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やっぱり、君の瞳に恋してる!〜ピンクの瞳に魅了魔法の力が宿る悪役令嬢が、最強の魔導師を目指します〜  作者: 雪月花
ジュカル学園

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42/79

42:鍋パーティ


 夕方、そろそろノアが帰って来るかなーって思いながら私は部屋でコタツに入っていた。

 

 ルミネージュ国は一層寒くなり、外は雪がチラついていた。

 寒いし、時間があったしで、私は早々に温泉に入ってきた。

 

 貸切状態の広い温泉で、ゆったり出来て気持ちよかった〜

 って思いながら、ミカンに似たアランジュをむく。


 ちょうどその時、玄関のドアが開いてノアが帰ってきた。

「おかえりー」

 私はニコニコ顔をノアに向けた。


「ただいま。……寒い」

 ノアはコートを玄関近くのクローゼットにかけてから、足早にコタツの方へ来た。

 そして、後ろから私を抱きかかえながらコタツに入る。


「ひゃっ! ノア冷えてるね」

 私は思わず、アランジュを一房口で挟んだままノアの方を振り返った。

 するとパクッとそのアランジュをノアに食べられた。


「あー、取ったなー」

 私は笑いながら机の方に向き直って、またアランジュを一房取る。

 そのあいだにノアは私の首筋らへんに顔を埋めた。


「……アーヴァインの匂いがする」

「ええー、そんなわけ無いでしょ。……確かにアーヴァインは爽やかな匂いするよね。何か香水でもつけてるのかな?」

 私は今日アーヴァインとの勉強会の時にかいだ匂いを思い出していた。


「ラズの好きな王子タイプだし」

 少し、くぐもったノアの声が聞こえた。


「あははははは!」

 私は、婚約者の可愛い嫉妬に思わず笑ってしまった。

 

 そして体を捻って後ろに振り返り、うつむき加減のノアの顔を両手で包み込んで少し上げる。

 真っ赤になって目を逸らしているノアを見つめながら私は言った。

「『俺だけを見てろよ』って言ってたでしょ。ノアだけを見てるよ」

 そして顔を近付けてキスをした。




 もう少しで私は15歳になる。

 13歳の時にはノアの気持ちを軽く考えていたけど、何年も変わらぬ愛を注いでくれるノアのことを今では私も大好きだ。


 不安にさせないように、私からもたくさん愛を伝えたい。

 

 どうしたら伝わるんだろう?

 

 私はノアの腕の中で、そんなことを考えていた。




**===========**


 今日はキャロルのヘルプリクエストが無い日なので、2人で鍋パーティをすることにした。


 食材を買いに行くために街に出かけた。

 街は雪が降り積もっており、滑らないように気をつけながら歩く。


 ……ヘルプリクエストをしてるノアとの半径5キロ、大丈夫かな?

 

 ちょっと不安になりながらも、キャロルと連れ立って店へ向かっていた。


「なにで鍋のスープ作る? そもそも醤油とか、みりんとかあるのかな?」

 私はキャロルに尋ねた。

「んー、まぁ適当にインスピレーションで」

 キャロルがニシシと笑う。


 そうやって2人でワイワイ言いながら食材を買い込んだ。




 寮に帰ると、共同スペースにあるキッチンで鍋作りを始めた。

 私もキャロルも前世で料理経験があるので、特に問題なく進んでいく。


「あ、部屋に持っていくのに、ガスコンロみたいな温めるものが無いね」

 私が具材を煮込みながら言った。

「石炭の魔石でどうにかなるんじゃない? IHコンロのイメージ?」

 キャロルが使った道具を片付けながら言った。

「なるほど。なんとかなりそう」


 私たちはそんなことを喋りながら、出来た鍋を持って私の寮の部屋に帰った。




「あ、美味しいじゃん!」

 一口食べてみたキャロルが顔を綻ばせた。

「うん! 適当にしてはいい感じだね!」

 私も食べてみてニッコリ笑った。


「じゃーん! こんな物も買ってみたよ」

 キャロルがそう言って取り出したのは白ワインだった。

「よく買えたね」

 私は驚きながら聞いた。

 私たちは、まだまだお酒が買える年齢じゃないからだ。

「ラズの方を指差して『お姉ちゃんが飲む』って言ったら大丈夫だったよ」

 キャロルがニシシと笑った。


 私はいそいそとコップを出して白ワインをついだ。

「「かんぱーい!」」


 さぁ、鍋パーティの始まりだ!

 

「あー、コタツに鍋にお酒。サイコー」

 キャロルがグラスを上にかかげて言った。

「本当だねー。前世を思い出すよ」

 私も真似して上にかかげた。


「ラズはランドールのどこが好きなの?」

「えー、さっそく恋バナ? カッコよくって一緒にいたら楽しくって、優しいところかな?」

 私は少し照れながら言った。

「優しいってどんな感じなの? いつもぶっきらぼうだし……ラズのこと好きとか可愛いとか言ってくれるの?」

 キャロルが心底、心配そうな顔をした。

 そして「想像できない……」と呟く。


「よく言ってくれるよ。2人きりの時に」

「2人きりだとそんなキャラなんだ。どうゆうテンションで?」

 キャロルが引き気味な表情で聞いてきた。

「えっと……」

「やっぱ辞めとく。居たたまれなくなるやつだ」

 真っ赤になった私を見て、キャロルは手のひらを私に向けて『ストップ』のジェスチャーをした。


「……キャロルは竜王様のどこが好きなの?」

 私がそう聞くと、途端にキャロルが目を輝かせた。

「よく聞いてくれたわね! まず顔がカッコ良すぎるの! それでねっ!!」

 キャロルが嬉しそうにニコニコして喋る。


 ずっと好きな人になかなか会えないって辛いだろうな。

 キャロルはとっても一途で、頑張り屋さんなんだよね。


 私は、好きな人のことを楽しそうに喋るキャロルを見ながら思った。




 ーーーーーー


「……ラズ……やっぱり起きないな」

 近くでノアの声がした。


 私が目を覚ますと、ノアが呆れた表情で私を見ていた。

「……んー……あれ? 寝ちゃってた?」

 私はまだ瞼が上がりきっていない目で辺りを見た。

 

 私とキャロルは飲んで食べて騒いで……そのままコタツで寝ちゃってたらしい。


「もう夜だぞ」

 そう言うノアをよく見ると、もう温泉に入ってきたようで就寝の準備も出来ていた。

「起こしてくれてありがとう。……私も片付けたり温泉に入ってきたりするねー。キャロルは起きるかな?」

 

 キャロルは気持ちよさそうに薄っすら笑いながらコタツにもぐって眠っていた。

 

 何か幸せな夢を見てるのだろうか?


 私はキャロルの寝顔に釣られて笑ってしまった。




**===========**


 「ーーーー!!…………!」

 

 翌朝、私の部屋からキャロルの騒がしい声が聞こえてきた。

 私は慌てて部屋に駆け込んだ。


「キャロル、おはよう!」

「あ、ラズ! ここラズの部屋だったんだね? ……あのあと寝ちゃってたんだ……迷惑かけたね、ごめん」

 キャロルが私のベッドの上で正座して頭を下げた。

「大丈夫だよ。私も楽しかってキャロルと一緒に寝ちゃってたし」

 私はキャロルの顔を覗き込むためにしゃがんで話しかけた。




 それから、帰るキャロルを見送るため、寮の玄関前に2人で立っていた。

 

 私は扉を開けながらキャロルを見た。

「久しぶりに飲んだから、よく酔っちゃったのかな?」

「そうかも。今度はもうちょっとスローペースが良さそうね」

 キャロルがニシシと笑った。


「じゃぁまたね」

 そして彼女は手を振りながら去っていった。




「…………寒い。二度寝しようかな。コタツに入ろうかな……」

 私は自分を抱きしめて、腕をさすりながら部屋の中に入っていった。

 


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