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やっぱり、君の瞳に恋してる!〜ピンクの瞳に魅了魔法の力が宿る悪役令嬢が、最強の魔導師を目指します〜  作者: 雪月花
ジュカル学園

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30/79

30:魔導書


 私は14歳になった。

 

 すくすく育ち、体付きも妙に色っぽくなってきた。

 出るとこ出て、引っ込むところは引っ込んでる感じ。

 サキュバスお母様に、どんどん似てきている気がする。

 

 髪もだいぶ伸びて、セミロングぐらいになってきた。

 

 ゲームのラズベリーってこんなんだっけ?

 ドレスがブリブリしてたから、体付きなんて分からなかった気がするけど……

 

 


 ノアも私と同じ14歳になった。

 出会った頃よりも凛々しい顔立ちになり、ますますカッコよくなって、私より高貴なオーラを感じる。

 黙っていればだけど。


 そんな赤髪赤目の、高魔力持ちである証の塊である彼を、思わず見つめた。


「まだ、こんなにあるのかよ」

 ノアが、私の賢者になるための魔導書をペラペラめくっていた。

「半分埋めてたノアを追いかけてるんだから、出来てるほうじゃない?」

 私は机に頬杖をついて、少しムッとしながら反論した。


 私たちは、ノアに魔法を教えてもらう時に使っていた部屋にいた。

 机をかこんだ椅子に座って、向かい合っている。


「今日は雨だから、室内でも使えそうな魔法を習得しようぜ」

 ノアが魔導書に目を落としたまま言った。


 


 私は窓の外を見た。

 ノアが言うように今日は雨がふっており、シトシトと窓に雨粒が当たって、水玉模様を作っていく。


「…………」

 私はしばらく窓から見える景色を、ボーッと見ていた。

 

 ふと顔を上げたノアが、そんな私を見てため息をつく。

「……ったく。雨の魔石を作りたいとか考えてるんだろ」

「よく分かったね! 作る?」

「また今度な」

 ノアはまた魔導書に目を向けた。

「え〜」

 私は机の上にシナシナっと倒れ込んだ。


 その時、私たちの部屋にスチュアートが入ってきた。

「あ、こんな所にいた!」


 オスカーも一緒だったらしく、続けて入ってきた。

「ラズ、どうしたんだ?」

 オスカーが、シナシナな私に声をかけてくれた。

「ノアが最近スパルタで……」


 それを聞いたスチュアートが、悲しそうな顔で私たちを見た。

「えー、ノアが賢者になれたと思ったら、ラズまでもう賢者に合格しちゃうの?」


 …………


 スチュアートが言うように、ノアは一足先に賢者になっていた。


 彼はもう魔導書全ての魔法を習得したので、ダライアス様に認めてもらい無事に賢者になっていた。


 それで次は私の番ってことで、魔導書に載っている魔法習得に向けて力を入れていた。

 ノアが。


 もし私も賢者になれたら、ダライアス様の屋敷に学びにくるのも卒業ということになり、私とノアはあまり来なくなってしまう。

 それで、スチュアートは悲しんでいたのだ。


「……オスカーも、もう少しだしね」

 スチュアートが、そう言ってオスカーを見た。

 私も体を起こしてオスカーを見る。

「そうだね。私よりオスカーの方が先になるだろうねぇ」

「まぁね。けどオレは賢者になったそのあとは、王宮専属の魔導師になるつもりだけど」

 オスカーが爽やかに笑った。

 そしてノアに向かって、ニヤニヤ顔に切り替えた。


「ノアは大賢者になるために、ルミネージュ国へ留学するんだろ? その時ラズも連れて行きたいから、早く賢者になって欲しいんだよな?」

 オスカーがノアの肩をがしっと組む。

 ノアは照れているのか、不機嫌な顔してそっぽを向いた。


 スチュアートが無邪気にノアと私に笑いかけた。

「そっか、結婚したんだもんね。おめでとう!」

 

「結婚じゃなくて、婚約ね」

 私が少し照れながらも、スチュアートの発言を訂正した。


 ノアは賢者になったその足で、私の両親に婚約の約束を取り付けに行った。

 私が以前に、ノアと絶対結婚したいと騒いだこともあり、両親は許可してくれた。

 それに、賢者の称号を得るだけでも、誇り高いことだったからだ。

 

 ダライアス様のお弟子さんたちも、だいたい賢者止まりだし、貴族としても賢者を抱えていると泊がつく。

 賢者になったお弟子さんたちはみんな、貴族に所属していた。


 今回ノアが賢者になり、続いてオスカーと私がなりそうな状況は異例だった。

 それだけ私たちの世代は、有能者が豊作だったのだ。


 ……まぁ私は前世の記憶があるから、ちょっとチートかもしれないけど……

 ゲームのバグみたいな方法を見つけるのが、好きだし。


 


 そしてノアは大賢者になるために、ルミネージュ国への留学の話も着々と進めている。

 ノアの人生計画は、順風満帆だ。

 今の所ネックは私。

 私も留学について行けるようにならないと、魂の契約魔法の距離の制限が邪魔をする。


「え!? ラズもうこんなに進んだのか?」

 ノアが見ていた私の魔導書を、肩を組んだオスカーも何気なく見て驚いていた。

「……スパルタって言ったでしょ……」

 私がげっそりした表情を、オスカーに向けた。


 するとノアが、私の方を向いた。

「ほら、今日はこの魔法を習得するぞ。出来たら雨の魔石作りを手伝ってやるから」

 ノアが魔導書の黒い文字、習得出来ていない魔法を指差して私に見せた。

「本当!? やったー!」

 途端に元気が出た私は、魔導書を受け取って、さっそくその魔法について書かれている項目を目に入れた。


「オレも頑張らなきゃ、ラズに追い抜かれるかも……」

 オスカーが、自分の魔導書を転移魔法で取り出して、目を通し出した。

「雨から魔石を作るの? 見たい〜!」

 スチュアートが、目をキラキラさせて聞いてきた。


「それはダメだ」

 ノアがスチュアートをチラッと見て言った。

「そうね。危ないから……」

 私も神妙な顔をして、スチュアートに言った。


「えー……見たかったのになぁ」

 スチュアートは口をへの字にして残念がっていた。


 …………

 あんなにくっ付いて魔石生成をしている所は、こっ恥ずかしくて見せれない!!



「本当に危ないから、辞めといた方がいいぞ」

 おそらく、私と心情を同じくしているノアは、毅然とした態度でスチュアートのお願いを断っていた。




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