第14話 関係の無い話だが、飼い猫は新入りに厳しいらしい
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第14話です。
シズク視点で始まります。
皆様こんにちは、全知全能にして偉大なる冥界の【神】ソラ様の唯一の〝眷属〟シズクです。
そう唯一無二の〝眷属〟です、ソラ様の唯一無二のお供、いやパートナー、つまり人生のパートナー即ち〝妻〟うへへ、何を隠そうこの僕シズクはソラ様のお嫁さんなのです。
まぁ僕の脳内設定なので、実際はただの〝眷属〟なのですが(スン)、でも僕はめげません!ええそうですとも!いつの日かソラ様から〝シズクちゃんは俺の嫁!〟と言わせて見せますとも!古今東西、【神】は村娘が好みと相場が決まっているのです!わざわざ村娘を攫い嫁にするなど【神】界隈では珍しい事ではありません!この間はなんて、ソラ様と目があった回数がなんと100を超えたのです!ええこれは脈ありです、間違いありません。
…………………はぁ、僕は一体何を言っているのでしょうか、最近はこんな事ばかり考えてしまいます、ソラ様が僕の下に降臨してからというのも、この胸の高鳴りが止まることがありません、ソラ様の手前表面状は優秀な〝眷属〟であろうと努力はしているのですが、頭の中は恐れ多いくもソラ様に対し不埒な事ばかり、村に居た頃はこんなんじゃなかったはずなんですが、うぅ、ソラ様は【神】として真剣にこの世界を救済しようとしているのに僕ときたら、でも、うへへ、ソラ様はもうこの都市『シンシア』が陥る危機に対し既に救済の道筋が見えているらしいのです、ぱねぇ、マジかっけぇ、胸に溢れる尊敬の念が、信仰心が止まらない、あぁ主よ!あぁソラ様!!僕は僕はもう!
「お〜い、シズクちゃん」
なんだかソラ様の声まで聞こえてきたような、うへへ、ソラ様〜。
「シズクちゃんちょっといいかな?」
ソラ様ソラ様ソラ様。
「どうしたんだろ?お〜い」
ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様。
「な、なんだかまた、がんぎまった目をしているような?」
ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラ様ソラしゃま。
「お〜い!大丈夫!?シズクちゃん!!」
あれ?目の前にソラ様が?って。
「ソ、ソラ様!?いつからそこに!?も、申し訳ありませんでした!考え事をしていたもので、うぅ眷属にあるまじき一生の不覚、どのような罰でも」
「いいよいいよ、こっちこそゴメンね?考え事してたところに声かけちゃて」
貴方は神か、いや【神】だけど、うぅなんてお優しい!本当に僕には勿体ない主だよ、僕ももっと精進しないとね!
「それで僕に何か御用でしょうか?何なりとお申し付けください、我が主よ」
「うんそうなんだ、う〜んなんて言ったものか」
なんだろう?何か言いづらい事なのだろうか?ふふっ、何でもバッチコイですよ!カモンカモン!
「あのね?葵ちゃんを眷属にしたいんだけど」
「御意、仰せのままに…………ん?」
今なんつったよこの【神】野郎。
◆
はいどうもこんにちはソラです。
無人都市『シンシア』たどり着いた俺達は、怪異の子供達と遊び…………コホンに襲われ、更に様々な[異能力]を操る[アンノーン]モドキに因縁をつけられて、その[アンノーン]モドキの正体が和風美少女で、和風美少女に取り憑いていたメッチャキモい蟲を退治して、ってホント色々あったな!?都市に着く前に感じてた嫌な予感が的中してしまった、これがフラグと言うやつか、まぁいいや、えっとなんだっけ?そうそう蟲を退治して早3日、気を失った和風美少女、葵ちゃんは未だ目を覚まさない、流石に心配になってきた今日このごろ、俺達は今日も途方に暮れていた。
「葵ちゃんマジで起きんな、さてどうしたもんか」
ここはやはり眠り姫を目覚めさせるのは、王子のキッスでしょ!…………うん無理、俺にはハードルが高すぎる!
「(まぁ呪に対し異性の接吻は確かに効果的だ、試してみる価値はあると思うのだが、相棒はそっち方面はヘタレだからな)」
だってよ〜、いきなりキッスは無理だよ〜、そ、それに俺にはシズクちゃんがいるし?浮気は駄目だよな?浮気は。
「(?、男の価値は抱いた女の数だろう?人間とはそういうものだと記憶していたが、違うのか?)」
いやいや、いつの時代の価値観だよ。
「(紀元前1000年だが?)」
うわ〜お、ジェネレーションギャップがしゅごい。
「(たかだか3000年程度で何が変わると言うのだ?)」
神様の視点ぱねぇ、人間10年あればガラリと変わるもんよ?そもそも80年と持たないし。
「(むむ、80年か…………やはり人は儚いな、であるのなら、尚更相棒には嫁を多く娶り、多くの子孫を残して貰わなければな、シズクも仕上がってきた頃合いだ、新たな眷属を迎えても良いだろよ)」
ん?その心は?
「(この娘も眷属にしてしまえ、其奴も中々の器だ申し分あるまい)」
え〜、でもでもそれだとシズクちゃん嫌がらないかな?眷属を増やすの反対なみたいだし。
「(あの娘のはただの独占欲だ、基本的に相棒には従順な訳だし、必要な事だと言えば納得するであろうよ、この娘を目覚めさせるにはこの方法が確実であるしな、意識が戻らぬ原因は彼奴めの呪術〈雅楽魁蟲〉だ、呪術自体は祓ったが、蝕まれた身体が元に戻った訳では無い、ならば眷属として新たに身体を作り替えれば良い、簡単な事であろう?)」
う〜ん、確かにもう3日も経ったし、自然回復は見込めないか、うん分かったそれで行こう。
「(うむ、ではさっそく)」
あ、待って相棒、一応シズクちゃんに言ってくるよ、やった後で言うのもなんだし。
「(むむ、あの娘の場合後から言って有耶無耶にした方が良いと思うのだが、まぁ相棒がそう言うならそれで良いぞ?)」
じゃあ善は急げだ、シズクちゃんは何処に居るのかな?確かこの辺に居たような、お!いたいた。
「お〜い、シズクちゃん」
シズクちゃんは何やら、細長くデカい建造物を眺めていた、もしかしたら神隠しにあっていない住人でも探していたのかもしれない、シズクちゃん真面目だからな〜。
「シズクちゃんちょっといいかな?」
俺が声をかけても、シズクちゃんは反応を見せない、可怪しいな、いつもなら直ぐに返事をしてくれるのに。
「どうしたんだろ?お〜い」
正面に回り込んで顔を覗いてみる、ひぇ。
「な、なんだかまたがんぎまった目をしているような?」
と言うか、完全にがんぎまった目をしている、まさか、シズクちゃんにも変な呪術が!?
「お〜い!大丈夫!?シズクちゃん!!」
あ、目が合った、良かったやっと俺に気づいたらしい。
「ソ、ソラ様!?いつからそこに!?も、申し訳ありませんでした!考え事をしていたもので、うぅ眷属にあるまじき一生の不覚、どのような罰でも」
本当にシズクちゃんは真面目だな〜、そんな事気にしなくていいのに。
「いいよいいよ、こっちこそゴメンね?考え事してたところに声かけちゃて」
パッと表情が明るくなったシズクちゃんが、嬉しそうにこちらを向いた。
「それで僕に何か御用でしょうか?何なりとお申し付けください、我が主よ」
お?これは大丈夫な流れじゃないか?
「うんそうなんだ、う〜んなんて言ったものか」
よ〜し言うぞ、言っちゃうぞ、だ、大丈夫だ何も後ろめたい事は無いんだから、よ、よし!!
「あのね?葵ちゃんを眷属にしたいんだけど」
よし!言えた!俺偉い!!
「御意、仰せのままに…………ん?」
言葉を詰まらせたシズクちゃんは、下げた頭をゆっくりと上げた。
「そレは一体どウいう事デしョうか?」
ひぇ、シズクちゃんの目のハイライトが消えた、あわわわ、ど、どうしよ。
「(落ち着け相棒、何も疚しい事などないのだ、理由を説明し、堂々としておれ)」
おう分かった落ち着く、そうだよな、うん俺今回は何も悪くないものな!
「(クックク、それでこそ余の相棒だ)」
よっしゃ言ったるで!!
「あ、あのね?え、えっと、あははは、シズクちゃん?べ、別にやましい事は何も無くて、ですね?あ〜、そ、その、葵ちゃんを助けるを助ける為には、コレが最善手でして、あの」
「(おい相棒、さっきの勢いはどうした)」
仕方ないでしょ!?思春期男子には荷が重いよ!
「(むむ、やはり思春期男子とは厄介なものだな?余と変わるか?)」
いや、いいよ今回は俺が言わなきゃいけない気がするんだ。
「(フッ、そうかでは武運を祈る相棒)」
おう、頑張るぜ相棒。
「ソラ様、では葵さんを救う為に、彼女をお嫁さ…………コホン眷属にすると?【神】の眷属として娶る…………コホン迎え入れなければ、彼女は助からないのですか?」
「正確に言えば他の方法があるかもしれないけど、眷属にした方が今の所確実だってこと」
考えるそぶりをするシズクちゃん、ゴクリど、どうだ?
「…………ふぅ、分かりました、全ては救世の為ですね、この娘を救済する為ならば仕方がありません、葵さんをソラ様の新たなお嫁さ……コホン眷属として迎え入れましょう、僕も伴侶……コホン眷属の先達として彼女を支えていきたいと思います」
ほっ、どうやら納得してくれたようだ。
「じゃあ早速始めますか、相棒宜しく」
「(うむ、では少しの間身体を借りるぞ?)」
おう、バッチコイ!!
「(う、うむ本当に躊躇が無いな相棒)」
フッ、今さらだろ?相棒と俺の仲じゃないか!!
「(ふふふ、そうであるな)」
そんなこんなで、段々と意識が薄れていく、なんだか久しぶりの感覚に思いを馳せ、俺は意識を失った。
シズクについて
シズクは眷属になった段階でソラの影響をモロに受けています、人格が変わったと言うより、自分の欲に忠実になった訳です、村娘時代は無意識に自分の気持ちを抑えて生活していた反動で今はっちゃけていますね、でも根が真面目なので表面状は抑えています、なのでソラは気づいてません。
ここまで読んでくれてありがとう御座います。
次は第15話です、次回も宜しくお願いします。




