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やっぱり、君の瞳に恋してる!〜ピンクの瞳に魅了魔法の力が宿る悪役令嬢が、最強の魔導師を目指します〜  作者: 雪月花
ラズベリーとノア

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17/79

17:hybrid

 ノアに告白されてからも、私たちは前と変わらない日常を過ごしていた。

 互いに魔術を競い合う仲であり、そこにノアが護衛魔導師であることが追加したぐらいだった。


 そんな中、ダライアス様のお屋敷で相変わらず魔術を学んでいた私の周りを、小鳥の形をした光が舞った。

 ダライアス様が私を呼んでいた。

 



 ノアは私の護衛魔導師なので、ダライアス様の屋敷の中では出来るだけ一緒に行動をした。

 そのため、2人で連れ立ってダライアス様のもとを訪れた。


 部屋に入ると、ダライアス様は大きな窓から外の風景を立って眺めていた。


「ラズよ。よく来たのぉ」

 そう言いながら、優しい笑顔を浮かべたダライアス様が振り返って私を見た。

「ラズが初めて来た時に『ラズに適正があるかどうかを見極めさせてもらおう』と言ったじゃろ? まずは適正に関しては合格じゃ。これをお主に授けよう」

 ダライアス様が一冊の分厚い本を持って、私の前まで歩み寄ってきた。


「……これは、前にノアに見せてもらった……」

 私は本を両手で受け取りながら、表紙を見つめた。

「賢者になるための魔導書だな」

 隣からノアが声をかけてくれた。


「表紙をめくったところに名前を刻むのじゃ」

 ダライアス様が優しく微笑んだ。


 私は地の魔石が腕輪にセットされているか確認した。

 最近では五つの基本要素の魔石は常に腕輪にセットしている状態だった。


 本の表紙をめくって両手の上に置く。


 そして「〝I write my name asーーーー〟」と呪文を唱え、名前を魔法で書いた。


 名前を書き終わると、一度本の表紙が勝手に閉じた。

 開いて中を見てみると、黒色と薄い灰色の文字の羅列が見えた。

 私が習得した魔法が、薄い灰色の文字になっている。


「やったぁ!」

 私は本を両手で抱きしめながら、隣のノアを見た。

「良かったな」

 ノアも優しい眼差しで見てくれていた。


「どっちが早く賢者になれるか競争だね!」

 私はニシシと笑いながらノアに言った。

「俺はもうだいぶ埋まってるから勝負にならないぞ」

 ノアが意地悪く笑って私をみた。


 そんな私たちの様子をダライアス様が優しい眼差しで見守ってくれている。

「フォッフォッフォッ。これからもよく励むように」

「はい!!」

 

 私はダライアス様の言葉に、笑顔で大きく頷いた。




**===========**


 翌日、私とノアはダライアス様の7番目のお弟子さんである、シェリーさんに魔法の授業を受けていた。

 大きめな机を取り囲んで、3人とも立っていた。


「今日は魔石を掛け合わせる『hybrid(ハイブリッド)』を教えるわね」

 シェリーさんがニコリと笑いながらそう言った。

 スラっとした背の高い大人の女性で、ストレートの金髪がよく似合っている。


「魔石生成よりは高度な魔法になるわよ。イメージをしっかりね」

 シェリーさんがそう言いながら、私たちを交互に見つめた。


 いつも思うけど、乙女ゲームに出てこなかった魔法の設定がやけに凝ってる……

 シンドーさん。

 こーゆーRPGのゲームが作りたかったのかな……


 私は少しだけシンドーさんに思いを()せた。


「じゃぁ実際にやって見せるわね」

 シェリーさんが、赤い火の魔石と青い水の魔石を取り出した。


 それを自身の手に1つずつのせる。

「〝hybrid(ハイブリット)〟」

 シェリーさんがそっと呪文を唱えた。


 すると、魔石から光の粒子がサラサラと流れるように現れ、シェリーさんの両手の間で1つにまとまっていく。

 それとともに、元の魔石はどんどん小さくなり、しまいには消えてしまった。


 それに合わせて、シェリーさんが両手の間の光の球の下に手を移動する。


 徐々に光が小さくなっていき、長方形タイプの魔石が生成された。

 両端が赤と青で元の魔石の名残があり、真ん中は紫色の魔石が出来た。


「わぁ! すごい!」

 私は目をキラキラさせて合成された魔石を見つめた。

「ありがとう。でも本当は色が混ざると威力が弱くなるの。はっきり色が分かれてて、輝きの強い魔石を作るのは難しいのよ」

 シェリーさんが笑いながらも眉を下げた。


「けれど魔石の合成が上手く出来ないと、腕輪にセット出来る魔石が減るのよね。何個も魔石を持ち歩く訳には行かないし……」

 シェリーさんが腕輪を見る。

 腕輪には5つの魔石がついており、基本要素の魔石は合成されていた。


 なるほど。

 腕輪に魔石をつける数にも制限がある。

 3つぐらいがスタンダードで、魔導師レベルが上になると5つ前後を付けている気がする。

 

 ……5つの基本要素を1つにまとめられたら最強じゃない?


 私がいろいろ考えている中、シェリーさんが講義を続ける。

「じゃぁやってみてね」

 シェリーさんがそう言って『さぁ』というように両手を広げた。




 先にノアがやってみた。

 シェリーさんのように、赤い火の魔石と青い水の魔石をそれぞれの手に持つ。

「〝hybrid(ハイブリッド)〟」

 ノアが呪文を唱えた。


 ーーーーーー


「……むずい」

 出来上がった魔石を見つめながら、眉をひそめノアが呟く。

 魔石は色が混じって全てが紫色だった。

「最初にしては上出来よ。魔石自体が1つにならない時もあるわ。難しい魔法なの」

 シェリーさんが優しく笑ってフォローする。


 ……うーん、要はバイカラーの宝石みたいにすればいいんだよね。

 

 私は頭の中で、アメジストとシトリンが合わさったアメトリンや、緑とピンクが合わさったバイカラートルマリンを思い浮かべた。


「じゃぁ次はラズね」

 シェリーさんが私を見つめた。




 私も2人と同じように、赤と青の2種類の魔石を手のひらにのせる。

「〝hybrid(ハイブリッド)〟」

 目を閉じて呪文を唱えながら、バイカラーの宝石を思い描く。

 


 ーーーーーー


「……出来た!」

 私の手のひらには中央が一筋だけ紫色になってしまったが、赤と青に分かれた四角い魔石が転がっていた。


「……噂には聞いていたけど、ラズの魔石作りのセンスは凄いわね」

 シェリーさんが目を見開いて、口元を手で押さえながら喋った。


「ありがとうございます。バイカラーの宝石をイメージしてみたんです」

「バイカラー??」

 シェリーさんは首をかしげた。


 あ、そうか。

 貴族じゃなかったら、宝石なんかあまり見る機会がないかも。

 そしてバイカラーの宝石がこの世界にあるのかも分からないや。


「2色や複数色の入った宝石があって綺麗なんです。 ……探して持ってきます! 見てもらった方がイメージしやすいと思うので」

 私は一生懸命説明した。


「……ありがとう、ラズ。そっかー、宝石と魔石は似てるものね。ラズが魔石作りが上手なのは、宝石をよく見ているからなのかしら?」

 シェリーさんが首をかしげてクスクス笑った。


 それから私の作った魔石ごと、私の手をシェリーさんの手が包み込んだ。

「じゃぁ、早速この魔石を使ってみましょう!」

 シェリーさんの目がキラキラ輝いている。


 ここの人はみんな魔法に夢中なんだった。




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