヤァァァ!!」「な、なんなんだぁぁ!!?」「た、助けてぇぇ!!!」「ヤダヤダヤダァァァ!!」


 黒い腕が身体に巻き付き身動きを止めると、一人一人の背後にギロチンの刃が出現し、身動きを止められた者の首目掛けて振り下ろされた。


「おめでとうぅぅ!残念でしたぁぁ!さようならぁぁぁぁ!!!」


 捕まっていた十数名の人達の首が一斉に跳ね飛ばされた、頭を失った首の断面から大量の血液が噴水のように吹き出し、辺り一面に血の雨が降り注いぐ。


「イヤァァ!?またかよも〜!!」

「ソラ様!!」


 シズクちゃんは再度翼を傘のように展開し俺が濡れないように守ってくれた。


「お怪我はありませんかソラ様?」

「ありがとうシズクちゃん!大好き!!」

「ふぁ!!?」


 あれ?俺勢いでなんか変なこと言ったかかな?まぁいいや!いや〜シズクちゃんのおかげで助かったぜ!


「だ、だだだ、だいす!?」

「ん?シズクちゃんどったの?」

「いいい、いえ、何でもありましぇん」


 やっぱ血の雨はキツイよな〜、シズクちゃん大丈夫かな?


「んにゃろう〜許せね〜ぜ!あんまグロ映像流すんじゃね〜よ!こっちはグロ耐性高くね〜んだよ!!うっぷ」

「そ、そうですね!許せませんよねソラ様!!」


 フッフッフ!!もう容赦しない!本気出しちゃうぜ!なぁ相棒!うっぷ。


「(おい大丈夫か相棒?なんなら代わってやっても良いぞ?)」


 へっ!大丈夫に決まっているだろう?余裕のよっちゃんだぜ!うっぷ。


「(お、おう、まぁ頑張れ)」


 応援ありがとう!よっしゃ!やったるで!!うっぷ。


「おう!おう!おう!蛮行はその辺にしてもらおうか!アカベルさんよぉ!!人の血って中々消えないんだぞ!!清掃する人の身にもなってみろよな!またっく非常識な!人の命を何だと思ってやがる!えっと、あ〜あれだ!人の命は、え〜凄い、あ〜尊い?んだぞ!!オラ!俺が相手だかかってこいやぁぁ!!」

「あぁ!あぁ!!おめでとうぅ!おめでとうぅぅ!!おめでとうぅぅぅ!!!No.07!今こそ『選別』の時ぃ!!『選別』を!『選別』を!『選別』をぉ゙ぉぉぉぉ!!!」


 無数の黒い腕が俺目掛けて次々と伸びてくるが、俺は踊るように華麗に回避、はっはっはっ!!遅い!遅い!!


「貴方はぁぁ!わたくしの『選別』する【楽園】に相応しくありませんのぉぉ!!無意味に!無造作に!無作為に!!わたくしがぁぁ『選別』してあげますわぁぁぁ!!!!」

「おいおい!!つれねぇな先輩!!もっと本気で来いよ!!このままじゃ〜いつまでたっても俺は『選別』ぅぅ?出来ないぜ!?」

「なんとも生意気な!!ええ!ええ!!良いでしょう!腐っても楽園計画の被検体!わたくしが直接その首を落としてさしあげますわ!『異界接続』!!!」

「ほい隙あり」

「ナイス!ソラ兄!!」


 神秘の力を集約し、今まさに異界の怪物が成り代わろうした瞬間、誰かに腕を掴まれた。


「…………は?」

「お姉さんお姉さん私達と一緒に遊びましょう?」

「「「「死ぬまで一緒に遊びましょう?」」」」


 予兆も無く現れた4人の子供がアカベルに纏わりついた。


「なっ!?」

「『異界顕現』〈童子遊戯場神隠し〉」


 葵を中心に世界が書き変わる、周りは遊具が複数設置された公園へと変わり、子供達の笑い声が楽しそうに木霊した。


「ようこそウチ達の遊び場へ、さぁ、こっからはウチ等との一緒に遊ぼうか?大丈夫よ絶対に退屈させないから」


 鉄棒に腰掛けた葵がアカベルに話しかける。


「あぁ!あぁ!!素晴らしい!素晴らしいですわ!!ええ!ええ!!いいですとも!いいですとも!!わたくしの『選別』にぃ!!貴女ならきっと!きっとぉぉ!!乗り越えてくれるはずですわ!!だって貴女は楽園計画で唯一わたくしのプランよりも優れているのですから!!」


 歓喜の声を上げるアカベルにうんざりとした顔で葵は内心語りかけたのを後悔した、カッコつける事無く奇襲でもしてさっさと息の根止めれば良かったと。

 

「はぁ、まぁウチも人の事あんま言えないけどさ、もう少し言葉のキャッチボールしようよ、コミ症か?あ、待ってやっば今の無しで、お前みたいなイカレ女とは話したくないや、まっウチがソラ兄の眷属になってからの初陣だし、精々ド派手にやられて、ウチのポイント稼ぎに付き合っててよ先輩」

「…………眷属?」


 信じられないと言うようにアカベルは聞き返す。


「葵さん貴女まさかNo.07と契約を?」

「それがどうしたよ?最っ高っだろう?祝ってくれよ!おめでとうってさ!!」

「なんて愚かな!!〝ユニバース25〟で、わたくしが唯一認めた程の人材が!よりにもよってあの出来損ないと主従契約を!?愚か!あぁ!なんて愚かなことをしたのですの!?残念です、あぁ残念ですわ、貴女がそこまでお馬鹿さんだなんて、わたくしとても残念ですの、もういいですわ、もう貴女には期待しない!わたくしが!わたくしがぁぁ!!楽園計画の遂行をぉぉ!!【楽園】を必ずや実現させますの!!」

「ソラ兄を侮辱したな!?ウチの家族を一度ならず二度までも!!ぶっ殺す!!」

「ええ!ええ!!『選別』のお時間ですわ!!優れた能力がありながら、それを活かさない怠惰!劣った異性に対する色欲!謂れのない理不尽な憤怒!そしてこのわたくしを前にしてのその傲慢!!あぁ!あぁ!!『選別』を!『選別』し!『選別』する!!おめでとうぅ!残念でしたぁぁ!!さようならぁぁぁ!!!」


 アカベルが黒い腕を無数に伸ばし、公園に居る全ての『チャイルドエラー』を捕らえようとする。


「キャー!!」

「アハハハ、鬼ごっこ?鬼ごっこ?」

「楽しんいね!楽しいね!!」

「「「「鬼さんこちら手の鳴る方へ!!」」」」


 一斉に襲いかかる黒い腕を『チャイルドエラー』は嬉々として躱していくが、何人かは捕まってしまった。


「ええ!ええ!!分かっていますわ!分かっていますの!!『チャイルドエラー』を全て潰さなくては本体である葵さんには手出し出来ない!殺傷能力がない代わりにこの異界のルールを強制するのでしょう!?此方がやられれば『チャイルドエラー』の仲間入り!とても素敵な能力ですわ!もはやこれは権能にも比肩しますの!!ですが!ですがですがですがぁぁ!!攻略自体は実にシンプル!!『チャイルドエラー』を残らず叩き潰せばいいんですの!!」


 捕まえた『チャイルドエラー』の首に次々とギロチンの刃が落ちる。


「ギャァァァ!?」「ガァァァ!?」「イヤァァ!!」

「ヒィィィ!?」「キャァァァ!!」「キャァァァ!」


「おめでとう残念でしたさようなら」


 ギロチンにり切り飛ばされた無数の首から大量の血が吹き出し血の雨が降り注いだ。


「アハハハ!!あっけない!ええ!ええ!!余りにあっけないですわ!!」


 血の雨の中高笑いするアカベルに地面に落ちた頭が一斉に振り向いた。


「ペナルティ」「ペナルティ」「ペナルティ」「ペナルティ」「ペナルティ」「ペナルティ」「ペナルティ」「ペナルティ」「ペナルティ」「ペナルティ」「ペナルティ」「ペナルティ」「ペナルティ」「ペナルティ」「ペナルティ」「ペナルティ」「ペナルティ」「ペナルティ」「ペナルティ」「ペナルティ」「ペナルティ」「ペナルティ」「ペナルティ」「ペナルティ」


 異界内のルールを破った為アカベルの四肢の動きが止まる。


「あぁ!あぁ!!ルール違反のペナルティ!!それが何か!?無意味!無化価値!!わたくしに対しあまりに無力ですわ!!だってわたくしの腕はこんなにもいっぱい!いっぱいあるのですもの!!」


 無数に伸びた黒い腕が次々と停止していくが、その都度に新たなな腕が生えてくる。


「おめでとうぅ!おめでとうぅぅ!!おめでとうぅぅぅ!!!」


 全ての『チャイルドエラー』の首を切り飛ばし、残るは葵葵ただ一人。


「あぁ!あぁ!!残念!実に残念!!れで貴女を守る存在は居なくなりましたわね!?なんて!なんて可哀想なのでしょうか!!さぁ!さぁ!!今こそ『選別』の時ですわ!!おめでとう残念でしたさようならぁぁ!!!」

「ん?そうだね?そろそろお別れだ、別に残念でも何でもないけど」


 黒い腕が葵を捕まえようと彼女目掛けて伸びていく、その首を跳ね飛ばし『選別』を完了する為に。


「はぁ?」


 首が落ちた、理由もわからず自分の首の無い身体を見つめたまま彼女は絶命した。


「おめでとう残念でしたさようなら、でしたか」

「ナイススイング!やったねシズク姉!イエ〜イ!!」

「葵さんも陽動ご苦労さまでした、ソラ様にもいい報告ができそうです」


 『チャイルドエラー』が全て消された影響で『異界顕現』が解除された瞬間、シズクが鋭い刃とかした自らの翼でアカベルの首を切り取った。


「2人ともお疲れさん!その様子だと上手くいったみたいだね?うんうん、良かった良かった」


 葵ちゃんの『異界顕現』が解除したのを見計らって俺は2人を出迎えた、相棒が〝今回は2人に任せてみよ〟って言うもんだからやらせたけど、どうやら上手くいったようだ。


「ただいまソラ兄!上手く殺ったぜ!ブイ!!」

「ソラ様、無事御敵を始末して参りました」


 どことなく2人共誇らしげだ、フッフッフ!これは俺も乗らねばな!!今回俺あんま役に立って無かったし。


「うむ!2人共大義だった!!」


 なんちゃって!テヘペロ!


「「はっ!!」」


 2人も片膝をついて頭を垂れる、うっわ!?2人共のりいいなおい!!まぁともかく。


「これで今度こそ一件落着だな!」

「(だといいのだがな)」


 なんだよ相棒、不吉な事言うなよな。


「よ〜し宿探すべ!」

「そうですね」

「あ!それならウチ分かるよ!こっちこっち!」


 こうして俺達の激動の一日が幕を閉じた。





            ◆







 とあるビルの一室にて椅子に腰掛けた女性が目を覚ました。


「あらあら、まぁまぁ、わたくし死んでしまったのですわね?おかしいですわ、確かに葵さんはとても優れていますが、こと戦闘に関してはわたくしに分があったと思いましたのにどうしてでしょうか?」


 そこには先程シズク達に殺されたはずのアカベルの姿があった、アカベルはその場で背伸びをし、軽くストレッチをする。


「ん〜ん!この身体を使うのは久しぶりですの、まさかわたくしが殺されるとは、いったい何十年ぶりでしょうか、まぁいいですわ、葵さんは後回しにいたしましょう、先に取るに足らない有象無象を『選別』いたしましょうか、次は少し慎重にいきますわ」


 ビルの窓から都市を見下ろし、アカベルは薄く微笑む。


「おめでとう残念でしたさようなら」


 【楽園】への『選別』は終わらない。



ここまで読んでくれてありがとうございます。

次は第18話です、次回も宜しくお願いします。

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