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やっぱり、君の瞳に恋してる!〜ピンクの瞳に魅了魔法の力が宿る悪役令嬢が、最強の魔導師を目指します〜  作者: 雪月花
ジュカル学園

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41:アーヴァイン・ガルトナー


 エクセブル集め禁止期間が始まった。


 私は自室のコタツに入って、ゆっくり朝の準備をしていた。

 めっきり寒くなったからコタツから離れられない……


 その時、誰かが玄関のドアをコンコンとノックした。


 ドアを開けるとキャロルが立っていた。

「おはよー! コタツ入らせて〜」

 そして、ここにもコタツ中毒者がいた。


 私とキャロルはコタツに入って、ひとまずまったりする。

「ランドールは?」

「支度中かな?」

 私は個室の方をチラリと見た。


「ラズは従者を連れて来なかったの?」

 キャロルが部屋を見渡しながら言った。

 広々とした部屋の作りを見て、管理するのが大変そう……とか思ってるのかもしれない。


「自分のことは自分で出来るし、ずっとお世話してもらうって、なんかむず痒くて……」

「分かる! 私もそれで断ったのよね。ジュカル学園が雇ってる従者にお願いするので充分よね〜」

 キャロルがニシシと笑った。


 丁度その時、ノアが個室から出てきた。

「あ、ランドールおはよー」

「おはよう」


 ノアの準備はすでに出来てるようで、彼もコタツに入ってきた。

 いつものように私の真横にくっ付いてくる。




「……なんでラズの右隣に入らないの!? わざわざ真横!?」

「右隣だと、ラズの左隣に座ってるアイスラーと対面になって、足が当たりやすいだろ?」

 ノアが面倒くさそうに言った。


「まぁそうだけど!!」

 キャロルが歯痒(はがゆ)そうな顔をした。


「前世のコタツより、大きめな机で作って良かったー」

 私は呑気に言った。


 そしてコタツに両手も入れて、ぬくぬくと暖をとりながら、キャロルとノアを見た。

「2人とも、今日からヘルプリクエストでトルハの森に行くんだよね。気をつけてねぇ」

 

 キャロルも私の真似をして、両手をコタツに入れながら喋った。

「ラズもアーヴァインとの勉強会があるんでしょ?」

「そうそう。図書室でね。もうコタツがあるここでしようかな?」

「そんなのランドールが許さないでしょ?」

「うーん、透明な防御壁でも机の真ん中に張ってもらえばいいんじゃない? 図書室にはコタツないし」

「あはは!! 刑務所の面会室みたいな?」

「そうそう!」

 私とキャロルはクスクス笑い合った。


 すると一瞬風が吹いて、コタツのすぐ近くに何かが出来た。

「なるほど」

 ノアが実際に防御壁を展開していた。

 今はキャロルがいるので机の真ん中には張れず、少し逸らした所に透明な壁が出来ている。


「ちょっと、アーヴァインとの勉強会なんて何時間も無いんだから、私を部屋に閉じ込めないでよ」

 私は青ざめた顔をノアに向けた。

「……」

 不機嫌なノアがフイッと顔を逸らす。


「嫉妬が半端ない……」

 キャロルが呆れながら私たちを見つめていた。




**===========**


 あれから何とか防御壁を解除してもらい、ノアとキャロルを見送った。


 しばらくしてから、私もアーヴァインとの待ち合わせ場所である図書室に向かう。


 トルハの森に行かない時は、制服のスカートの下にジャージを履かないから寒く感じるなぁ……


 私は自分の腕をさすりながら、図書室に急いだ。


 

 

 図書室にはアーヴァインがすでに来ていて、何か本を広げて熱心に読んでいた。


 アーヴァイン・ガルトナー

 青色の髪に赤い瞳をした美しい少年だ。

 少しアシメになっている髪型で、短い方の左耳にピアスをしているのが印象的だった。


 キャロルの情報によると他国の王子様であり、そう言われると高貴なオーラをビシバシ感じる。

 動作とかがね、優雅なんだよね。

 



「待たせてごめんなさい」

 私はアーヴァインの近くに立って声をかけた。

「僕が早くに来てただけだから、大丈夫だよ」

 アーヴァインが顔を上げて優しく微笑んでくれた。


 わぁ、めっちゃイケメン……


 私はその眩しい笑顔に目を閉じそうになる。


「アーヴァイン・ガルトナーです。改めてよろしく。アーヴァインでいいよ」

 アーヴァインがわざわざ立ち上がって自己紹介してくれた。

「ラズベリー・ブランジェです。じゃぁ私もラズで」

「それはノアに怒られそうだな。ラズベリーと呼ばせてもらうよ」

 アーヴァインがクスクス笑いながら言った。


 ノアとアーヴァインは出席番号1番と2番なので、何かと組むことが多く、よく話もしていた。


 穏やかで優しそうな人だな。


 私はひとまず安心した。




 それから魔法語について、アーヴァインがつまづいている所を教えてあげた。

 初めは向かい側に座っていたが、教えにくかったので隣に座る。


「ラズベリーは魔法語教えるの上手だね。ジュカル学園の魔法語の授業が、僕にとって少し難しくてさ」

 アーヴァインが眉を下げながら苦笑する。


 ……多分それは魔法語の先生の教え方が下手なんですよ。

 私、いつも眠くなりますもの……


 私は心の中で必死に返事をした。


 分かりにくいからか、ノアもよく私に聞くようになっていた。

 

「魔導書は全部魔法語だから、分からなかったら読めなくって困るよね。エクセブルも全部魔法語だし……」

 私は少し落ち込んでいるアーヴァインに、優しく声をかけた。

「そうなんだよね……エクセブルと言えば、ここも教えて欲しいんだけど」

 アーヴァインが自身のエクセブルを転移魔法で呼び出し、難しい文章があるページを開いた。


 そうして、穏やかに勉強会は過ぎて行った。




 ーーーーーー


「ありがとう。ラズベリー」

 勉強会が終わり、私とアーヴァインは連れ立って図書室を出ながら喋った。


「さっそく午後からエクセブル集めをしてくるよ。あ、ラズベリーは出来ないのにごめんね」

 アーヴァインが慌てて謝った。

「ううん。いいよ。アーヴァインの順位が上がってるか楽しみにしとくね」

 私はニコッと笑った。

 それを見たアーヴァインも笑い返してくれた。


「また明日もよろしくね」

 アーヴァインがそう言って、図書室の外に待機していた従者を連れて去っていった。




「午後から暇だなー」

 私は去っていくアーヴァインの背中を見つめながら言った。


 

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