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やっぱり、君の瞳に恋してる!〜ピンクの瞳に魅了魔法の力が宿る悪役令嬢が、最強の魔導師を目指します〜  作者: 雪月花
ジュカル学園

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52/79

52:ディアナへの忠告

 私たちは無事に2年生になった。

 暖かくなってきたので、エクセブル集めもだいぶし易くなってきた。

 ジュカル学園で受ける授業も少なくなり、ほぼエクセブル集めに費やすことができた。


 そんな中、私とノアは、学園のフリースペースのソファでエクセブルを一緒に見ていた。

「今日はどれを集めよっか?」

「んー、これとか?」

 私たちはここで、キャロルと落ち合う約束をしていた。

 彼女が来るのを待っている間に、今日の予定を話し合っていた。

 

 その時、私たちに近付いて話しかける人がいた。

「ノア、ラズベリー。ちょっといいかな? 教えて欲しいことがあるんだけど」

 顔を上げると、ライオネル王子がいた。


 指揮官を置いてのチーム戦の授業以来、ライオネル王子がよく私たちに話しかけてくるようになった。

 キャロルが言ってたようにスカウトのためで、私とノアにルミネージュ国へ移住して欲しいらしい。

 直接は言わないけど、ちょくちょく接触をして仲を深めようとしてくれている。


 今日は、私たちがすでに集めている魔動物についての攻略方法を聞かれた。

 ライオネル王子も向かいのソファに座って談笑する。


「なるほど。君たちは本当に集めるのが早いね。貴重な情報をありがとう」

 ライオネル王子がそう言って笑った時だった。

 ディアナが突然、私たちの近くにやってきた。


「ノア、ヘルプリクエスト申請したから受けてくれる?」

 ディアナがノアを見てそう言った。

 心なしか頬を赤く染めながら、少し不機嫌だった。


「……今日は……」

 ノアが少し驚きながらも、断りそうな雰囲気を出した時だった。

「行こう!」

 ディアナが強引にノアの腕を引っ張って立たせた。

 そしてそのまま連れて行く。


「おい、ちょっと待てって」

 ノアは抗議したが受け入れられず、少し怒っている様子のディアナに連れていかれた。

 『ごめん』と言う感じの困惑した表情を、一瞬ノアが私に向けた。


 私は唖然としながら、ただ見ているだけだった。


 


 ーーーーーー


 しばらくすると、ふつふつと怒りが湧いてきた。

 ディアナのあの様子……ノアを連れていきながらも、ライオネル王子の様子を横目でたびたび確認していたし、あれはおそらくーー

 王子に嫉妬してもらいたいんだ!

 

 だからって、ノアを利用しないでもらいたい。

 ノアが、自分のエクセブル集めを出来なくなるじゃん!


 私は、本当に助けて欲しくてヘルプリクエストを出してくるクラスメートの気持ちは、出来るだけ汲んであげたいと思っていた。

 だから、ノアやキャロルが度々ヘルプリクエストを受けるのは、しょうが無いかなって考えていた。

 でもディアナのように、違う目的でノアの時間を潰されたくはない。


「ライオネル王子、ディアナと上手くいって無いのですか?」

 私はついライオネル王子に、怪訝(けげん)な目線を送った。

「……上手くって……彼女は今までもノアとよくヘルプリクエストを行っていただろう?」

 ディアナとの関係を指摘されたからか、ライオネル王子が少し頬を赤くした。

「あれ、ライオネル王子に嫉妬して欲しくて、わざとノアを誘ってますよ」

「……何故?」

 王子が、驚きながら首をかしげた。


 その時、少し離れたところから声がした。

「そんなの、ライオネル王子がラズに構うからに決まってるじゃない!」


「「??」」

 私とライオネル王子は声のした方を見た。


 キャロルが隠れていた柱からひょっこり顔を出していたが『しまった!!』という顔をして引っ込もうとした。


「キャロル、こっち来て!」

 ふつふつと怒っていた私は、黒いオーラを出しながらキャロルを呼んだ。

 その様子に驚いたキャロルが、しぶしぶ出てきて、さっきまでノアが座ってたソファに腰掛けた。


 私はジトっとキャロルを見た。

「どうゆう意味?」 

「ディアナは……ライオネル王子が、ラズに聖女認定を受けさせようとしたり、図書室で魔法語の勉強をしたりしてるのを見て勘違いしてるのよ。ライオネル王子がラズを好きだって」

 キャロルの発言にライオネル王子が目を見開く。

「……そんなつもりでは……」

 そして弱々しくそう呟いた。

 キャロルはそんなライオネル王子を困り顔で見ながら、続けて喋った。

「この前のチーム戦の授業のあと、ライオネル王子がラズに〝リーネル国に、帰ってもらいたく無くなったんだけど〟と話しかけていましたよね? それを聞いたディアナは、ますます勘違いしてますよ」


「…………」

 キャロルの発言を聞いたライオネル王子は目を(またた)かせながら驚いていた。


 私はそんな王子の様子を気にともせず、たたみかけた。

「ライオネル王子、もう少しディアナとよく話し合って捕まえておいてくれません? ノアが迷惑です」

 私は不貞腐(ふてくさ)れた表情でライオネル王子を見つめた。

「……わ、分かった」

 私の不機嫌オーラに押されてか、ライオネル王子が少し青ざめながら頷いてくれた。



 それから少し喋ったあと、ライオネル王子は席を立ち去っていった。

 あとには私とキャロルが残っていた。


「ビックリした。ラズがそんなに怒っているから……やっとディアナに嫉妬したの?」

 キャロルがニヤニヤしながら聞いてきた。

「……ヘルプリクエストって、ノアがエクセブル集めの時間を削って受けてるのに、ディアナがライオネル王子に嫉妬して欲しいからって……ノアの時間を削るのが許せない」

「……あぁ、ランドールの成長を邪魔するやつは抹殺するってやつね」

「そんな物騒なことは言ってないわよ」

 私は呆れた表情でキャロルを見た。


「でもどーするの? 抹殺はしないにしても」

「……ちょっとディアナと話そうかな……ノアは優しいから言えなさそうだし」

「お! 修羅場だね!」

 キャロルは露骨にワクワクし出した。


「……楽しまないでよ……今日は私たちだけでエクセブル集めしよっか?」

 私はジト目でキャロルを見ながらもそう言った。

「いいね! 今日のラズは何でも倒しそうだし!」

「…………」


 そうして、私とキャロルもトルハの森へ向かった。




**===========**


 エクセブル集めを今日はサクサクッと終わらせると、私とキャロルは外のベンチに座っていた。

 トルハの森から学園へ帰ってくる道が見える場所だった。

 分析の魔石を見せるために待ってた時も、ここに座っていた。

 

 今日はもちろん、ノアとディアナを待つためだった。


「この、泥棒猫! とかラズに言って欲しいんだけど」

「そんなセリフ言わないよ! ここの世界の人に通じるのかな? フフッ」


 キャロルと私がそうやって騒ぎながら待っていると、お目当ての2人が帰ってくるのが遠くに見えた。


 私はベンチから立ち上がってズンズン歩いて近付いていった。

 キャロルはベンチに残ったまま見学していた。


「おかえり、2人とも。……ディアナちょっと話があるんだけど」

 私はノアとディアナの前に立ち、肘をつかむように腕を組みながらディアナを見据えた。

「ブランジェさん……」

 私の不機嫌な様子にディアナが怯える。


「ライオネル王子に心配してもらいたいからって、私のノアをこれ以上振り回さないでもらえるかしら?」

 私は片手だけを動かし、自分の頬にあてて首をかしげた。

 目を細めて口元は弧を描き、目が全く笑っていない笑みを浮かべる。


「……そんなつもりじゃ……」

 ディアナが青ざめながら(うつむ)いた。


 私はそんなディアナにそっと近付いて彼女の肩に触れる。

 

 ディアナが思わず私の方を見た。


「ノアにこれ以上言い寄るなら、私もあなたの王子様を本気で堕としに行くわよ」

 私は少し伏し目がちな、冷めた表情をディアナに向けた。

「ご、ごめんなさい……!」

 ディアナが思わず謝罪した。


 そのあと、二言三言しゃべったディアナは、足早に去っていった。




 私はベンチで待っているキャロルの元に帰った。


「アハハ! さすがサキュバス様」

 キャロルがケタケタ笑いながら小声でそう言った。

「もう。……でもあれで焦った時は、ライオネル王子に向けての行動になってくれるんじゃないかな? もうノアの方に来ないで欲しい」

「そうだねぇ。……で、ランドールはどうなってるの? 魅了魔法にかかったの?」

 キャロルが半笑いを浮かべ、私の後ろにくっついているノアを指差した。

 ノアは後ろから私の肩らへんを抱きしめて、私の後頭部に顔をうずめていた。


「……うーん、そうかも。あ、忘れてた」

 私はノアへの対応がおざなりなまま、転移魔法でエクセブルを呼び出した。

 そしてページをめくって魔法で文字を書く。


「何してるの?」

 キャロルがベンチから立ち上がって、私のエクセブルをのぞいた。

「私からノアへ、明日のヘルプリクエストの申請を出してるの」

 私は作業を終えるとエクセブルをパタンと閉じた。

「そうしたらエクセブル集めが出来るでしょ? 私からノアへのヘルプリクエストは禁止されてないし。毎日申請するつもり」


「なるほど! それいいわね! あ、ランドールも私に申請してよ。1度に2人には出せないから、ラズに出してもらえないし……そうしたら3人でエクセブル集めが出来るし!」

 キャロルがニシシと笑いながら、私の後ろにいるノアに話しかけた。


「…………面倒だから嫌だ」

 私の頭の後ろから、くぐもった声が聞こえた。


「断るとは思ってたけど、まだくっついてる!?」

 キャロルが目をまん丸にして騒ぎ出した。

「あー、多分照れた顔を隠してるんだと思うよ」

 私はノアの代わりに説明した。

「……なんとなく分かったけど、今からラズどーするの? そのくっつき虫、そのまま引き連れて寮まで帰るの?」

「え? それは目立つからヤダなぁ……」

「……」


 


 結局、キャロルは先に帰って、私とノアはベンチに座ってノアが落ち着くのを待った。

 ただノアが後ろから私を抱きしめているので、ノアの足の間に私がちょこんと座ってる状態だった。


 トルハの森から帰ってきた人たちは、ギョッとして私たちを見ながら通り過ぎていった。


「……どっちにしろ、私が恥ずかしいやつじゃん……」

 私はたまらず両手で顔を覆った。




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