プロローグ
人の一生はどんなにつらまないことだろう。
同じような毎日を繰り返しただ時間を浪費するだけの人生。
「つまんねぇ~」
机の下でデスノートを広げ、教師にばれないように読みながらそう呟く。
誤解がないように説明するとデスノートは面白いぞ。
僕が言ってるのは人生のことだからな、
「ほぉ~何がつまらないだ上村?」
先ほどまで教卓に板書していた先生が僕の左隣でありえないくらい怖い笑顔をしている。
「面白そうな本を読んでいるな、私の授業を聞くよりためになるのか?」
ヤバい……
先生が本気で怒ってる……
ここで下手なことを言えば間違いなく内申に響くし、僕の頭だと留年もありえる。
「え~と、新城先生の授業もためになりますがこの本もためになるといいますか、何といいますか……」
「何のためになると言うんだ?」
僕は精一杯考えた。
先生を納得させて、かつ公認でマンガを読める理由を。
そしてコレが天才的な頭脳によって導き出された答えだ。
「完全犯罪を行う勉強になります!!」
…………
気のせいか周りの空気が冷たいような?
「こんの~バカモンが~~~!!!」
新城先生は僕の頭にキツい拳骨をして、本を没収していった。
てか冗談抜きで痛いよ!!
コレってPTAに訴えれば勝てるよね!?
「やっぱりお前バカだろ?」
新城先生が教卓に戻って板書の続きを始めたことをいいことに、右隣の親友が話しかけてきた。
僕たちの席は窓際の一番後ろとクラスの中でも絶好場所である。
この場所なら小声で会話するくらいなら全くばれない。
「なんだよ赤ちゃん、新城が来てるなら教えてくれてもいいだろ」「その名で呼ぶな」
呼んだ瞬間に今新城に殴られたばかりの場所を思いっきり殴りやがった。
コレが噂にきくオーバーキルってやつか!?
正直僕はもう限界です……
「ごめん、僕が悪かった。」
「わかればよろしい」
「ところで哲は何してるの?」
「ん?俺はポケモンのレベル上げだが?」
今すぐコイツを新城につきだしてやろうか……
「ちなみに俺を新城につきだしたらペンチで同じ箇所をなぐる」
やっぱり親友を売るようなことはしちゃだめだよね。うん。
先生に本を没収された僕はやることことがなくなってしまった。
寝ようにも午前中の授業で寝すぎたせいか、全く睡魔が襲いかかってこない。
仕方ないので窓の向こうをひたすら観察する。
僕の目に映るのは夏のせいか、くそ熱い太陽様の日光を浴びて際限なく成長を続ける木々・さっきから動いていないと錯覚させる雲・校庭のど真ん中に落ちている黒いノート。
……ん?
黒いノート?
あまりにも自然に置かれているそれを全力でスルーしてしまいそうになった僕は慌ててノートに焦点を合わせる。
先ほど読んでいた本のことを思い出す。
「フッフッフ……僕は新世界の神になる」
「そうか、寝言は寝てる時に言わなくてもお前はバカだぞ」
「ちょっと何で断言されたの!?」
言う事だけ言ってまたレベル上げに勤しむ哲。
安心しろ、まず最初にお前で試してやる。
それから僕はホームルームが終わると大急ぎでノートを回収して帰宅した。
なぜか他の人にはノートが見えていないような気がしたけど……
さっそくノートを開いて、赤羽哲と書く。
とりあえず哲に電話してみるか、
「あ、もしもし哲?」
「お、なんだ進、お前からかけてくるなんて珍しいな」
「そう?ちょっと確認したいことがあってさ」
「何だ?」
そろそろ30秒経つ頃だ。
「体に異常は無い?」
「お前の脳ミソほどは壊れてないぞ」
「あ、うん、わかった。じゃね」
とりあえず電話切って、ノートの目次に目を通して見る。
「Do you want a woman body?」
「YES or NO」
……何だこれ?
もしかしてバカにしているのか?
こんな中学生レベルの英語なら解けるに決まってるだろ。
翻訳すると
彼女がほしいかどうかってとこだろ、
自慢では無いが僕は産まれてから17年間彼女ができた試しがない。
当然のように「YES」に丸をつける。
何も起きない、
ちょっとワクワクした僕の気持ちを返せ!
何か興奮して疲れた。
ちょっと寝ようかな。
僕はふらつく足で必死にベッドに向かってあるいた。
体が思うように動かない。
やっと思い出たどり着いたベッド、倒れるように横になる。
急激な睡魔に襲われる僕が最後に見たモノは、白い煙がノートから発せられ僕を包み込んでいた。
普通なら危険を感じるんだろうけど、今の僕にそこまで考える余裕はない。
言われもない眠たさにただ身を預けることしかできなかった。
そして、僕は深い眠りへついた。
次に僕が目を覚ましたの夜中の3時。
あたりは暗くなり、家族はとっくに眠っている時間だ。
お腹が減ってきたし、明日も学校があるのに風呂を入らないわけにはいかないので、とりあえず風呂に入ることにした。
?
気のせいかいつもより目線が低い気がする。
けど、深く考えないで風呂へ向かう。
脱衣場で服を脱ぐ時、そこでようやく僕は異変に気づいた。
異様に膨らんだ胸・短かった髪が適度に伸びて、マンガの美形でストレートな髪質の男子がしていそうな長さになり・身長が一回りほど縮み、ちょうど良かったはずの制服が全部ブカブカになっている。
胸のとこはキツいけど……
そして、決定的だったのが……本来僕になければいけないモノがない……
「どうやら上手くいったみたいだな」
どこからともなく聴こえる声。
けど正直今はそんなものに構ってる余裕はない。
固まっている僕に対してお構い無しに話を続ける声。
「まぁ我に限ってミスなんてありえぬがな」
「どうした?もっと喜べ、我が貴様の願いを叶えてやったのだから」
「願い?」
ただオウム返しのように訊ねることしかできない。
「あぁ、貴様が我の出した問いに答えたであろう?「女の体がほしいか?はい」と」
「はい?」
女の体がほしい?
もしかしてノートの書いてあった質問のこと?
アレっていたずらじゃないの?
「戸惑うのも仕方ないことよ、人間とは経験が無いことに耐性はなく、すぐにパニックを起こす生き物。容姿については満足であろう?貴様の肉体をベースに我が最高モノに変えておいた」
「アンタ誰だよ?てかにどこにいるんだよ!?」
少しだけ冷静さを取り戻した僕は、声の正体を確かめた。
正直その正体に興味はない。
ただ殴り飛ばしたいだけだ。
「我の名はキラ、全ての理から外れ、その力によって世界を思うがままにする神よ。我に肉体は無く貴様の精神に同化させ話している」
自分が神とか随分危険思考のヤツが現れたもんだ。精神に同化とかよくわからないし……
「いいから僕を元に戻せ」
「それはできん」
「何でだよ!?」
「貴様にかけたのは呪術の類でな、ある条件を満たさなければ解けぬ代物よ」
「その条件ってのは!?」
「異性に恋をし、結ばれよ」
「……それが条件?」
「うむ」
慌てていた僕は多少落ち着き取り戻した。
正直こんな危ないやつの話を鵜呑みにするつもりはないけど、もしそれが条件なら何とかなりそうだ。
要は彼女を作れってことだろ?
いいだろう、僕が本気を出せば彼女くらいできるさ!
……多分。
とりあえず家族に相談しなきゃな。
親父と弟は驚いただけなんだが、お袋と姉にいたっては僕を彼女か何かと勘違いしたらしく、慌てて赤飯を炊こうとするしまつ。
最初は全く信じてもらえないと思っていたけど、意外にも家族はすんなり信じてくれた。
コレが家族愛かと喜んでいた僕。
「あんたみたいなバカでもコッチのがまだ育てがいがあるよ」
「ママの言う通りだし、コッチなら着せ替え人形みたいに遊んでも飽きなそう」
「姉ちゃん、それよりもこんだけ可愛けりゃ、ある程度将来有望なとこに嫁がせることもできるぜ」
前言撤回。
こいつらぶん殴る!
両手で僕の肩を掴み真面目な顔をする親父。やっぱり最後に頼れるのは親父だけだよ。
「進、父さんと一緒に風呂に入ろう」
最初にヤらなきゃいけないのはコイツだったか……
そんなこんながあり、たどり着いた結果が、1週間学校を休み、その間に病院などで精密検査をしたり、学校には女として入学する手続きを行うことになった。
男の僕は親戚の料理を営むとこに修行にいったことにするらしい。
まぁ料理は得意だからばれないだろうけどさ……
後で気づいた事なんだが、身分証や国籍などはキラのやつが変えておいてくれたらしい。
礼は言わないけどな。
そして、その日から僕にとっての地獄の日々は始まった。
「てか進、アンタ言われた条件って男に恋しろってことじゃないの?」
姉のことの一言によって……
どうも初めましてまして方は初めまして
(^O^)
そうで無い方はまたよろしくお願いします
(^_^)v
あいたまといいます
(*^o^*)
この作品は投稿作品で数えると3作目です
o(^-^)o
まだ他2作が序盤だというのに新しいのを作成する愚行をお許しください
f^_^;
一応自分の中で決まり事があり、
~運命の鎖~を最優先で書き、今作は話が詰まった時などに書いていくつもりです
今回はある事情で本編を書いてあった部分が紛失したので、自分を慰める意味で書きました
p(´⌒`q)
番外編はあくまでイベント事にネタが浮かんだらですので、更新がほとんどできないと思います
(T_T)
コチラはオリジナル小説となりますが、いくつかネタを組み込みたいと思いますのでぶっちゃけ著作権的に危ないかもしれません
(-_-#)
次回キラがどこにいったかなどの細かい設定を書きたいと思います
( ̄∀ ̄)
もし宜しかったら今度ともよろしくお願いします
(≧∇≦)